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ブーム到来!?バクチオールを医師が解説

公開日: 2022年08月12日 (金)
最終更新日: 2022年10月08日 (土)
ブーム到来!?バクチオールを医師が解説

バクチオールとは、アメリカを始め海外でブームになり、近年日本でも注目を集めているエイジングケア成分となっています。

とはいえ、バクチオールの認知度はまだまだ低く、マイナーな美容成分と言っても良いかもしれません。

そこで今回は、バクチオールの成分や特徴、美容効果について詳しく解説していきます。

 

バクチオールの効果はレチノールと同じ?

バクチオールを説明する看護師

バクチオールの正体は、オランダイビユ(バブチ)というマメ科の植物から抽出される天然成分です。

オランダイビユは、インドやスリランカに伝わる伝統医学であるアーユルヴェーダにて古くから使用されてきました。

天然成分であり、東洋医学として長期間使用されてきたという歴史からも、その効果や安全性に期待がもてます。

そんなバクチオールは、有名なエイジングケア成分である「レチノール」と同じような美容効果が得られることが分かっており、次世代レチノール(第2のレチノール)とも呼ばれています。

 

レチノールの美容効果とは?

バクチオールの詳細を解説する前に、「そもそもレチノールにはどんな美容効果があるのか」についてご紹介します。

レチノールは、ビタミンAと呼ばれる脂溶性ビタミンの一種です。

ビタミンAは肌の代謝などに深い関わりをもつ栄養素であり、ビタミンAが不足すると、角層のターンオーバーが乱れやすくなります。

その結果、乾燥や肌ハリの低下、肌の弾力不足、ツヤ不足など、肌のコンディションが全体的に悪化しやすくなります。

レチノールを補充していくことで、肌の新陳代謝を活性化し、肌の内側から肌質を改善していく効果が期待できます。

肌荒れや小ジワ、くすみの改善、弾力アップなど様々な肌悩みに効果を発揮するため、レチノールは肌に弾力と艶を与えながら肌を整える、年齢肌にとっては欠かせない、エイジングケア成分とも言われています。

 

デメリット

エイジングケアはもちろん、肌全体のトータルケアを目指すことができるレチノールですが、使用方法が難しいというデメリットもあります。

レチノールを使用することで、肌の深層部から新陳代謝が呼び起こされますが、この過程で「A反応(レチノール反応)」と呼ばれる副作用が発生する可能性があります。

A反応のメカニズムとしては、レチノールが不足している肌に急にレチノールを補充することで、「肌がびっくりして」極端な反応を起こしてしまうというものなのですが、実際には、肌がヒリヒリするなど痛みに赤みがでたり、一時的に肌荒れを起こして皮むけや乾燥などがおこるといった症状が出現する場合があります。

特に敏感肌の人が使用する際には十分な注意が必要です。

また、レチノールは光や熱に弱いため、日中のケアには不向きであることも知られています。

併用する化粧品にも気を付けなくてはならず、ビタミンCを含む化粧品とは併用不可とされている場合も多いため、レチノールを使用する際には注意が必要です。

このように、レチノールは肌にとって必要不可欠な成分でありながら、その使用方法は難しく、美容クリニックの美容専門医などの指導の下で使用されるべき成分であるといえます。

 

副作用の少ないレチノール?

素肌を指さす女性

レチノールは、しっかりとした美容効果が期待できるにも関わらず、使用方法や肌体質によっても注意が必要であり、扱いが難しいという一面があります。

エステサロンや販売店などでも「レチノールコスメ」を手に入れることはできますが、より本格的な効果や安全性を期待するのであれば、美容クリニックでカウンセリングや問診を受けてから使用することがおすすめです。

一方、バクチオールは、レチノールのようなエイジングケア効果が期待できるだけではなく、レチノールのようなデメリットを伴わない画期的な成分として、ここ数年世界中で注目を集めています。

 

バクチオールの効果とは?

バクチオールのスキンケア効果は、レチノールの効果と非常に似ていることが特徴です。

肌ハリの改善やシワの予防、保湿、シミのケア、肌荒れの改善、ニキビ肌の改善などなど、バクチオールは様々な肌トラブルを総合的に改善する効果が期待できます。

 

肌ハリの改善としわの予防

バクチオールは肌にハリを与える作用に優れています。

角質層に潤いを与えて肌のバリア機能を高め、外部からの刺激に強くするといった作用はもちろん、肌の深層部からコラーゲンの生成を促し、肌にハリや弾力をもたらすという効果も期待できます。

さらに、バクチオールは肌のターンオーバーを促進する作用に優れているため、ヒアルロン酸やコラーゲンなどの代謝を活性化することで、小じわの改善や皮膚のたるみなどへの効果も期待できます。

 

ターンオーバーによるメラニンの抑制

バクチオールは、シミの原因である「メラニン」の生成に関与する酵素の機能を抑制するため、メラニンの生成が阻害され、結果的にシミなどの色素沈着が起こりにくい肌へと導いてくれます。

さらに、肌の新陳代謝やターンオーバーの活性化を促すため、既に作られてしまったシミや色素沈着の排泄を促進してくれます。

メラニン生成の抑制とメラニン排泄の促進という2つのメカニズムから、シミや色素沈着に対してアプローチできるというのがバクチオールの特徴です。

 

毛穴の詰まり(黒ずみやニキビ)を改善

バクチオールは抗炎症作用をもっているため、毛穴の中で起こってしまった炎症やニキビなどの肌トラブルなどを沈静化する作用が期待できます。

肌の深層部からターンオーバーを促進することで、毛穴の詰まりを取り除いていく作用も期待できます。

以上のことから、バクチオールはニキビなどのしつこい肌トラブルに対しても有効性をもつと考えられます。

 

バクチオールとレチノールの違い

バクチオールはレチノールと同じような作用が期待できる美肌成分です。

ターンオーバーの活性化や、それに伴うシミやシワの改善、エイジングケアやスキンケアなど、バクチオールにはレチノールのような肌のトータルケアも期待できます。

さらに、バクチオールのメリットは「使いやすさ」であり、使用方法が難しいレチノールとは異なり、バクチオールは手軽に使える成分として注目を集めています。

 

紫外線・熱・酸素に強く安定

熱や紫外線、酸素に弱く不安定なレチノールとは異なり、バクチオールはこれらの外的要因に対して比較的安定的な性質をもっています。

レチノールはその特性上、朝のスキンケアや日中のケアに使うことが難しく、「レチノールの使用中は徹底的な日焼け対策が必要になる」という使用の煩雑さがデメリットとして挙げられることがあります。

しかし、バクチオールは、紫外線だけではなく熱や酸素にも強いため、毎日のスキンケアとして手軽に使用できるという大きなメリットがあります。

毎日の時間やルーチンを崩すこと無く、手軽に本格的なスキンケアを実践できるのがバクチオールの特徴です。

 

肌への刺激がマイルド

バクチオールはレチノールに比べて、肌への刺激が弱いというメリットがあります。

レチノールは非常に強力な成分であるが故に、その副作用も強く、使用方法を間違えることで、使用の継続が難しくなってしまう場合もあります。

一方、バクチオールは、レチノールのような刺激は少なく、「A反応」のような副作用もありません。

敏感肌の人や刺激に弱い肌タイプの方でも、気軽に使用しやすいというのも、バクチオールの大きなメリットです。

 

ビタミンC製品と併用しやすい

レチノールのデメリットのひとつとして、ビタミンCとの併用がしにくいというものがあります。

レチノールとビタミンC(アスコルビン酸)は、ph(ぴーえいち)と呼ばれる数値が大きくズレているため、両者を同時に塗布することで、それぞれの作用が発揮されにくくなるというデメリットがあります。

しかし、バクチオールであれば、手軽にビタミンC系のスキンケア用品と併用することが可能であり、「現在使用中のスキンケアにプラスして使用できる」というのもバクチオールのメリットです。

 

バクチオールのデメリット

バクチオールを塗っているところ

レチノールよりも「使いやすい」というのがバクチオールのメリットです。

しかし、バクチオールはレチノールよりも効果発現に時間がかかるといわれています。

レチノールは、美容専門医の指導の下で適切に使用されることで、比較的早くからその効果を実感することができます。

リスクや副作用が大きい分、しっかりと使用することができれば、その効果は別格です。

一方、バクチオールは、いくらレチノールと似た効果を持つとはいえ、その作用はレチノールには及びません。

バクチオールはレチノールよりも手軽に使用できる分、時間をかけてコツコツと肌質を改善していくようなイメージになります。

 

効果はレチノール!使いやすさはバクチオール!

今回は「第2のレチノール」とも呼ばれる美容成分、バクチオールについてご紹介しました。

バクチオールは、レチノールに似た作用を持つ美肌成分であり、レチノールよりも手軽に使用することが可能です。

しかし、確かな効果を求めるのであれば、美容クリニックなどで専門医の指導を受けながら、レチノールを使用するのが良いでしょう。

共立美容外科では、エンビロンなどの専門的なレチノールコスメを取り扱っております。

肌診断やスキンケア指導などを通して、お一人おひとりのお肌にとって最適なレチノール製品をご提案させていただきます。

 

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このページの監修・執筆医師

  • 第107回日本美容外科学会 学会長
  • 厚生労働省【美容医療の適切な実施に関する検討会】構成員

久次米 秋人

(くじめ あきひと)

医師の詳細

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