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出版物紹介美容整形クリニック 第2章 安全に流行のセクシーバストを手に入れる

『共立美容外科の美容整形クリニック』
共立美容外科 医師グループ 著

第2章 安全に流行のセクシーバストを手に入れる

※この本は1996年に書かれたものです。現在の治療内容と若干異なる箇所がございます。

『共立美容外科の美容整形クリニック』共立美容外科 医師グループ 著

安全で傷跡の目立ちにくい豊胸術

シリコンは人体に悪影響を及ぼします

その昔、豊胸術といえば、注射によってシリコンを乳腺下に注入するものでした。現在このような豊胸術を行っているクリニックはないと思いますが、もしあったら大変です。この方法が使われなくなったのには理由があります。それはシリコンが組織と癒着し、乳ガンのようなしこりができたり、勝原病の一種であるアジュパント病を引き起こす可能性が多大にあるからです。

その後、このような事態を考慮して、ゼリー状のシリコンをパックしたシリコン・バッグを乳房に挿入する方法がポピュラーになりました。しかしこの方法にもまた問題がありました。というのは、もし何らかの理由でシリコン・バッグが破れたり、もしくはシリコンがバッグから漏れだしたりした場合、シリコンを直接注入したのと同じような状態になってしまうわけです。

さらに恐いのは、こういったシリコン・バッグの破損に本人が気づきにくいといった問題です。もし仮に漏れ出していても、体内に吸収されてなくなるということがないため、何も気づかないままシリコンが体内で組織と直接触れ合ってしまうかもしれないのです。

シリコン・バッグを使用したことによって、患者さんはこういったリスクを背負って暮らしていかなければならないのです。その精神的な負担はまた、かなりのものといえるでしょう。

シリコン・バッグから人体にやさしい生食バッグの時代に変えた共立美容外科

現在は、生食バッグを使用するのが豊胸手術のもっともポピュラーな方法です。当院では、シリコン・バッグが問題となる以前から、シリコンの安全性に疑問を抱き、生食バッグによる豊胸手を実施していました。当時は不当なバッシングもありましたが、現在のところ生食バッグによるトラブルは、ほとんど起こっていません。

生食バッグは、バッグの内容物に、完全無菌処理を施した生理的食塩水を用いたものです。生理的食塩水とは、人間の脂肪と浸透圧が等しい、濃度約0.8%の食塩水のこと。医療現場では頻繁に用いられるもので、当然ながら人体に悪影響を及ぼすことはありません。この生理的食塩水をシリコンの代わりにバッグに入れることによって、万が一、内容物が漏れたとしても、人体ヘ全く影響のない豊胸術が可能になるわけです。

また、「以前、シリコン・バッグによる豊胸術を行ったのですが心配です」という方のために、生食バッグへの入れ替え手術も積極的に行っています。

バッグは乳腺を傷つけない大胸筋の下に挿入します

ご存じの通り、女性の胸は、乳房の中に乳腺があって、その下に大胸筋があり、その下が肋骨になっています。バッグを挿入するのには、乳腺の下に入れる方法と大胸筋下に入れる2つの方法があります。ただし、私たちもそうですが、最近では大胸筋下に入れる方法をとるドクターが、世界を見渡しても圧倒的に多いようです。また、手術において、乳腺下の場合ですと胸からのアプローチが大半を占めます。ですから目立ちにくいにしても、胸に傷跡が残ってしまいます。

その点、大胸筋下の場合は、ワキの下を3cmほど切るだけで、そこから特殊な器具を用い、バッグを挿入できるので、その際に乳腺を傷つけることはありません。女性の胸は、決して単にその形だけが問われるところではなく、授乳という大切な役目をもったところです。ですから、特に未婚女性の場合、乳腺を傷つけることのない方法が望まれます。

痛みは少ないけれどキズが残りやすい乳腺下の挿入

では、乳腺下の手術はまったく駄目なのかというと、そういうわけではありません。乳腺下の挿入は、大胸筋下に比べて術後の痛みが軽いのです。大胸筋下の場合、筋肉を剥離してバッグを入れるスペースを確保します。その結果、どうしでも術後1週間くらいは筋肉痛のような痛みが伴います。

もう子育ての心配のない中年以上の患者さんで、デメリットを充分に承知したうえで、なお、乳腺下を強く希望される方には、私たちも傷跡の目立ちにくい方法で、乳腺下の手術を行うこともあります。

術後にマッサージをして柔らかさを保ちます

豊胸手術を受けた患者さんは、術後6か月〜1年間くらい、毎日マッサージを行わなければなりません。そうしないと手術を受けた胸が硬くなってしまうことがあるからです。人間の体というものは、実に賢くできていて、体内に異物が入り込むと、その異物に対し て皮膜をつくって防御の姿勢をとるという機能を備えています。これを「カプセル・フォーメーション」といいます。日本語でいうなら「皮膜陣形」といったところでしょうか。

豊胸手術を受けた場合も、生食バッグという異物が体に入るわけですから、当然、体はカプセル・フォーメーションを敷きます。簡単にいえば、バッグの周りにカプセル(被膜)ができるというわけです。ところでこのフォーメーション、時にゆとりがなくなると徐々に硬くなるといった現象を起こします(カプセル拘縮)。

マッサージが必要なのは、このフォーメーションのゆとりを維持するためです。放置すれば胸は硬くなってしまうことがありますが、マッサージさえ怠らなければ、硬さが残る確率は明らかに少なくなります。

注入した脂肪が吸収されやすい脂肪注入法はおすすめできません

自分の体から取った脂肪を、膨らませたい部分に注入する美容外科手術のことを脂肪注入法といいます。現在、いたるところのクリニックで実施されているようですが、私たちは脂肪注入に関しては、きわめて慎重に考えています。どちらかといえば、ネガティブな考え方をもっているといっても良いでしょう。

この手術の対象になるのは、上まぶた、頬、胸、腰まわり、男性性器と様々ありますが、やはり胸の脂肪注入を希望される患者さんが多いようです。脚やおしりなど、あまり脂肪の欲しくないところから脂肪をとり、脂肪の欲しい胸に移す。これは女性にとって夢のような理想的な手術にみえます。だからこそ希望する患者さんも多いのですし、これを奨励しているクリニックもあるのです。

しかし、これまでの臨床例を見ますと、むしろ成功した例は、ごくわずかなのです。というのも、胸への脂肪注入の場合、たいていは注入した脂肪が生着せず、体内に吸収される可能性が高いからなのです。もっと悲惨なケースでは、生着しなかった脂肪が腐り(脂肪壊死)、膿となって体外に穴を作って漏れ出すということもあるのです。

脂肪注入の結果は、決して1か月後ではありません。

1〜2年後に「ある結果」があなたを待っています・・・。よく、1〜2か月後にレントゲンを撮って生着を確認するという話を聞きますが、1〜2か月で生着と判断するのはまだ早すぎると思います。また、レントゲンレベルで生着を確認するのは、まず不可能(可能なのは、注入している場所を確認する程度です)といえるでしょう。

仮に、私たちが脂肪注入を実施したとして生着をみるなら、1〜2年後の結果を見て判断しますし、検査自体も、注入箇所の脂肪組織を採取し、顕微鏡で調べるバイオ・プシーを行うでしょう。そうしなければ細胞の生着を確認することはできないと考えているからです。

ですが、残念ながら「1〜2年後も確実に脂肪が生着しています」と自身を持って保証が出来ません。私たちの経験では、術後1〜2か月ごろ、一見、生着しているように見える時期がありますが、1〜2年経つうちに元に一戻ってしまうケースがほとんどでした。比較的血行の良い、上まぶた・頬などへの注入は、ほとんど間違いが起こりませんし、私たちも行います。それでも注入した脂肪の約40%は、どうやっても体内に吸収されてしまいますので、手術の際はその分を見越して多めに入れるか、もしくは数回に分けて注入を行わなければなりません。まして血行の悪い胸など、結局、注入した脂肪細胞に栄養が行き届かず、ムダ骨になってしまうのです。

また、左右の生着が異なった結果、左右不対称な胸になったり、体内への吸収が均等ではないため一部のみが強く吸収されて「いびつ」な乳房になったり、ということが起こりうる可能性も大いにあるのです。私たちの所にも、他院で脂肪注入を受けた患者さんがよく来られますが、ほとんど100%に近い確率でみな「1〜2か月で仕上がりと言われたが、1〜2年でほとんど元に戻ってしまった」と同じことを言います。

ここでアドバイスを言うと、カウンセリング時に、「手術をした1〜2年後も、必ず1ヶ月後と同じ大きさの胸でいられるか」ということを質問して下さい。その結果はドクターの解答にあります。私たちが、制限付きでしか脂肪注入をほとんどお勧めしない理由、納得していただけたでしようか。確実でないものは決してすすめられない、これが私たちのポリシーなのです。

豊胸術Q&A

あなたの悩み、疑問、不安etcにお答えします

  • 私は、胸が小さくて悩んでいます。体もどちらかといえば、細く、女性的な魅力がありません。そこで豊胸術を考えているのですが不安があります。1、手術を受けた胸は、他人が触ったとき気づかれませんか。2、レントゲンには写りますか。3、年をとってから不自然にならないのですか。教えて下さい。(大阪府・家事手伝い)
    1と2の質問についてですが、カプセル拘縮を起こさなければ、大胸筋下にパッグを挿入する方法なら、まず心配はないといえます。3については、年をとった後、回りの皮フとあまりにも差ができてしまうのは、手術事態に問題があったと考えられます。本来皮フは伸びるので、そこだけがつっぱったままということはまずあり得ません。経験を積んだ高い技術を持った医師が、きちんとした方法で行えば、まず心配はないといえます。
  • 単刀直入に聞きます。もし胸の中に入っている生食バッグが破けたらどうなるのですか?体に害はないといいますが本当ですか?(神奈川県・OL)
    答えは本当です。生理的食塩水は、人間の細胞と浸透圧が等しい食塩水のことです。一般の医療現場でも用いられるものですから、これ自体は、当然人体に悪影響を及ぼすことはありません。ほとんどこういった事態は考えにくいのですが、もしバッグが破れると、中の食塩水はシリコンと遠い、すぐに流れて体内に吸収されてしまいます。ですから胸はバッグ挿入前の状態に戻ります。生食バッグの場合、バッグの破損が表面から明らかにわかるので、そのあとの対応が早く行えると思います。
  • 私の胸の大きさは、Aカップなんです。どちらかといえば体も細いほうなので自分で見ても少しも魅力的に見えません。今度豊胸手術を受けてセクシーボディを手にいれようと考えています。ですが、気になることがあります。女性にとって胸は妊娠、出産時において大切な場所ですよね。そこを手術などして将来、影響はないのですか?(石川県・学生)
    妊娠、出産というのは、女性にとってこの上なく大切なことです。女性は男性に比べて、年齢的な区別が明瞭だといわれています。つまり、幼年期、少女期、思春期、成熟期、更年期といった区別が、医学的にみたとき、男性よりはるかにはっきりと分けられるということです。これはホルモンの機能が年齢とともに変化するためです。では、なぜ女性に限ってそうなのでしょう。これはすべからく、赤ちゃんを産むという大切な行事のためです。ですから、その大仕事を控えた女性が、あなたのように心配を持つのは当然のことでしょう。これに関しては、まったく心配はありません。特に、生食バッグを大胸筋下ヘ挿入する方法なら、乳腺、つまり乳の機能する部分にはまったく触れないので安心です。多少影響があるとすれば、お乳が張ったときくらいだと思います。確かにバッグの分だけ圧迫感が強くなると思いますが、心配するほどのものではないと思います。

目次

共立美容外科

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このページは2024年3月に最終確認をしています。
このページでは、美容整形クリニック「第2章 安全に流行のセクシーバストを手に入れる」についてご確認頂けます。共立美容外科・歯科は、総合的な美容治療が受けられるため、「美容整形クリニック」とよばれています。ボディとは体だけではなくお顔もふくまれます。お顔の美容医療では、目を大きくしたり、鼻を高くしたり、唇をアヒル口にしたり厚くしたりするなどの施術をおこなっています。また、額のしわや法令線のしわ、頬のたるみ、それにニキビ跡の治療などお肌のスキンケアも受ける事ができます。お身体のお悩みには、豊胸やわきが治療、脂肪吸引を受ける事が出来ます。近年では再生医療を受けたいというお声を頂戴し、PRPやご自分の脂肪をお肌に注入するマイクロCRFを行っています。当院の美容整形は、一人一人大切にコミュニケーションをとりながら、クオリティの高い、患者さまの立場に立った美容整形手術を行うことを信念としています。美容医療はドクターひとりで行うものではありません。私たちとあなたとが信頼関係を築き二人三脚で行うもの。充分にコミュニケーションをとり、美容整形を通してあなたの夢に近づけていきます。