『共立美容外科の美容整形クリニック』
共立美容外科 医師グループ 著
第5章 フェイスクリニックの基礎知識
※この本は1996年に書かれたものです。現在の治療内容と若干異なる箇所がございます。

腫れを最小限に抑えたパーマネント二重整形
自然に仕上がるパーマネント二重整形
二重まぶたにする手術方法は、大きく分けて二種類あります。
1つは「切開法」と言って、まぶたを切開して皮フを縫い合わせる方法。皮フを切りますから、一度二重にしたらもう元には戻せません。
そしてもう1つは「埋没法」と呼ばれる、いわゆる「切らない手術」です。この埋没法はまぶたに糸をかけ、その糸を埋め込んで二重のラインを作るもの。術後の内出血や腫れが少なく、傷跡もほとんど残りません。しかも、術後二か月以内なら比較的簡単に戻すことができます。
この埋没法に、私たち独自の研究結果を盛り込んだものが「パーマネント二重整形」です。手術前に、ブジーという細いピンでまぶたに仮の二重のラインを付けてみますので、仕上がりのラインを確認しながら、希望のデザインを選ぶことができます。
手術は、ブジーで作ったラインを、糸で埋め込んで固定するだけで完了です。極細の糸を使用しますので、手術後の腫れはほとんどありません。
また、麻酔は注入時痛の少ない中性麻酔を使用しますので、術中の痛みもほとんど心配ありません。
個性を生かした目元をつくるためにカウンセリングは欠かせません
二重でも目元が気に入らないという方もいます。その原因は、次の4点のいずれかです。
①「モンゴリアン・フォールド」(蒙古ヒダ)が目頭にある
②まぶたの脂肪が厚いため、二重が重たい感じ
③二重が顔のバランスとマッチしていない
④以上がミックスしている
①のモンゴリアン・フォールドとは、黄色人種特有の目頭にある皮膚のかぶさりのこと。ここを切除すると、目の横幅が2〜3mmほど大きくなり印象もだいぶ変わります。
②の腫れぼったいまぶたは、まぶたから脂肪を吸引することでスッキリさせることができます。腫れや傷跡はほとんど目立ちません。
さて、③の二重が顔のバランスとマッチしていない場合・・・ですが、ひと昔前の二重にする手術は、欧米人風の目に憧れが強かったせいか、目だけが彫りの深い欧米人のようになって、不自然な二重が多かったものです。これでは個性が生かされているとはいえません。
人それぞれの持昧を生かし、顔全体とバランスのとれた目を作るのは、ドクターのセンスや技術によりますが、それ以上にカウンセリングでよく話し合うことが重要です。
見られても触られてもわからない隆鼻術
安全な現代の隆鼻術
日本人を含む黄色人種の鼻の特徴は、目と目の問(鼻根部)が低い、いわゆる鼻筋が通っていない鼻であるとされています。ですから日本で最も盛んに行われているのは、隆鼻術と呼ばれる、鼻を高くする手術です。
隆鼻は、鼻に補正物を入れて行います。補正物には、インプラント(人工軟骨)と、本人の耳の後から取った耳介軟骨がありますが、私たちは鼻親同部にインプラントを、鼻先に耳介軟骨を入れる方法を採用しています。
インプラントという人工軟骨は、人工心臓の材料としても使われている、人体に自然に馴染む素材です。もちろん軟骨は、本人の軟骨を採取して使いますから、どちらも安全面に問題はないといえるでしょう。また、傷跡の心配はありません。
さて、その他の鼻の悩みですが、たとえば小鼻が横に広がっている鼻は、鼻の穴を縫い縮めて矯正できますし、鼻の途中に段がついた段鼻や高すぎる鼻は、鼻骨を削ってスッキリとさせます。鼻の手術は、2〜3種類組み合わせることで、満足のいく鼻に仕上がる場合がありますので、まずはどんな鼻にしたいのか、ドクターとじっくり話し合ってみてください。
注入時痛の少ない中性にフレンドされた局所麻酔の使用
あなたは鼻の美容外科手術を受けるところです。カウンセリングではドクターから、「麻酔をしますので、手術中は痛みを全く感じません」 と言われたとします。あなたはそれなら安心、と思い込まされてしまうでしょう。
でも、ちょっと待ってください。その、麻酔を打つ時の痛みを忘れてはいませんか?私たちが研究に研究をかさね、鼻の手術の問題点を一つ一つ解決して行き最後に残ったのが、この麻酔注入時の痛みの問題でした。
なぜなら、麻酔の注射を鼻に射たれるということは、患者さんにとって大きな苦痛になってたからです。そこでこの痛みをなくすために私たちが考えたのは、中性に近づけた局所麻酔です。
普通、麻酔は酸性に傾いているのですが酸性に傾けば傾くほど、注入時痛が強くなります。そこで、麻酔を中性に近づける様に、局所麻酔剤に重炭酸ナトリウムを加えます。こうしてブレンドされた麻酔剤は、注入時もほとんど痛みを感じません。これは麻酔科学会で多くのドクターによって発表されており、その効果はすでに実証されています。
私たちはこの中性局所麻酔を、特にデリケートなフェイスの手術に使用しています。いかがでしょうか?患者さんに一瞬の痛みも侮らず、前向きな検討をつづけている私たちの姿勢がここからも理解していただけると思います。
ダイエットでは痩せにくい顔の脂肪をスッキリ落とす
顔を小さく見せたい、というのは女性の憧れでしょう。たとえば、脂肪でふっくらしてるという方は、あごや頬の脂肪吸引をする方法が考えられます。アプローチ場所は、顎の手術の場合は顎の真ん中と左右の3ケ所。頬の場合は耳の裏です。
特に顔は脂肪吸引を行うと、皮膚のたるみがとれ、フェイスリフトの効果も期待できます。あごはほとんどの場合、脂肪を取ることでシャープに見せることができますが、頬の脂肪吸引については、頬骨が出っ張っていたり、筋肉が発達しているために太って見えるケースもあるので、このような場合には、脂肪吸引の適応外ということになります。
いずれにしても、信頼できるドクターのカウンセリングを受けることをお勧めします.
口腔外科のプロの技術で安心してまかせられます
輪郭修正手術は口腔外科のプロの専門ドクターが手術を行います
私たちのクリニックでは、顔の輪郭の修正を行なう際、口腔外科の専門のスタッフがカウンセリングと手術にあたっています。
これは、餅は餅屋というように、各部位によって専門家に任せた方が、より適切な手術ができると考えているからです。
また、顔面には重要な神経が入り込んでいますし、骨を削る作業になりますと、経験がものをいう、少し難しい作業になります。そこで私たちは、慎重を期するためにもプロの施行がふさわしいと考えているのです。
口腔外科だから安心してまかせられる、輪郭修正手術の代表的なものは、エラを削る、後退したアゴを出す、出っ張りすぎたアゴを直す、頬骨を低くする、などです。あなたの理想のフェイスラインを作り上げるために、口腔外科のプロがその技術と経験を役立てていきます。
思わずキスしたくなる唇に
口元の魅力は、女性の専売特許です。キレイに口紅を引き、微笑むと白い歯がこぼれる口元は、男性にとって大変魅力的なものです。
人の顔は個性的ですので、誰にでも美しいという唇の形はありません。その人の顔に合つた、口元が美しいデザインといえるでしょう。そこで私たちは満足できる手術を受けていたカウンセリングを充分に行っています。
さて、最近は厚めの唇が流行っているようですが、唇の厚みを増したいという方は、コラーゲンを注入して唇を広げることができます。反対に、厚い唇を薄くするのであれば、唇のいらない分を縫い縮めてしまいます。傷跡は口の中に隠れてしまい、外からは見えません。
知的な口元は歯並びがポイント
男女に関わらず、微笑んだときの白い菌は魅力的なもの。そして、もちろん歯並びが良いのが理想的です。逆に歯並びが悪いと、野卑な印象を与えてしまうこともあるくらいです。
アメリカなどでは、永久歯が生え揃う前の歯科矯正(歯並びが悪い、上出っ歯、下出っ歯などの場合)が常識で、歯並びが悪いのは親の責任とされている程、口元の美しさにこだわりがあります。それに比べ日本では、歯並びに対する意識が軽いようです。今だに歯並びの悪い人や虫歯のある人がたくさんいるのではないでしょうか。
歯並びが悪いのは健康にも悪影響を及ぼします。歯を矯正したら、肩凝りや頭痛が治ったという例もある程ですから、おろそかにできません。だからといって、成人を過ぎてからの歯科矯正は、時間ばかりかかる上に、元に戻ってしまうことが多いのです。それに、年頃になってから歯に矯正用の器具をはめるのは、女性には抵抗があるものでしょう。
そこで私たちは現在、口腔外科のスペシャリストとチームを組んで、外科手術による歯科矯正を実施しています。この方法ですと、短時間で、しかも確実な矯正が可能となるのです。医療技術は日々進化しています。未だに歯並びでお因りの方は、最新の技術が美しい口元に変身させてくれるはずです。
意外に気になる耳元の修正
福耳を直してチャーミングな耳元に
耳は顔の中でもあまり注目されない場所のようですが、人知れず耳の形に悩んでいる人は多いようです。耳を気にしている女性は、髪で耳を隠して、素敵なアップヘアが流行っても試すことができないのではないでしょうか?
例えば福耳。お金持ちになれる耳だと言うけれど、大きすぎて気になるという方は、手術で耳たぶのいらない分を切り取ってしまうことができます。
この他に、西洋では「サタンの耳」などと言われている立ち耳も、耳の後ろ側の軟骨を後ろに倒し、適当な角度に固定することができます。
定番のピアスのおしゃれ
今やすっかり珍しくなくなったピアスのおしゃれ。街では男女を問わずピアスをしている人をたくさん見かけるようになりました。最近の若いお母さんの間では、子供が小さいうちからピアスをさせるのが流行っているそうです。
現在、最もポピュラーなのはピストル式ピアッサーという器械で、一瞬のうちに穴を開ける方法。しかもそれと同時にピアスとスタッドをセットできますので、痛みもなく出血もしません。
たまに、金属アレルギーといって、金属性のアクセサリーをつけると皮フがかぶれる体質の人がいます。この体質の人はピアッサーにチタン材質のピアスをセットして穴を開けます。
よく、穴を開けた後の腫れを心配される方がいらっしゃいますが、このピストル式ピアッサーを使用して穴を開けますと、ひどく腫れたりすることはまずありません。
しわ対策とエイジングケア術
切らずにしわを取るコラーゲン注入
25歳はお肌の曲がり角と言われるのは、科学的な裏付けがあるのです。肌の細胞は24〜25歳までは増え続けるのですが、それ以降はほとんど増えません。どんなに栄養を与えようと、マッサージをしようと、みずみずしいお肌が新しく生まれてくることはないのです。
そんなお肌の老化現象の中で、気になるもののトップがしわでしょう。そして、近年、顔のしわ取りに大きな効果があるとして、大活躍中なのがコラーゲン注入法です。このしわ取り法は、ほとんどトラブルもなく仕上がりもキレイで自然な方法です。コラーゲンとは蛋白質の一種。これを真皮内に注入して、お肌の張りを取り戻すのです。
ただ、蛋白質は時間が経つと皮フに吸収されてしまうので、しわのないお肌を保つには、約半年から1年経ったら、また少し注入すると良いでしょう。
10歳若返る、奇跡のフェイスリフト
エイジングケア法にはコラーゲン注入の他にもうひとつ、フェイスリフトという、皮フのたるみを引き上げる美容手術があります。毛髪の中など、見えないところを切開して、皮フを引っ張り、顔中のしわをきれいに伸ばしてしまうのです。
なんとこの手術では10歳は若返ると言われ、年齢が高くなる程効果が期待できます。でも、20代の方には不向きな手術、だと私たちは考えています。若い方がフェイスリフトを受けますと、顔の表情が乏しくなってしまう危険性があるのです。20代でしたら、もししわができてしまったとしても、こまめにお肌のお手入れをして、生活を改善することで、みずみずしいお肌を取り戻すことができます。
まずは、規則正しい生活と充分な睡眠を心掛けることが大切です。そして、紫外線を出来るだけ避け、洗顔もしっかり行うことでしわやお肌の老化を防ぐことが出来るでしょう。
目次
- 序章
- はじめに
- 第1章
- 美しいプロポーションをつくる脂肪吸引
- 第2章
- 安全に流行のセクシーバストを手に入れる
- 第3章
- 目指せ!デオトラント美人
- 第4章
- その他の美容外科手術
- 第5章
- フェイスクリニックの基礎知識
- 終章
- おわりに