【頬の内側に噛み跡がある人は要注意】シザースバイトとは。
最終更新日: 2023年11月17日 (金)
「歯並び」は見た目の印象に大きな影響を与えます。
さらに、歯並びは健康にとっても非常に重要です。
歯が正しく噛み合っていない場合、虫歯や歯周病のリスクが高まり口臭の原因にもなりかねません。
また、正しく食べ物を咀嚼出来ていないと、食生活の乱れから腸内環境の乱れ、肌荒れなどを引き起こす可能性もあります。
歯並びの異常の中でも、なかなか気づきにくいトラブルが「鋏状咬合(シザースバイト)」とよばれる不正咬合です。
全体の歯並びがおかしい感じがしていたり、噛み合わせに違和感がある場合は、シザースバイトを発症しているかもしれません。
特に、内頬に噛み跡がある方は、高確率でシザースバイトの可能性があります。できるだけ早く治療の検討が必要です。
本記事では、シザースバイトの詳細と治療法について詳しく解説します。
噛み合わせが気になる方、内頬に噛み跡があるという方はぜひ参考にしてみてください。
シザースバイトとは?
シザースバイトは、上の奥歯が極端に外側に向かって位置していることで、鋏状咬合(はさみじょうこうごう)という名の通り上下の奥歯が鋏のようにすれ違って噛み合わさっている状態のことです。
奥歯のなかでも、親知らず手前の歯(歯医者さんの検診などでは「7番」と呼ばれる第二大臼歯)に起こりやすい症状です。
シザースバイトの場合は、上の歯と下の歯の間に大きな隙間が出来てしまうため、奥歯の噛み合わせが悪くなり、前歯に負担がかかりやすくなります。
また、外側に突き出した上の歯と、口の内側に向かって生える下の歯周辺の磨き残しが発生しやすくなります。
どうしてシザースバイトは、内頬に噛み跡が残るの?
歯が正しく噛み合わさっている正常咬合の場合は、奥歯が内頬にあたることはほとんどありません。
しかし、シザースバイトを発症している場合は、外側に向かって生える上の奥歯と内側に向かって生える下の奥歯の隙間に内頬が巻き込まれてしまいます。
内頬を噛んでいるつもりがなくとも、寝ている間に歯ぎしりをしてしまっていたり、奥歯で食べ物を噛もうとしている時に無意識に巻き込んでしまい、内頬に噛み跡が残ります。
シザースバイトを放置しているとどうなるの?
シザースバイトは、上下の奥歯が別々の方向に向かって生えることによってハサミのようにすれ違っています。そのため、正常な歯並びと比べると入念な歯磨きが必要です。
シザースバイトの場合、磨き残しが発生しやすく虫歯や歯周病につながってしまいます。
また、奥歯で食べ物を噛むことが難しいため、反対側の奥歯や前歯の負担が増してしまいます。
内頬の噛み跡が痛むのはもちろんのこと、あごや負担がかかっている歯が痛むことも多いです。
シザースバイト部分を使わずにその他の部分で咀嚼を行い続けていると徐々に顔が歪んでいくこともあり、美容の観点からも非常に厄介なお悩みと言えます。
シザースバイトの治療法は?
シザースバイトは、矯正治療によって改善することができます。
放置しておくと口腔リスクや美容への悪影響が懸念されるシザースバイトは、早期に適切な矯正治療を行うのがおすすめです。
シザースバイトの治療法① ワイヤー矯正
シザースバイトの一般的な治療方法は、「ワイヤー治療」です。
ワイヤー治療では、ブラケットと呼ばれる器具を歯に装着し、一つ一つのブラケットにメインワイヤーと呼ばれるワイヤーを通していくことで、歯並びを調整します。
ワイヤー治療の流れ
ワイヤー治療の際にまず行うのは、歯のクリーニングです。
ブラケットを装着する前に歯の表面の汚れをしっかりと落としておくことで、治療への下地を整えます。
クリーニング後は、一つひとつの歯にブラケットを丁寧に装着していきます。
シザースバイトを矯正する上でどうしても歯茎に余裕のない場合は、抜歯が必要です。
共立美容外科・歯科では、できるだけ歯を残す方法での治療を検討しますが、抜歯の必要が生じた際にはテープ麻酔を用い、痛くない治療を第一に施術します。
ブラケット装着から1週間後を目途に、メインワイヤーを通します。
メインワイヤーは数週間から1ヶ月に1回ほどワイヤーの調整が必要です。ワイヤー調整を行う際は、適宜スケーリングやポリッシングといった歯のクリーニングも同時に行います。
ワイヤーとブラケットでの治療が終了した後は、矯正した歯が元に戻ろうとする動きを防ぐため、保定装置とよばれる装置を装着します。
保定装置を装着する期間は約1年程度です。1ヶ月から2ヶ月に1回ほど通院して具合を確認していきます。
ワイヤー矯正のメリット
ワイヤー矯正は強い力で歯の位置を調整することが可能です。矯正治療の中でも比較的施術期間が短いという特徴があります。
また装置の着脱や洗浄といった自分で行うケアが少なくて済み、現在のライフスタイルをできるだけ変えたくないという方におすすめの治療法です。
歯科治療において長期間の実績があり、効率良く歯並びを調整することができる上に、部分的な矯正も可能です。
シザースバイト部分のみの矯正で全体の噛み合わせが改善出来る場合には、部分治療を選択することで比較的費用を抑えられるでしょう。
ワイヤー矯正のデメリット
ワイヤー矯正のブラケットとワイヤーは、種類によっては目立ちやすい点がデメリットです。
共立美容外科・歯科では、「矯正している」ということを隠しておきたい方に対して、歯の裏側にワイヤーを装着する方法をおすすめしています。
前歯にもブラケットの装着が必要な場合は、セラミック製やプラスチック製の目立ちにくいものを使用します。
シザースバイトの状態によっては、部分的な器具装着で矯正を行うことも可能です。無料のカウンセリングで状態を確認した上で、一人ひとりに合った方法をご提案します。
▼共立美容外科の人気のワイヤー矯正の料金や種類についての詳細はこちら
シザースバイトの治療法② マウスピース矯正
とにかく目立たない歯列矯正を行いたい方に人気の方法が、「マウスピース矯正」です。
マウスピース矯正では、透明なマウスピースを歯に装着して歯並びを矯正します。
共立美容外科・歯科で使用するマウスピースはポリウレタン製ですので、金属アレルギーがあってワイヤーを装着することが出来ない方であっても、施術可能です。
マウスピース矯正の流れ
マウスピースの作成にあたっては、口腔内の状態を確認した上でまず歯型を取ります。
この歯型採取と口腔内のデータを基にして、治療期間中に使用するマウスピースを作成します。マウスピースの数は50個から100個ほどです。
一人ひとりの口腔内の状態をしっかりと把握した上で、マウスピース装着後の歯の動きを予測することによって、治療の流れを確認していきます。
およそ1ヶ月から2ヶ月後にマウスピースが到着し、歯の隙間を調整して最初のマウスピースを装着します。
マウスピースは食事の度に取り外さなければなりません。装着の手順を確認しておくようにしましょう。
その後は1週間ごとに次のマウスピースへと付け替えます。定期的な点検のためにも通院する必要があります。
マウスピース矯正のメリット
マウスピース治療の最大の特徴は、目立ちにくいことです。
また、ゆっくりと段階を踏みながら歯並びを矯正していくことから、ワイヤー治療に比べると痛みが少ないと感じる人が多いです。
歯磨きの際に取り外すこともできるため、ワイヤー治療よりも口腔内のケアがしやすいでしょう。
シザースバイトを中心に歯列全体を調整したい方は、ワイヤー治療よりも価格を抑えられる可能性があります。
マウスピース治療のデメリット
マウスピース矯正では、50個から100個のマウスピースを時間をかけながら徐々にステップアップしていくことから、治療期間は長期にわたる傾向にあります。
装着したままでの飲食は出来ないため、食事や歯磨きの度に着脱することが面倒だと感じる方にはあまりおすすめできません。
マウスピースの装着は1日20時間以上行う必要があり、自己管理が必要な矯正方法です。
▼共立美容外科の人気のインビザラインシ・ステムの料金や治療方法についての詳細はこちら
シザースバイトかも?と思ったら、共立美容外科にご相談を
自分ではなかなか気づきづらいシザースバイトですが、上下の奥歯がハサミのようにすれ違ってしまっている噛み合わせは、想像以上に多くのリスクがあります。
シザースバイト部分は隙間ができやすく、磨き残しが多く発生するため、歯磨きやマウスウォッシュなど口腔ケアにはより一層の注意が必要です。
また、シザースバイトを避けながら咀嚼をしているとシザースバイト以外の歯に負担がかかり、顔やあごが歪んでしまうことがあります。
健康の観点からも美の観点からもシザースバイト治療は非常に重要です。歯の異変に気づいたらなるべく早く専門家に相談しましょう。
歯の治療は早期に開始することで効果の現れ方が変わってきます。「内頬に噛み跡がある気がする」「食事の際に違和感があったり、食べ物を上手く噛み切れない部分がある」と感じている方は、ぜひ共立美容外科・歯科までご相談ください。