最終更新日: 2024年07月18日
レーザートーニング、
トラネキサム酸
肝斑治療
肝斑とは
肝臓の形に似ているので、肝斑(かんぱん)と呼ばれます。肝斑は頬骨あたりに、左右対称にほぼ同じ大きさ・形で現れ、広範囲に広がることが特徴です。また、額や口周りにも出来る事があります。
また、肝斑は単独で現れずに、しみやそばかすなどと併発する場合も多くあります。
肝斑があらわれる年代
肝斑は、主に30代~40代頃から発症することが多いです。肝斑はホルモンと関係していると言われており、肝斑の症状は50代後半まで見られ、閉経とともに薄くなります。
肝斑の原因
肝斑ができる原因はホルモンバランスが崩れるとできやすいと言われていますが、紫外線の刺激によりできる場合もあります。この2つが肝斑ができる主な原因です。
ただ、肝斑はさまざまな原因に複合的に起因して発生すると言われています。また、こすったり、たたいたり、刺激を与えると濃くなってしまうことも肝斑の特徴です。
ホルモンバランスの崩れ
年齢を重ねることや、ストレスが原因で、ホルモンバランスが崩れてしまうと、黄体(おうたい)ホルモン(プロゲステロン)が優位になってしまう場合があります。
黄体ホルモン(プロゲステロン)はメラノサイトを刺激し、メラニン色素を過剰に生成してしまい、皮膚のターンオーバーが追い付かず、肝斑ができ場合があります。
紫外線
日光の紫外線がメラノサイトを刺激すると、メラニン色素の生成が活発になり、肝斑の原因となるとも言われています。
洗顔時などの外部からの刺激
こすったり、たたいたりすると、肝斑が濃くなる場合があります。そのため洗顔時は、強くこすらないように優しく洗顔することは、肝斑予防の一つの対策となります。
皮膚の構造
皮膚はいくつかの層に分かれています。大きく分けて、皮膚表面に近いほうから、表皮、真皮、皮下組織に分かれています。
さらに表皮は、皮膚表面に近いほうから、角質層、顆粒層(かりゅうそう)有棘層(ゆうきょくそう)、表皮層、基底層(きていそう)、の4つに分けられます。
肝斑は茶色や黒っぽい色をしていますが、その色の原因はメラニン色素という色素が原因になります。メラニン色素を生成するメラノサイトという物質は、表皮の一番深い層にある基底層にあります。
ホルモンバランスが崩れたり、紫外線の刺激や洗顔時の刺激などで、メラノサイトがメラニン色素の生成が活性化されると、肝斑が現れたり濃くなったりします。
肝斑ができる層
肝斑やしみ、そばかすはできる皮下でできる層が違います。
肝斑は基底層を中心に表皮に現れます。その他、しみの老人性色素斑(日光性黒子)や、そばかす(雀卵斑)は表皮にできます。ADMは基底層から真皮にかけて現れます。炎症後色素沈着は表皮から基底層、真皮にかけて、幅広くうっすらと現れます。
基底層を中心にアプローチ
肝斑は表皮の基底層を中心に表皮に現れるので、基底層を中心にアプローチし、肝斑を治療します。
肝斑は他のしみなどと併発して現れます
肝斑は肝斑単独で現れるのではなく、老人性色素斑(日光黒子:いわゆる「しみ」)や雀卵斑(じゃくらんはん:そばかす)、炎症後色素沈着などと同時に現れています。
また、肝斑の濃さや出現する範囲など、個人差があります。どの種類のしみなのか、肝斑なのか、見分けることが難しい症例もあります。
共立美容外科では、医師が診察を行った上で、肝斑やしみの症状を拝見し、一人一人の肝斑やしみの症状に合わせて、複合的な治療を行っています。
肝斑の治療メニュー
肝斑の治療メニューをご紹介します。肝斑の治療メニューは大きく分けて5つあります。
クリニックで治療するメニューは、レーザーで治療するメニュー、ピーリングで治療するメニュー、イオン導入で治療するメニューの3つです。
そして、ご自宅で治療するメニューは、ハイドロキノンを塗る治療と、トラネキサム酸を飲むメニューの2つになります。
肝斑の治療メニューをご紹介しますが、肝斑の現れ方には個人差があり、併発的に他のしみも現れます。
そのため、共立美容外科では、医師が実際の患者様の症状を拝見し、クリニック内での治療と、内服や塗り薬などのホームケアの治療を並行して行うなど、治療メニューを組み合わせて複合的に行う場合があります。
レーザー
肝斑を治療する場合はレーザートーニングといって、肝斑を中心に顔全体にレーザーを当てる治療方法になります。
メラニン色素が破壊されます
顔全体にレーザーを当ててトーニングを行うと、肝斑の茶色や黒っぽい色の原因となるメラニン色素を破壊することができ、肝斑を徐々に薄くしていくことができます。
トップハット型のレーザー
肝斑を治療する場合、刺激を与えてしまうとかえって濃くなってしまいます。そのためレーザーで治療する場合、レーザー光が均一に当たるトップハット型のレーザーで治療します。
ピコドリーム、スペクトラレーザー、メドライトC6はトップハット型のレーザーの型をしています。
麻酔クリーム
痛みの感じ方は個人差があります。レーザートーニングは、ピリピリとした感覚で痛みはほとんどありませんが、ご希望の場合、麻酔クリームもご用意してあります。
肝斑のレーザー機器
共立美容外科では、レーザーで肝斑治療を行う場合、ピコレーザーの「ピコドリーム」、QスイッチYAG(ヤグ)レーザーの「スペクトラレーザー」、「メドライトC6」で肝斑治療を行います。
マッサージピール
マッサージピールとはピーリングの一種です。「PRX-T 33」という薬剤を顔全体にマッサージしながら塗り込みます。そして、その後、薬剤を洗い流すだけの簡単なピーリングです。
PRX-T 33に含まれるコウジ酸がメラニン色素を作る酵素「チロシナーゼ」の活性化を抑制します。そして、PRX-T 33に含まれるトリクロロ酢酸(TCA)が皮膚のターンオーバーの促進を促すことで、肝斑を治療します。
マッサージピールは顔に塗布すると、個人差がりますが、痛みと言うよりか、ピリピリとした感覚がします。
イオン導入
イオン導入は、微弱な電気の力を使い、トラネキサム酸という成分を基底層に届けます。トラネキサム酸はアミノ酸の一種です。
メラニン色素を生成するメラノサイトを活性化する因子としてプラスミンがあります。トラネキサム酸は抗プラスミン作用を持つ成分です。
そのため、トラネキサム酸がプラスミンを抑えることで、結果としてメラニン色素の生成を抑えることができ、肝斑を薄くすることができます。
痛みの感覚は個人差がありますが、痛みはほとんどありません。
ハイドロキノン(塗り薬)
ハイドロキノンはクリーム状の塗り薬です。ハイドロキノンは肝斑の茶色や黒っぽい色の原因となるメラニン色素の生成を抑制する働きがあります。
メラノサイトがチロシンという物質からメラニン色素を生成する過程をハイドロキノンがブロックし、肝斑を新たに作らせたり濃くなることを抑制します。
ハイドロキノンで新たに肝斑が作られることが抑制されている皮膚の環境下で、皮膚がターンオーバーしメラニン色素を排出するので、結果として肝斑が徐々に薄くなります。ただし、効果には個人差があります。
一日一回夜、就寝前に肝斑に塗っていただきます。共立美容外科では5%のハイドロキノンと10%のハイドロキノンをご用意しております。
トラネキサム酸の内服
トラネキサム酸はアミノ酸の一種です。
メラニン色素を生成するメラノサイトを活性化する因子としてプラスミンがあります。トラネキサム酸は抗プラスミン作用を持つ成分です。
そのため、トラネキサム酸がプラスミンを抑えることで、結果としてメラニン色素の生成を抑えることができ、肝斑を薄くすることができます。
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このページの監修医師
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副総括院長就任
遠山 貴之(とおやま たかゆき)
日本美容外科学会認定専門医
麻酔科専門医-
略歴
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- 1997年
- 順天堂大学 医学部卒
- 1997年
- 順天堂大学医学部付属病院 麻酔科入局
- 2006年
- 共立美容外科・歯科 入局
- 2020年
- 共立美容外科 上野御徒町院院長就任
- 2020年
- 共立美容グループ 副総括院長就任
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主な加盟団体
日本美容外科学会会員
日本美容外科学会認定専門医
麻酔科専門医
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