PDT治療はニキビに効果ある?経過やメリット・デメリットを美容外科医が解説
最終更新日: 2023年08月30日 (水)
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PDTとは「Photo Dynamic Therapy」(フォトダイナミックセラピー)の略で、光線力学療法のことを指します。
光に反応する物質と、それを活性化する光線を組み合わせた化学反応を利用した治療法です。
PDT治療は、皮脂の分泌抑制やニキビ菌の殺菌作用があるため、顔や体に繰り返しできるニキビを治したい方におすすめの施術です。
「PDTとはどういう治療法なのか」「本当にニキビに効果があるのか」など、PDT治療について気になっている方も多いのではないでしょうか。
また、治療を検討している方はPDT(フォトダイナミックセラピー)のメリットとデメリットも知っておきたいでしょう。
本記事では「PDT治療はニキビに効果ある?経過やメリット・デメリットを紹介」と題して、PDTとは何か、施術を受ける前に知っておくべき内容などもご紹介します。
ニキビに悩んでいる方やPDT治療について知りたい方は、ぜひご覧ください。
PDT治療とは?
PDT治療とは、特殊な光に反応する薬(アミノレブリン酸)を内服し、毛穴内部にポルフィリンという光感受性物質を大量に発生させ、そこに可視光線をあてる治療法です。
上記の光化学反応が起こると、活性酵素が発生しニキビ菌の殺菌や皮脂腺を破壊する作用があります。
元々PDT治療はがん治療に使用されており、日本では初期の胃がん・肺がん・子宮頸がん・加齢黄斑変性症などで保険適応治療です。
また海外では皮膚の一部がんや、ニキビの治療として認可を出している国もあります。
活性酸素の働きと自然治癒力促進によって、皮脂の過剰分泌の抑制やニキビ菌の増殖と残存を食い止め、ニキビトラブルを根本から改善する目的で使用されます。
顔がテカりやすいオイリー肌の方や、長年改善しないニキビに悩んでいる方におすすめです。
またPDT治療はレーザーではなく、優しい可視光線を使用した治療であるため、安全性も認められています。
アミノレブリン酸(ALA)とは?
PDT治療の最初に内服する薬「アミノレブリン酸(ALA)」とは、元々ヒトが体内に持っているアミノ酸の一種です。
血液中のヘモグロビンや、ビタミンB12を生成する役割があります。
アミノレブリン酸が体内に入ると、ポルフィリンという物質に変化します。
ポルフィリンも元々ヒトの体内に存在する物質で、血液中のヘモグロビンなどに含まれる成分の一つです。
PDT治療で内服したアミノレブリン酸は、24時間以内に尿から排出されるため、必要以上に体内に残る心配はありません。
また、アミノレブリン酸を用いた光化学反応によって皮脂腺を破壊し、皮脂の分泌を抑制しますが永久的ではありません。
「皮脂腺を破壊する」と聞くと肌質が悪い方に変わってしまうのではないかと考える方もいますが、一時的に皮脂量を調節し自己治癒力の高い肌を作るための治療法です。
PDT治療の治療方法
PDT治療の治療方法は、以下の流れで行います。
- アミノレブリン酸(ALA)を内服し、皮脂腺に取り込まれポルフィリンに代謝変換されるまで4時間待つ
- ポルフィリンに可視光線を15~30分照射する
- 活性酸素が発生し、皮脂分泌の抑制とニキビ菌の殺菌を行う
注意点としては、アミノレブリン酸を内服後、皮脂腺に取り込まれるまで4時間程度待つ必要があります。
可視光線を当てている間は、痛みや不快感はない方が多いです。
若干チリチリとした感じがあるという方がいますが、基本的には耐えられない程の強さではないでしょう。
実際に可視光線を当てる時間は30分程度のため、短い治療時間で施術を受けられます。
PDT治療はニキビに効果ある?
PDT治療は、初期のニキビから悪性の治りにくいニキビまで効果が期待されています。
皮脂腺を破壊し皮脂をコントロールするため、今できているニキビはもちろん、ニキビ跡やこれからできるニキビに対してもケアが可能です。
またPDT治療の過程で、細胞修復が行われ新しい綺麗な肌に再構築されるため、さまざまな治療を試みても改善しないニキビや大人ニキビ、長年悩んでいる吹き出物にもおすすめです。
スキンケアや外用薬でも改善が難しかった重症のニキビにも、PDT治療は推奨されています。
メリット
PDT治療のメリットは、以下のものがあります。
- 他の治療で効果を感じられなかったニキビの改善が期待できる
- 治療の痛みがほとんどない
- 皮脂コントロール作用がある
- ニキビができにくくなる
- 顔のテカリが減りメイク崩れしにくくなる
- ダウンタイムがほとんどない
- 治療後当日からメイクが可能
ダウンタイムがなく、治療の痛みもないのはPDT治療の大きなメリットです。
治療当日からメイクが可能なので、万が一赤みや腫れが出てもファンデーションで隠すことができます。
周りにバレずに治療したい方にもおすすめです。
デメリット
PDT治療のデメリットは、以下のものがあります。
- 皮脂腺に溜まっていた皮脂が一気に出てくる好転反応によって、一時的にニキビが増えるケースがある
- 数日間、軽度の赤みやほてりが出る方がまれにいる
- 治療翌日まで日に当たらないように専用のサンスクリーンを塗る必要がある
- 治療後の大量の飲酒や長時間の入浴は血行が促進されすぎてしまい、患部の赤みやほてりが長引く可能性があるため控える
PDT治療を行うと一時的にニキビができる場合がありますが、時間経過とともに落ち着くため、心配しすぎないようにしましょう。
また、オイリー肌の方や赤ニキビが強い方は強く反応する可能性があり、治療後に赤みやほてりが出るケースがあります。
悪化したり長引いたりする場合には医師に相談しましょう。
PDT治療の間隔
PDT治療は、3週間隔で平均6~7回の治療を行う方が多いです。
約3か月半~4か月程度かけて、皮脂分泌のバランスを整え新しいニキビができにくくなるまで治療します。
医師の診察のもとニキビが落ち着いてきたら、治療ペースを2か月に1回にしたり、ライトな治療へ変更したりします。
PDT治療翌日〜数日は、小さな白ニキビが急激に出現するケースがありますが正常な反応です。
また、赤ニキビが大きくなったりニキビのなかった部分にできたりする方もいますが、好転反応は一時的なもので1週間ほどでなくなります。
好転反応は必ず出る症状ではありません。好転反応が出た場合も不要な皮脂が出ていくと綺麗な肌を作り始めるため、徐々にニキビは減っていきます。
肌質や改善のペースによって、治療期間や回数は個人差があります。自分に合った治療を行いましょう。
PDT治療(フォトダイナミックセラピー)は保険適用?
ニキビに対するPDT治療は、保険適用ではありません。
自由診療です。
PDT治療がおすすめな方
PDT治療がおすすめなのは、以下の方です。
- 他のニキビ治療で効果が得られなかった方
- 胸や背中などにニキビができる方
- 皮脂が多いオイリー肌の方
- 赤ニキビの方
- 顔がテカりやすい方
- 慢性的なニキビの方
- 中程度から重症のニキビの方
スキンケアだけでは改善しないニキビや、クリニックで美容治療を今まで受けてきた方にも、新しい治療法としてPDT治療はおすすめです。
PDT治療をおすすめしない方
PDT治療をおすすめしないのは、以下の方です。
- 日光過敏症の方
- 頭部など毛が生えている部分にニキビができる方
- 妊娠中の方
上記以外の方でも、不明な点や気になる症状があれば事前に医師に伝えましょう。
PDT治療に興味がある方はまずはクリニックへ
本記事では、PDT治療はニキビに効果があるのか、経過やメリット・デメリットなどを紹介しました。
PDT治療(フォトダイナミックセラピー)とは、特殊な光に反応する薬(アミノレブリン酸)を内服し、毛穴内部にポルフィリンという光感受性物質を大量に発生させ、そこに可視光線をあてる治療法です。
ニキビ菌の殺菌や皮脂腺を破壊する作用があるため、ニキビへの効果が期待されています。
治療方法は、まずアミノレブリン酸(ALA)を内服し4時間程度経ったのち、可視光線を照射する施術を受けます。
今できているニキビに対してはもちろん、長年改善しないニキビやニキビ跡に対しても有効です。
メリットとしては、ダウンタイムがなく痛みをほぼ感じずに治療を受けられます。
デメリットとしては、好転反応によって一時的にニキビが増えるケースがあります。
治療間隔は、3週間隔で平均6~7回の治療を行う方が多いです。
また、PDT治療は保険適用ではありません。
皮脂の分泌が多くオイリー肌の方、スキンケアでも改善しない中程度~重度のニキビに悩む方にPDT治療はおすすめです。
肌質や症状によって適した治療法は異なるため、自分のニキビに合った最善の方法を信頼できる医師と相談して治療を行いましょう。
共立美容外科ではPDT治療を行っておりません。
その代わり、ニキビ治療では、ダーマペン、ピーリング、イオン導入、ハイドラフェイシャル、エンビロン、内服薬など様々なメニューがあり、お一人お一人に合ったニキビ治療を提案しています。
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