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出版物紹介『最新美容医学でとりたい脂肪がすっきり』 第6章 美容手術のあれこれ

『最新美容医学でとりたい脂肪がすっきり』
共立美容外科医師グループ 著

第6章 美容手術のあれこれ

※この本は1990年に書かれたものです。現在の治療内容と若干異なる箇所がございます。

最新美容医学でとりたい脂肪がすっきり

美容外科もお国柄さまざま

美容外科というものは、もとはといえばアメリカ、フランスで発達したものですが、今や全世界にその拡がりをみせていると言ってもいいでしょう。
しかし、まだまだその国その国によって、技術商や設備面においてかなりの格差があるというのが現状です。

日本はどうでしょう。日本の美容外科は、技術の上でも設備の上でも、今やアメリカ、フランスなどと並んで世界最高のレベルに達していると言えます。
特に二重まぶたと隆鼻の手術に関しては、これは日本が文句なく世界のナンバー・ワンでしょう。裏返して言えば、それだけ日本では、二重まぶたや隆鼻を希望する人が多いからと言えます。「必要は発明の母」と言いますが、まったくその通りで、技術の進歩もまた必要の産物といえそうです。

先日、アメリカへ旅行したついでにボルチモアのクリニックで二重まぶたの手術を受けたという二十六歳の女性が、私たちの病院へおいでになりました。
「どうしても気に入らないので治して下さい」
と言うのです。
切開法による手術で、確かにくっきりとした二重まぶたにはなっているのですが、まったく顔の他の部分とのハーモニーがなく、しかも、傷跡もはっきりするものでした。
しかしこれは、だからといってアメりカのドクターを責めるわけにはいかないのです。
彼らは二重の手術などというのはほとんど経験しておらず、従ってその顔に似合った二重づくりなどということに関して、まったく心得がないのが当然といえば当然だからです。

そしてもう一つ。傷跡ですが、これも白人の肌というのは、皮膚が柔らかく、傷が残りにくいので、彼ら流の荒っぽい縫い方をしても傷が残らないのです。
ところが同じ縫い方を皮膚の違う黄色人種や黒人種にしますと、彼女のように傷が残ってしまうことがあるのです。そのあたりにお国柄の違いがあるということを、彼女のような不幸な体験を避けるためにも、ぜひ頭においてほしいと思います。
ミニの女王といわれたツィギー。彼女のツィギー・ルックが一世を風靡した頃、アメリカでは胸を小さくする痩胸術が大いにもてはやされたといいますが、女性の胸を大きくしたり小さくしたりというのは、アメリカのドクターはお手のものです。

日本では豊胸術は盛んですが、痩胸を望む患者さんは今のところほとんど稀です。でもときどきは、肩が凝って仕方がないのでもう少し小さくとか、大き過ぎて形が悪いのでもっと小さく形のよい胸に、という患者さんもなくはありません。
鼻となりますと、高くしたい人、低くしたい人、段を取りたい人、大きな鼻を小さくしたい人、と国によってニーズはさまざまです。中東ではワシ鼻の矯正手術が盛んですし、それだけに技術も進んでいます。ドイツやアメリカでは、もっぱら鼻筋の曲がりを直す手術、鼻を低くする手術が大半です。
日本では圧倒的に多いのは隆鼻ですが、それだけでなく、鼻の形をよくするさまざまな手術が現在行われています。

日本人の皮膚の特徴

白人の皮膚は傷跡が残りにくいという話をしましたが、要するに、皮膚の性質が違うということです。
白人種の皮膚は、いちばん傷が残りにくく、黄色人種、黒人種となるにしたがって傷跡が残りやすくなります。
ところで、傷が残りやすいといっても個人差があります。同じ黄色人種でも人によっては、傷跡が非常に残りやすい人と残りにくい人がいるということです。
これはどうみても傷跡が残りにくい方がトクなようです。
少なくともメスを執る美容外科医の立場からみれば、傷跡が残りにくい肌というのは最高ということになります。
ですから、日本のドクターには白人のドクターより逢かにていねいな縫合が要求されます。

しかし、ていねいさだけでは解決しない場面も出てきます。

いささか専門的な話になりますが、傷口を縫うのにゼット・プラスティーといって、階段状に縫う縫い方があります。一本の傷をわざとギザギザに縫うのです。
そうしますと、しわに添って縫ったラインが消えて、直線状に縫うより遙かにきれいに仕上がる場合があるのです。
ですが、この縫合法が効果を発揮するのは黄色人種までで、黒人には禁物なのです。彼等にこの方法を用いますと、いかにていねいにやろうと、皮厚性瘢痕としてギザギザがそのまま残ってしまう恐れがあるからです。

私たち美容外科医が、いつも心に留めて置かなければいけないことは、先端技術の修得はもちろんのこと、それだけでなく、それをいかに個人個人の特性や体質に適したものに使い分けるかという判断力の養成です。
もっともこのことは美容外科医に限らず、医療に携わるドクターすぺてに言えることでしょうが。

目の魅力のポイント

「あんな目でみつめられたらたまらないわね」
喫茶底の片隅で談笑中の女性群の中から、こんな声があがります。彼女たちは、今観てきた映画の主演男優の話をしているのです。
あんな目。それはどうやら、彼がヒロインに向けて放ったまなざしのことのようです。
昔から諺通り、確かに「目は口ほどに物を言う」のです。
すペての想いを込めて相手をみつめる目、そんな眼差しは、深く深く胸の内に射し込んで、いかなる言葉をも上回る愛の告白になるのです。
それはしかし、男性にとっても同じことです。とすれば、どうやら本当の愛は、目と目で確かめ合うものということになりそうです。目が大切なのは男女関係ばかりではありません。人の第一印象というのは、いつも目で決まるといっても過言ではないからです。

誠実そうな目、やさしい目、利口そうな目、涼やかな目。そんな目に出会うことがあるかと思えば、意地悪そうな目、暗い感じの目、落着きのない目、重くぼんやりとした目、どこかいやらしい目、などという目に出会うこともあります。
悪い印象を与える目のうちで、"落着きがない"のと"いやらしい"という、この二つは美容外科医の手ではどうにもなりません。
それを治すには、メスではなく宗教家の説教の方がいいでしょう。
が、それ以外の目の人は相談に来て下きい。きっと美しい目になります。
悪い印象を与える目の人というのは、一重でまぶたが重たい感じの人か、一重であろうと二重であろうと、自分の容貌に自信が持てないため、暗い表情をしている人が多いのです。
"意地悪そうな目"というのもコンプレックスからくる羨望が目にあらわれてそうみえるのです。ですから、自分の容貌に自信が持てるようになれば、たちまち解決するものです。

「目は心の鏡なり」とは中国の孟子の教えですが、気立てや性格は悪くないのに、コンプレックスや自信のなさのため、人によい印象を与えないなどというのは、本当に哀しいことです。

手術にためらいを感じる方に

アイプチやアイテープなどを使ってインスタントに二重を作っている人がかなりいるようです。当院へも、
「現在、私はアイプチで二重まぶたを作っているのですが、毎朝そのために二十分近くも時間がかかり、ゆっくり朝食をとることも出来ません。それに最近、まぶたが少し赤くなってきて、それも心配です。思い切って手術を受けようと思うのですが…」
などという方が多くおみえになります。アイプチやテープで二重を作ることは、ドクターの立場からみれば、
「危険がいっぱい」
と言わざるを得ません。

まぶたの皮膚にカブレや色素沈着、あるいはタルミなどが生じ、取り返しのつかないことにもなりかねないからです。
しかし世の中には手術を受けることにためらいを感じている方がたくさんおいでのようです。
そんな彼女たちの心の内を覗いてみますと、こんな声が聞こえてきます。

「いくら簡単だといっても、手術と名がつく以上どうしても抵抗を感じるの」
「痛いのがイヤ」
「自分の思い通りの二重にならなかったら、それこそ悲劇だわ」
「自然に仕上るかどうか心配」
「腫れがひどくて、四、五日は洗顔もメイクも出来ないっていうじゃない」
「術後すぐ出歩いて、人にわかってしまうのでは困るの」
「友人にもそんな人がいたんだけど、手術で作った二重って、結局、わかっちゃうのよ」
「手術を受けても二年ぐらいすると元に戻っちゃうって聞いたわ。そんなんじゃ高いお金払ってバカバカしいもん」

オヤオヤ、ずいぶんいろいろな疑問や心配をお持ちのようですね。でも彼女たちの言葉をまったく一笑に付すわけにはいきません。
ドクターの技術によっては、あるいはセンスによっては、彼女たちの心配ごとのいくつかは現実に起こり得るからです。
第一章で申し上げた「医者と弁護士は命がけで選ぶこと」という言葉を思い出して下さい。

二重の手術も埋没法なら大安心

二重まぶたの手術には、大別して二種類あります。
まぶたを切って皮膚を縫い合わせる「切開法」と、切らずに糸を埋め込むだけで二重のラインを作る「埋没法」という二つの方法です。

一昔前、二重の手術といえばもっぱら切開法が用いられていました。もちろん現在でもこの方法をとるドクターもいます。
切開法ですと、どんな名医が行なっても、術後の腫れは避けられません。メスが入るのですから、これは仕方のないことなのです。
四、五日は洗顔もメイクも駄目です。場合によっては傷が残ることもあります。

そこで、もっと簡単で経過が短かく、傷が残らない方法はないものか、ということから考案され開発されたのが糸だけを使う「埋没法」という方法です。
この埋没法にはいろいろな利点があります。
まずこれは、手術という名に値しないほど実に簡単な手術だということです。
私たちは便宣上、今でもこれを手術と言っていますが、実際は従来の手術というものとはほど遠いもので、その内容を考えますと、本当は単に「処置」と言った方が当たっているのかもしれません。なにしろメスは使わないのですから。従って腫れることはほとんどなく、術後すぐ街へ出ても人に気づかれることはありませんし、同時に傷跡の心配もまったくないのです。
もう一つの埋没法の利点は、実にナチュラルに仕上がるということです。
幅やラインが自由自在に選べるため、どこにも無理がないからです。まったく生まれつきの二重のように仕上がります。
といっても、これは埋没法だからというだけでなく、埋没法の利点を充分に生かした当院独自の技術や工夫が加味されて、初めてそう仕上がるのだということを付け加えておきます。

さらにもう一つ。この埋没法の利点をあげるなら、リバーシブルであるということです。
世の中には気に入って買った品物を、翌日取り替えに行く人もいます。
美容外科を訪れる患者さんにも、前にお話しした通り、ほんの稀ですが、そういう方がいます。
「やっぱり前の一重に戻してて下さい」
というのです。
そんなとき、埋没法なら糸を抜くだけですから、術後二カ月以内なら簡単に元に戻すことも出来るのです。

手術に当たっては、術前にたっぷりと時間をとって充分なカウンセリングを行います。
患者さんの希望する二重の幅やラインの形など、納得いくまで話し合うのです。その上でプジーというピンをまぶたに当てて、鏡で実際に二重のラインを、
「こういう感じに仕上りますよ」
と術前にみていただくわけです。
手術はピンで押えて出るラインを、糸を埋め込んで固定するだけのものです。
「痛くありませんか」
「腫れませんか」
この質問は必ずといっていいほど術前に患者さんの口から出るものです。
当院では、まぶたの細胞組織や毛細血管を損傷しないよう、細い針や糸を使っていますので、腫れの心配はほとんどゼロです。
痛みに関しては、当院は麻酔の技術にかけて絶対の自信をもっていますのでご安心下さい。
まったく無痛のうちに、十分ほどで手術は終わりです。

もう一歩の美のアプローチ

「よそで二重の手術を受けたのですが、どうも今一つすっきりしないのです。どうしたらいいのでしょう」
などという患者さんがおみえになることがあります。要するに、
「自分の思っていたほどきれいな目にならなかった」
という、漠然とした不満をもっている方です。
こういう患者さんを拝見しますと、不満の原因となっているのは、大がい、次の四つのいずれかです。

(1)ラインや幅がまったく顔に似合っていない
(2)まぶたの脂肪が厚いため、せっかく二重になっても重たい感じは変わらない
(3)モンゴリアン・フォールド(蒙古ヒダ)がもう一歩の美を阻んでいる
そしてもう一つは、この三つのいずれかがミックスしている場合です。

従来、二重の手術といいますと、ただただ目元をパッチリとさせるものが多かったのですが、これではかえっておかしな顔になってしまう人がいます。
極端な話、小さくて丸い目の人に幅の広い二重を作りますと、年中驚いているような顔になってしまいます。こういった方の場合、控え目な二重の方がどんなに自然できれいにみえるかわかりません。
腫れぼったい目の人は、まぶたの脂肪抜きをしないと二重が生きてこない場合があります。
そういう方のために小さな傷で脂肪をとる方法があります。
ひとことで言えば、まぶたの脂肪を切開した部分からひっぱり出してとり除く方法です。
まぶたの厚い人は、これですっきりとした目になります。
さて、問題はモンゴりアン・フォールド(蒙古ヒダ)です。
この蒙古ヒダというのは黄色人種特有のヒダで、西洋人にはないものです。
ヒダは人によって形も大ききもさまざまですが、このヒダを切りとることによって、二ミリから三ミリは目が大きくなります。
逆に言えば、私たち日本人は、この蒙古ヒダが被っているために実際の目の大きさより三ミリも小さな目になっているということです。それでは誰かれの区別なくこのヒダを切ればいいかというと、必ずしもそうでもないところに微妙な問題があります。
一般的にはこのヒダが、もう一歩の美を阻んでいるケースが確かに多いのですが、中には逆に、ヒダがあることが日本的な美に通じている顔立ちの方もなくはないからです。

鼻は美男、美女の条件

物事に大体の結着がつくことを「目鼻がつく」と言います。器量のよいことを「目鼻だちがいい」とも言います。
目と鼻は、どうやらワン・セットになって語られるもののようです。まあ、それだけ目と鼻のバランスが大切だということでしょう。目が「口ほどに物を言う」存在なら、鼻はなんといっても顔の中心、いうなればキャピタルなんですから、この二つの相互関係というのは顔にとっては大事というわけです。

江戸時代の人は器量のよい顔として、
「目細鼻高桜色」
という表現を用いました。
目は細く、鼻は高く、血色がよいのが器量よしというわけです。
これは美男子の条件として言われた言葉なのですが、美女の場合はどうでしょう。
美女の場合も「目細鼻高」までは同じです。色白で面長な顔に「目細鼻高、おちょぼ口」
というのが美人だったようです。歌麿や春信の描く浮世絵の美人絵をごらんになればわかります。みな、そういう顔に描かれています。
しかし、彼女たちの間延びのした顔は、歌麿には申しわけないのですが、現代人の美的センスからいえば、美人どころかむしろ滑稽に近い顔です。

でもそれは、生活様式の変化と共に価値感が変わったのだから仕方ありません。
イヴニングドレスが似合う現代美人だって、江戸時代にタイム・スりップしたら、誰も相手にしてくれないでしょう。
まあ、それはともかく、面白いのは昔も今も「鼻高」を佳しとする点では一致しているということです。

日本人の鼻は鼻筋が問題

近頃の若い人には、ずいぶんと鼻の高い人が多くなりました。だから「ソ−ス顔」などという言葉が生まれるのです。

ですが、民族古来の欠点とも言うべき「鼻の低さ」とは、そう簡単にはサヨナラは出来ません。特に鼻根部(目と目の間)の低い人が多いのは、いかんともしがたいことです。

鼻線部が低いということは、鼻筋が通っていないということです。結局、日本には、この鼻筋が通っていない人が多いのです。

「ダンゴ鼻が気になって仕方がないので治して下さい」

という患者さんでも、よくみますと、決してダンゴ鼻ではないのに、鼻筋が通っていないため、そうみえる場合が結構多くあります。そういう患者さんは鼻筋を通すだけで、鼻先はいじらずとも問題は解決です。

鼻の美容のケースはさまざまですが、最も多いのは、「鼻筋を通してほしい」というのと、「トップを高くしてほしい」、つまり、ダンゴ鼻を治してほしいという二つです。

隆鼻術も自然な仕上がり

鼻筋を通す手術、つまり鼻を高くする手術には、シリコン(人工軟骨)を用います。

一昔前、隆鼻術を受けた患者さんの鼻が変形したり、皮膚の色が変わったり、もっとひどいケースでは補填物が皮膚から飛び出したり、という事故が相次いだことがあります。これは粗悪なプロテーゼなどを平然と使用したドクターがいたからです。

そのため、現在でも人工補填物に対して懐疑的な人もいますが、もうそんな心配は無用です。

現在、私たちが用いているシリコンは、人工心臓の材料としても使われているもので、人体になじみ、まったく悪影響のないものです。

自分の鼻をさわってみるとわかりますが、鼻というのは鼻根部から硬い骨で、鼻先は軟骨になっています。

そのやわらかい部分まで硬いシリコンを入れますと、不自然仁仕上がる恐れがあります。

そんな場合、私たちが行っているのは、硬い部分にはシリコンを用い、鼻先には耳介部(耳の裏側)から軟骨をとり、それを入れるという方法です。

これならまったく自然に仕上がり、一カ月もすれば、エステティック・サロンのエステシャンがさわっても絶対にわからないほどです。

トップを高くしてほしいという場合は、耳介部からの軟骨を用いる場合と、何も用いず、鼻先の軟骨を細工して仕上げる場合とがあります。

鼻の手術は現在、すべて鼻の穴の中から行いますので、傷が残る心配はまったくありません。

「あぐら鼻」や「段鼻」の手術も同じです。

小鼻が横に大きくあぐらをかいたような形をした「あぐら鼻」の場合は、以前は外側から小鼻を切って縮める手術でしたが、現在では穴の中で切って縫い縮めます。

この方法ですと、傷が残らないばかりでなく、トップが高くなるというメリットも付加されます。

「段鼻」の段を削りとるのも内側からです。「段鼻」の方には骨が太い方が多いようです。

そういう場合は、鼻骨の両サイドを落して骨を小さくし、スマートな鼻にする手術も行います。

まったく苦痛のない鼻への麻酔

鼻の手術に従来あった問題点を、私たちはすべて解消しましたが、最後に残った問題点は麻酔でした。麻酔の注射を鼻に打たれるのは、患者さんにとっては大変な苦痛です。

そこで、なんとかこの苦痛から患者さんを解放する方法はないものかと考えたのが笑気ガスの使用です。

現在、私たちは、笑気ガスを用いて一瞬患者さんを眠らせ、注射を打ち終わると同時に、酸素で覚醒させるという方法をとっています。もちろん、完全なパイタルサイン・チェックが必要となりますが、これならほとんど苦痛はありません。患者さんが気がついたときにはもう麻酔が利いていて、すぐ手術に入れるというわけです。

口もとを美しくする法

「口が目立って仕方がないので、口唇を小さくしてほしいんですけど」
という方がよくいらっしゃいます。
ところが、拝見しますと、決して口は大きくないのです。
スクリーンやステージに登場する欧米の美女たちをよくご覧下さい。イングリット・バーグマン、エリザベス・テーラー、マリリン・モンロー、ダイアン・レイン、マドンナ、ホイットニー・ヒューストンなどなど。
彼女たちはみな、実は口が大きいのです。で
でもそれらしい印象を与えません。それは言うまでもなく、大きな目と鼻があるからですが、それにもまして口を目立たなくしているのは、実はアゴなんです。

西洋人はアゴが出ているため、口が目立たないのです。逆に日本人はアゴが後退しているため、さほど大きな口でもないのに、口が目立ってしまうケースが多いのです。
ですから、そういう方の場合、口をいじらずに、アゴを出すことで問題が解決するのです。
アゴを出す手術は、人工軟骨をアゴに埋め込むだけ、ですから簡単です。口の中から行いますので傷口の心配はなく、食事もその日のうちにとることが出来ます。

ところで、お手元にあるエンピツで結構ですが、それを顔に当てて、鼻のアタマとアゴを結んでみて下さい。そうしたとき、エンピツと口唇の問にすき間が出来るのが理想です。
口が目立つ人というのは、口唇がエンピツに当たる人、あるいは口唇がじゃまをして、鼻とアゴのラインが結べない人です。
先ほど「アゴを出すだけで問題は解決」と言いましたが、もちろんそれだけで問題が解決しない方もいます。
極端に口唇が厚く大きな人、あるいは歯の出ている人です。
口唇を小さくする手術は、どうしても一週間から十日ぐらいは腫れが残りますが、手術そのものはむづかしいものではありません。
唇の内側の粘膜を切って縫い縮めるもので、理想的な形に仕土ります。

歯列矯正のおすすめ

「口もとの美しさとは美しい歯のことである」と極言してもいいほどに、歯の美しさは大切なものです。
微笑んだときにこぼれる白い歯は、何とも愛らしく、何ともチャーミングで、しかもセクシーです。でも、もちろん、白いだけでは男性は魅了されません。歯並びが美しくなければ駄目です。

ところで、最近でこそ歯のきれいな若い人がふえてきましたが、日本には歯並びの悪い人、虫歯の多い人がたくさんいます。これは一にもニにも歯の健康や美に対する認識が、他の先進諸国に比べ、日本人に不足していたからにほかならないのです。
アメリカではかなり以前から、永久歯が生え揃う子供のとき、歯並びを矯正するということが盛んに行われ、それが当たり前になっています。
単に歯並びの悪い子はもちろん、上出っ歯の子も、下出っ歯の子も、全部矯正するのです。
従って永久歯が生え揃うときには、まったく美しい歯並びになっているというわけです。
日本でもようやく最近になって子供の歯の矯正専門のドクターが現れはじめました。これからは日本でも、歯並びの悪い人や、出っ歯の人が年々少なくなってゆくことでしょう。

将来の話はさておき、現実に目を戻しますと、歯並びに悩みをお持ちの方はたくさんいらっしゃると思います。
私たちは現在、口腔外科のスペシャリストとチームを組んで、そういう患者さんのために矯正手術を行っています。
歯並びが悪いということは、不正咬合(上出っ歯、下出っ歯)も含めて、単に口もとの美を阻害するというだけでなく、健康上からみても「問題あり」です。
今の医学の技術をもってすれば、どんな問題でも解決出来ます。お悩みの方は一刻も早く手をうたれた方がいいでしょう。

顔の輪郭は大切に

江戸時代には、色白でほそ長い瓜実顔が美人の条件であったと言いましたが、顔の輪郭というのは、丸顔であろうと、面長であろうと、卵型であろうと、角張っていようと、それぞれによさがあるものですから、自分の輪郭を大切にしてほしいと思います。

ですから結局、形そのものではなく、形と部分とのバランスの問題ということになります。

アゴが尖っている、あるいは逆に後退している、といった場合は、丸顔だろうと卵型だろうと、全体のバランスの中での修正が必要です。

一番気になるのは、頬骨が高く、そのわりに頬がこけていたり、こめかみがくぼんでいたり、といった顔です。

こういう顔の人はどうしても年齢より老けてみ見えるものです。また、暗く寂しい感じを人に与えがちです。

こめかみのくぼみは、シリコン・プレートを入れることで解決しますし、こけた頬は、脂肪注入によってふくらませることが出来ます。そうするだけでまったく別人のような、ふくよかで若々しい顔になります。

アザの悩み、ほくろの悩み

アザに悩む方も多くいらっしゃいます。
アザには先天性のものと後天性のものとがありますが、日本人に多いのが「大田母斑」という青ムラサキのアザです。
これは先天性のアザなのですが、幼児期には目立たず、思春期の頃になると目立ってくるという、やっかいなものです。
アザはその大ききや種類がさまざまですが、レーザー光線やドライアイスでとったり、特殊なグラインダーで削ったりしてとります。種類によってはそういう方法でとれないものもあり、その場合は皮膚を移植する方法でとります。

ほくろは、二ミリ、三ミリのものであれば、レーザーを当ててとることが出来ます。
二、三日はとった跡が赤みを帯びていますが、その日のうちから洗顔もメイクも大丈夫です。
それ以上大きなものはメスを使って切除します。
一週間ぐらいは洗顔もメイクも駄目ですが、一カ月もたちますとわからなくなります。

シワはなぜ出来る

「とりたくない、とりたくない」と言いながら確実にとってゆくもの。それが歳です。

人間は、二十四、五歳までは細胞がふえ続けるのですが、そのあたりを境に細胞の増加はばったりと止まり、あとはふえることはないのです。

つまり、そのときからひたすら老化に向かって進むというわけです。

「二十五歳はお肌の曲り角」

という言葉がありましたが、二十五歳で曲り角を迎えるのは肌だけでは決してないということです。

でも、肉体が老化に向かうということと、老け込むということとは、まったく別問題ですから、そこのところをよく頭に留めておきましょう。

ところでしわですが、しわというのは一口でいえば皮膚の老化現象で、皮膚がたるんで出来る溝です。

皮膚の張りを支えているのは、コラーゲンとエラスチンという繊維組織ですが、歳とともにこれらが脆くなっていくため、肌がたるみ、しわが出来るのです。

アメリカやフランスでしわとりの技術が発達したのもうなずけます。

目尻のワキの小ジワ、俗に"カラスの足あと"といわれるものが最初に出来るのも、目のまわりが身体の中で一番皮膚の薄い部分だからです。

皮膚の老化を早めるもの

皮膚の老化を早めるものの一つにタバコがあります。
日本で女性がタバコを吸うようになったのは比較的最近のことですが、アメリカでは一九二〇年代、あのローリング・トゥエンティーズといわれた時代に女性の喫煙者が急増し、それがヨーロッパの女性にも影響を与えたと言われています。
余談になりますが、女性のライフ・スタイルに関する面白い資料がありますのでご紹介しましょう。
一九二〇年代に入って、ヨーロッパの女性たちがアメリカ的になろうと、アメリカ女性を真似たという話です。
それによりますと、アメリカ的になることとは、髪を短かく切ること、短かいスカートをはくこと、タバコを吸うこと、肉色のストッキングをはくこと、自動車を運転すること、人目にふれる場所でキスすること、刺激的な音楽に合わせて踊ること、となっています。面白いでしょう。こういう記事をみますと、日本は戦争の影響もあったことは事実ですが、

「四十年は遅れた」

という感じがしますね。
話を戻しましょう。タパコと並んで皮膚に悪影響を及ぼすのが睡眠不足てす。
生活環境の変化とともに、近頃では若い人たちの夜遊びが目立ってふえています。
プレイ・タイムを愉しむのも結構ですが、睡眠不足には充分注意をして下さい。

「夜遊びもするけど、睡眠も充分とっているから大丈夫」
という方もいます。
ところが、大丈夫ではないんです。
同じ長さの睡眠でも、時間帯によって価値が違うということを、ぜひ、知っておいて下さい。
つまり、同じ八時間寝たとしても、夜十一時に寝て、朝七時に起きるのと、夜中の三時に寝て、朝十一時に起きるのとでは、大きな違いがあるということです。
これは生理学的に言うことも出来るのですが、要するに、人間も大自然の中の生き物だということです。これは生理学的に言うことも出来るのですが、要するに、人間も大自然の中の生き物だということです。
大自然に夜の帳が下りるときに寝て、草木が露を含んで目を覚すときに目覚める、というのが大自然の摂理に適った生き方で、それは人間にとっても変わらないということです。
「夜遊びが過ぎたかな」と思ったら、栄養クりーム、マッサージ、パックなどでの肌のお手入れをお忘れなく。

思わぬところにいる大敵

ところで、以前はしわの話といえばお年寄りの専売だったのですが、近頃では若い人同志が、

「いやね、しわが多くなっちゃって」

などと話し合っているのをよく耳にします。

「それは日本女性が美容に目覚めた証拠で、昔の人よりしわ一つに対しても敏感になっているからさ」

確かにそういう見方もあるでしょう。

ですが、そうとばかりは言えないのです。実際、若い人にしわが多くなっているのはまぎれもない事実なのです。

なにも喫煙や夜遊びだけが原因ではありません。原因はいろいろあります。

例えば、海や山へのレジャーもその一つです。「夏の陽を燦燦と浴びて……」

それも確かに健康上よいことです。

でも同時に、紫外線こそ肌の大敵だということも忘れてはいけません。日やけは、すればするほど、皮膚の老化を早めるのです。

そしてもう一つの原因は食生活です。

若い人には、極端な減食をする人、逆に暴飲暴食をする人、好き嫌いのはげしい人がたくさんいます。こういった食生活もまた、皮膚の老化を早めるのです。

コラーゲン注入法でシワをとる

目尻のしわなど顔に出来た小ジワは、コラーゲンという"たんぱく質"を、真皮膚内に注入することによってとり除くことが出来ます。先ほど、皮膚の張りはコラーゲンとエラスチンという繊維で支えられていると言いましたが、そのコラーゲンです。

従って、かつてのゼリー状のシリコンやパラフィンが起こしたような障害が起こる心配はまったくありません。

ただ、稀に、人によってアレルギー反応を起こす場合がありますので、使用に当ってはアレルギー反応テストが必要です。

ツベルクリン反応をみるように、前腕部に注射して様子をみます。

コラーゲンの注入によるしわとりは、自然で、トラブルの心配がなく、まったく非の打ちどころのないものなのですが、たった一つだけウィーク・ポイントがあります。

それは、永久的ではないということです。

申し上げた通り、コラーゲンはたんぱく質ですから、時間がたつと、皮膚に吸収されてしまうのです。まあ、それだけ人体にとって自然なものとも言えるわけですが、ともあれ「期限付き」なのです。

その期限というのは、個人差があるのですが、だいたい半年から一年と思って下さい。

フェイス・リフトは十歳若返る

フェイス・リフトというのは、文字通り、皮膚のたるみを引き上げる手術のことです。

「フェイス・リフトをすると十歳若返る」とはよく言われることですが、確かにそのくらいの効果はあります。目尻、頬、ひたいなどのしわがまったくきれいになくなり、張りのある若々しい肌が甦るのですから。

ところで、若い人のしわの話をしましたが、近頃二十代なかばぐらいの若い人で、このフェイス・リフトを希望する人が結構多いのです。でもこれは、私たちは決して若い人にはお薦めしません。自然に歳をとることを妨げるからです。

先日もある新聞の投書欄に、

「自分の顔に表情がまったくなくなり、悲しい思いをしています」

という、フェイス・リフトの手術を受けた若い女性の方の自戒の念が載っていましたが、そうなる恐れがあるのです。

二十代だったら、何かの理由で皮膚にたるみができても、まだまだ肌の手入れをこまめにするとか、生活を改善するとか、そういった自己管理で若々しい肌をとり戻すことが可能なのですから、フェイス・リフトなど短絡的に考える前に、ぜひそういう努力をしてみてください。

フェイス・リストは、あくまで「十歳エイジングケアたい人」のためのものであることを忘れないで下さい。

重ねて、二十代の女性がするものではないことを、強く申し上げておきます。

豊胸の二つの方法

一昔前、豊胸術といえば、注射器でシリコンを乳房に注入するものでした。現在ではこの方法を用いる、ドクターはいないと思います。
が、もしいたら問題です。注入されたシリコンが組織と癒着を起こし、乳ガンと区別のしにくい、極めて紛らわしい"しこり"が出来たり、他にアジュバント病(一種の膠原病)を引き起こすこともあるからです。
現在ではゼリー状のシリコンをパックした、シリコン・パックを挿入する方法が世界の通例になっています。

ご存知の通り、女性の胸は、乳房の中に乳腺があって、その下に大胸筋があり、その下が肋骨になっていますが、パックを挿入するのに二つの方法があります。
一つは、乳腺の下に入れる方法。もう一つは、大胸筋下に入れる方法です。
ただし、最近では、私たちもそうですが、大胸筋下に入れる方法を採るドクターが、世界を見渡しても、圧倒的に多いようです。
この大胸筋下に入れる方法は、筋肉の動きによってパックが動く、という問題点があったのですが、パックの型や挿入の仕方が改良され、まったくそういった心配がなくなったからです。
大胸筋下に入れる方法と、乳腺下に入れる方法とを比べますと、前者にいろいろなメリットがみられます。
まず、傷跡の目立たないワキの下から手術が出来るということです。
乳腺下の場合ですと、胸からのアプローチが大半を占めます。ですから、目立たないにしても、胸に傷が残ります。大胸筋下、ですと、ワキの下を三センチほど切るだけで、そこから特殊な器具を用い、パックの挿入が出来るのです。
次のメリットは乳腺を傷つけることがないということです。
女性の胸は、決して単にその形だけが問われるところではなく、授乳という大切な役目をもったところです。ですから、特に未婚女性の場合、乳腺を傷つけることのない方法が望ましいのは言うまでもないことです。
乳腺下の方法でも授乳に障害はない、と確かに言われています。ですが、乳腺を傷つけないですむのなら、それにこしたことはないと思います。

なぜ、マッサージが必要か

人間の身体というのは実にかしこく出来ていて、体内に異物が進駐してきたとき、その異物に対して皮膜を造って防御の姿勢をとるという機能を備えています。

これを「カプセル・フォーメーション」というのですが、まあ、とりあえず「皮膜陣形」とでも訳しておきましょう。

豊胸術の場合も、シリコン・パックという異物が体に入るわけですから、当然、体はカプセル・フォーメーションを敷きます。

つまり、パックのまわりにカプセル(皮膜)が出来るわけです。

このフォーメーションにゆとりがなくなると、その部分はだんだんと硬くなっていきます。

豊胸術を受げた患者さんには、術後約一年間、入念なマッサージが必要なのですが、なぜマッサージが必要なのかといいますと、このフォーメーションのゆとりを保たせるためなのです。

放置すれば硬くなってしまうからです。どんなにマッサージをしようと、これは仕方のないことなのですが、乳腺下にパックを入れた場合、若干は硬くなります。

大胸筋下、ですと、マッサージさえ怠らなければ、硬さが残る確率は乳腺下よりも明らかに少なくなります。

こんな方の場合は乳腺下でも

では、乳腺下の手術はまったく駄目なのかといえば、そうとも言いきれません。

大胸筋下に比ぺてよい点もあります。それは術後の痛みが軽いということです。

大胸筋下の場合は、筋肉を剥離してパックを入れるスペースを確保するため、どうしても一週間ぐらいは筋肉痛のような痛みが伴うのです。

もう子育ての心配のない、中年以上の患者さんで、デメリットを充分に承知した上で、なお、乳腺下を強く希望される方もいらっしゃいます。

そういうときは、私たちも傷跡の目立たないような方法で、乳腺下の手術をすることもあります。

レントゲンに写るか、という心配

「シリコン・パックはレントゲンに写るのでしょうか」

という質問をよく受けます。もし写るなら職場の健康診断でレントゲンを撮ったとき、人にわかってしまってははずかしい、というのです。
同じようなことをお考えの方もいらっしゃるようでしょう。お答えします。

「シりコン・パックはレントゲンで写ります」

ドクターがみれば、それが何であるか、はっきりわかります。
ですが、はずかしいことなどありません。それがわかるのはレントゲン写真をみるドクターだけなのですから。
「でも、いずれ……」
会社の同僚に知れるというんですか。そんなことは絶対にありません。

ドクターというのは、シリコン・パックに限らず、職業柄、いろいろと患者さんの秘密の部分に触れるものです。けれど、間違ってもドクターは、そんなことを人にしゃべったりはしないものです。
ドクターが患者さんの身体を診るときは、いつもプロフェッショナルな目で診るのです。
どんな患者さんの秘密でも、それは、ドクターにとっては、単なる「症例」でしかありません。自分の診断の材料になること以外は、まったくの関心外です。
あなたがはずかしいと思っていらっしゃる秘密でも、ドクターにとってはなんでもないことなんです。
一般の方にとっては、秘密を写し撮られるということは、確かに気持のいいことではないでしょう。ナーバスな気分になるのもわかります。
ですが、ドクターの目というのは「世間の目」とは違うのですから、ご安心下さい。

妊娠しても影響のない豊胸術

妊娠、出産というのは、女性にとってこの上なく大切なことです。
女性は男性に比ペて、年齢的な区分が明瞭だと言われています。つまり、幼年期、少女期、思春期、成熟期、更年期、といった区分が、医学的にみたとき、男性より逢かに明瞭だということです。
これはホルモンの機能が年齢とともに変化するためです。
では、なぜ、女性に限ってそうなるのでしょう。これはすべからく、赤ちゃんを産むという大切な事のためです。
ですから、その大切な事を控えた女性が、

「パストは大きくしたいのですが、妊娠したときはどうなるのでしょう。授乳への影響はないのでしょうか」

というご心配をお持ちになるのは当然です。
しかしこれは、前述しました通りまったく心配はありません。
特に大胸筋下の場合は、乳の"機能する部分"にはまったく触れないのですから。

「お乳が張ったときはどうでしょう」

これは多少影響があります。確かに、張った感じはパックの分だけ強くなると思いますが、心配なさるほどのものではないと思います。

入院不要の豊胸手術もある

「豊胸の手術を受けるには入院が必要なのでしょうか」
という質問もよく受けます。
「入院が必要だと受けられないのです」
という方もいらっしゃいます。
人それぞれに、さまざまな事情を抱えて生活を送っている現代です。中には入院出来ない事情をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。そういう方にとっては、入院の必要の「ある」「ない」は、大問題というわけです。
以前は必ず入院を必要としたのですが、現在では外来も可能です。
当院では、入院可能な患者さんには全身麻酔を用い、外来の患者さんには硬膜外麻酔を用いて手術をしております。

ところで、近頃多いのが、
「脂肪吸引でとった脂肪を胸に注入してほしい」
という希望です。
この問題に関しては、脂肪注入のところで詳しくお話し申し上げます。

脂肪注入の問題点

身体のどこかに膨らませたい部分があるとき、自分の身体からとった脂肪をそこに入れて膨らませよう、というのが脂肪注入です。
注入の対象となるのは、上まぶた、頬、胸、腰まわり、男性性器など、いろいろなところが考えられます。

現在、これらの部位に脂肪を注入する手術は、いたるところで行われています。
が、私たちは、この脂肪注入に関してはきわめて慎重です。というより、顔以外の部位への注入に対しては、ネガティヴな考えをもっていると言った方がいいでしょう。

例えば、胸です。胸の場合、脂肪注入は実に理想的な方法のように思えます。ですから希望される方も多いのです。また、これを奨励しているクりニックもあります。
ですが、今までの臨床例をみますと、結果は芳しくありません。成功した例はほんのわずかなのです。たいがいの場合は、注入した脂肪が体内に吸収されて、もとに戻ってしまうのです。
しかも、吸収されてもとに戻るならまだしも、生着しない脂肪が中で腐敗し、ウミになって皮を破って流れ出てくるというケースも決して少なくはないのです。
胸の場合、注入した脂肪が生着するケース、つまり成功するケースというのは、百例に一例あるかないかでしょう。まったくのゼロではありませんが、宝くじに近い確率です。
ですから、私たちは絶対にお薦めしません。

注入した脂肪が間違いなく生着するのは、血行のよい場所、つまり、毛細血管が多い場所に限られるのです。血行の悪い場所ですと、脂肪に栄養が充分に行き届かず、結果、生着しないのです。
顔は血行が豊富な場所ですから、大丈夫です。上まぶた、頬などへの脂肪注入は、私たちもよく行いますし、ほとんど問題は起こりません。
ただし、注入した脂肪の約四十パーセントは、どうしても身体に吸収されてしまいますので、その分を見込んだ注入をするか、あるいは、二度、三度に分けて注入する必要があります。

性器の手術も”身体のおしゃれ”

小陰唇の肥大や、陰唇の左右の違いなどの悩みをお持ちの方もいらっしゃいます。これらは別に病気ではありませんが、場所が場所だりに、ご本人にとっては大変気にかかることだと思います。

肥大の場合は、そのことによって陰部が不潔になり、尿道炎や膣炎の原因になる場合もなきにしもあらずです。

また、一口に小陰唇肥大といってもいろいろな形があるのですが、ときにはクリトリスの妨げになり、不感症の原因となることもありますので、そういう恐れのある方は、ぜひ、早めに婦人科か美容外科へ相談に行かれた方がいいでしょう。

肥大の場合も、左右違う場合も、余分なところを切って形を整えます。手術は三十分から四十分ぐらいで、傷はほとんど残りません。

中には「彼に小陰唇が大き過ぎるんじゃないか、と言われたんですが……」

とショックを隠しきれない様子でみえる方もありますが、近頃では"身体のおしゃれ"という感覚で、フランクに相談にみえる方もふえています。

膣の縮小手術は、主に経産婦などに必要となるものです。

膣を締めつける筋肉、括約筋がゆるむため、その筋肉を縫い合わせることによって、ゆるみをとり除くものです。

この手術も、だいたい三十分から四十分です。家庭円満につながればなによりです。

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共立美容外科

とりたい脂肪がすっきり、第6章 美容手術のあれこれ、のページをご覧の皆様へ

このページは2024年3月に最終確認をしています。
このページでは、とりたい脂肪がすっきり、第6章 美容手術のあれこれ、についてご確認頂けます。共立美容外科・歯科の美容整形は、一人一人大切にコミュニケーションをとりながら、医師や看護師が一人一人思いやりを持って、患者さまの立場に立った美容外科手術を行うことを信念としています。脂肪吸引や豊胸、脱毛、歯科など、1989年に開院し、約30年に渡り美容医療を提供させていただいてきた、全国に26院ある、美容整形クリニックです。美容外科とはドクターひとりで行うものではありません。私たちとあなたとが信頼関係を築き二人三脚で行うもの。充分にコミュニケーションをとり、美容整形を通してあなたの夢に近づけていきます。