皮膚科で受けられる現役ニキビとニキビ跡の治療を美容外科医が解説
最終更新日: 2023年06月29日 (木)
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ニキビができた時市販薬で対処するという方もいれば、症状が悪化してから皮膚科に行くという方もいるでしょう。
医療機関では進行したニキビけでなく初期段階のニキビも治療してくれます。
そしてニキビが治った後に跡が残ってしまったら、ニキビ跡のケアについても提案してもらえる可能性があります。
つまりニキビ跡ができた段階でも、皮膚科に行けば跡を目立ちにくくするための治療が受けられるのです。
そこで今回のコラムでは、皮膚科で受けられる現役ニキビやニキビ跡の治療内容について解説します。
保険診療で可能な治療方法と自由診療で可能な治療方法を併せてご紹介しますので、自分の受けたい治療が保険診療なのか自由診療なのかも確認してみてください。
皮膚科で受けられる現役ニキビの治療内容
ニキビができている段階で皮膚科に行くと、最初に問診で生活習慣などを尋ねられるケースがあります。
例えば平均睡眠時間、アレルギーの有無、便秘の有無、また女性であれば生理が定期的に来ているか、不順であるかが尋ねられます。
患者さんのライフスタイルを把握することでニキビの根本的な原因がある程度推測できる可能性があるためです。
そして問診以外では塗り薬や飲み薬の処方の他、ニキビの状態によってはケミカルピーリングなどが実施される場合があります。
現役ニキビの治療においては保険適用となる治療が多いです。保険適用外のものも含めて具体的な治療法をご紹介します。
塗り薬の処方
ニキビの状態に合わせて殺菌作用を持ちアクネ菌を減らしてくれる塗り薬や、ニキビの原因となる毛穴詰まりを改善する作用がある塗り薬などが処方されます。
外用薬がニキビ治療に取り入れられる場合は、チューブに入った塗り薬が処方されることが多いです。ニキビができている範囲が広い場合はローションタイプの薬が処方されることもあります。
塗り薬を使って治療していく場合は保険が適用されるケースがほとんどです。
診察料・薬代の総額は2000~3000円ほどかかりますが、薬のみの料金としては保険適用で200~500円前後です。
飲み薬の処方
ニキビの原因菌であるアクネ菌の増殖を防ぐ目的で抗生物質が処方されたり、皮脂の分泌を抑制する目的でビタミン剤が処方されます。
またクリニックによっては体質を改善することでニキビを治しやすくするために漢方薬を治療に取り入れている所もあります。
内服薬でニキビの治療を行う場合も保険が適用されることが多く、薬のみの料金相場は200~500円前後です。
面皰圧出
ニキビの状態によっては潰して芯を出した方が治りが早いと判断される場合があります。
そのため皮膚科ではニキビの芯を出す「面皰圧出」(めんぽうあっしゅつ)という処置が行われることがあり、ニキビを潰す時は面皰圧出器という専用器具を使って芯を押し出します。
この治療法においても保険が適用される傾向にありますが、施術代の相場は処置を受けたクリニックの計算方法によって違い、例えば「ニキビ1個あたりの施術が○○円」と計算しているクリニックであれば、ニキビ1個の面皰圧出の相場は100~1000円です。
ニキビの個数問わず「施術1回あたり○○円」という形で計算しているクリニックであれば1回あたり1000~2000円が相場です。
ちなみに自分でニキビを潰そうとするのは推奨しません。
芯を押し出すことで治りが早くなるかどうかは医師の判断にまかせるのが望ましく、自分の判断でニキビを潰すと跡が残ったり炎症が悪化したりするリスクがあります。
また面皰圧出器はインターネット通販で手に入りますが、一般家庭で面皰圧出を行うのは衛生面や安全面の確保が難しいという点でおすすめできません。
ケミカルピーリング
ニキビの発生や悪化の原因の1つは古い角質が肌に蓄積されることです。
そこで、角質層の結合をゆるめる薬剤を肌に塗るケミカルピーリングという施術で古い角質をはがしニキビの改善を促すという治療方法があります。
また、ケミカルピーリングはターンオーバーを促進する効果が期待できる施術なので、ニキビだけでなく肌のくすみやシワなどの改善も見込めます。
ケミカルピーリングは自由診療で保険が適用されません。
相場は1回あたり5,000~10,000円程度ですが、ピーリングの種類が複数あるクリニックの場合、施術方法によって施術代が相場より高めになることがあります。
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レーザー治療
現役ニキビの治療に用いられるレーザーには皮脂の増加を避けるために皮脂腺を破壊するレーザーやアクネ菌を殺菌するレーザー、また角質除去の作用があるレーザーなどがあります。
レーザー治療に関しても保険適用外となるケースが多く、相場としては施術1回あたり20,000~30,000円程です。
またレーザー治療では表面麻酔としてクリームタイプの麻酔やテープタイプの麻酔が使われることがあり、麻酔を使用した場合施術代に上乗せされる形で麻酔の料金が加わります。
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皮膚科で受けられるニキビ跡の治療内容
ニキビができた時に炎症が進行してしまったり患部に刺激を与えたりすると、治癒した後ニキビ跡ができてしまうことがあります。
ニキビ跡にはクレーター状になっているものや色素沈着を起こしたものがありますが、いずれのパターンも自宅でのスキンケアや市販薬だけで改善させるのは非常に困難です。
そのためニキビ跡は皮膚科でケアするのをおすすめします。
現役ニキビの治療方法には保険が使えるものが多い傾向がありますが、ニキビ跡の治療については自由診療となるケースがほとんどです。
それでは皮膚科で受けられるニキビ跡の主な治療方法をご紹介します。
飲み薬の処方
ニキビ跡の治療に飲み薬を用いる場合、皮膚の修復を助けたり色素沈着を改善させるビタミン類が配合された内服薬が処方されることがあります。
飲み薬には保険が適用される場合が多く、薬のみの料金としては保険適用で200~500円前後です。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは現役ニキビだけでなくニキビ跡の改善効果も期待できる施術です。
例えば肌のターンオーバーが進むことで、色素沈着のあるタイプのニキビ跡が薄くなるという効果が望めます。
なおニキビ跡の状態によっては、ケミカルピーリングと他の治療法を並行しながら経過をみるケースもあります。
ニキビ跡のケアにおけるケミカルピーリングも、現役ニキビにおけるピーリングと同じく保険が適用されません。
料金の相場については施術1回あたり5,000~10,000円程です。
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ダーマペン
ダーマペンとは極細の針が付いたペン型の機器の名称です。
ダーマペンに付いている針は皮膚に小さな穴を開けるためのもので、施術箇所にいくつかの穴を開けることで皮膚本来の再生能力を引き出し、クレーター状のニキビ跡や色素沈着のあるニキビ跡を改善します。
この施術は保険が適用されず、また料金の相場は施術範囲によってばらつきがあります。
例えば顔の一部分のみなど狭い範囲で施術を行う場合1回あたり8,000~16,000円が相場で、顔全体の相場は20,000円前後です。
背中など広範囲にわたる施術の場合は、50,000~70,000円ほどかかります。
ダーマペンの施術では針を深く刺すこともあるため麻酔が用いられることが多く、麻酔を使用した場合は相場価格に麻酔代がプラスされます。
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レーザー治療
ニキビ跡の治療に用いるレーザーには皮膚に穴を開け再生能力を引き出すためのレーザーや、皮膚に蓄積したメラニン色素を分解するためのレーザーなどがあります。
レーザー治療の料金の相場としては顔全体で1回あたり20,000~50,000円程度です。
背中など施術部位が広範囲におよぶケースであれば、1回あたり40,000~70,000円程度かかるでしょう。
レーザー治療は基本的に保険適用外ですが、クリニックによっては保険適用のレーザー治療が受けられることもあります。
保険適用でレーザー治療を受けることが可能な場合、施術部位が狭ければ、1回あたり数千円で施術が受けられる可能性があります。
ただし、レーザー治療では麻酔が用いられることが多いので、麻酔代が加算されることも考慮しながら施術を検討しましょう。
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イオン導入
皮膚に微弱な電流を流しながら、ビタミンCなどニキビ跡の改善効果が見込める成分を浸透させる治療方法です。
電流を流す際多少肌がピリピリすると感じることがありますが、激しい痛みをともなうことはありません。
イオン導入はエステサロンやエステコースのあるリラクゼーションサロンでも実施していることがありますが、皮膚科や美容皮膚科などの医療機関でも受けられる施術です。
保険は適用外で施術代の相場は3,000~4,000円です。
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現役ニキビのうちに皮膚科に行く事がおすすめ
ニキビを治すために皮膚科を受診することに抵抗を感じる方がいらっしゃいます。
ニキビは一般的な肌トラブルの1つであることから「市販薬だけで充分」と捉え、ニキビの炎症がよほど重篤なレベルにならない限り皮膚科に行く必要性を感じないという方が多いです。
しかしニキビは皮膚疾患の1つであるため、どんなに軽度でも皮膚科で治療を受けることができます。
また重度になってから皮膚科に行くというのは患部のダメージを深刻化させることにつながるため推奨しません。
もし皮膚科に行く前にニキビが重篤なレベルになっていると治るまでにそれなりの日数を必要とする可能性が高く、治った時に跡になる恐れもあります。
現役ニキビの治療は保険が適用されるケースが多いのに対し、ニキビ跡のケアに関しては代表的な治療法だけでも自由診療が多数派です。
ニキビができた時点で皮膚科で適切なケアを受けた方が出費も少なく済む傾向にあるといえます。
腫れや膿が発生していないうちから皮膚科で治療を受けて、早めに治すのがおすすめです。