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母斑(あざ)には様々な種類があるって知ってた?アザの違いを詳しく解説。

母斑(あざ)には様々な種類があるって知ってた?アザの違いを詳しく解説。

公開日: 2023年01月22日 (日)
最終更新日: 2023年01月22日 (日)
母斑(あざ)には様々な種類があるって知ってた?アザの違いを詳しく解説。

皮膚に生じる良性のあざを、医学的には「母斑(ぼはん)」と言います。

母斑には複数の種類があり、それぞれに母斑が生じている原因や場所が異なります。

母斑の表れ方も、それぞれの種類によって色の濃さや凹凸(隆起)などに違いがあります。

母斑の治療を考える際は、母斑の原因や状態を見極めた上で適切な治療法を選択する必要があります。

誤った治療法や自己処理は、かえって母斑が目立つ傷が残ったり、傷跡から細菌感染する可能性もあります。

そこで今回は、黄色人種である日本人によく見られる

 

  • 色素性母斑
  • 扁平母斑
  • 脂腺母斑
  • 蒙古斑

 

を中心に、様々な母斑が出現する原因と有効な治療法をご紹介してまいります。

母斑の性質を正しく理解することができる内容となっていますので、どうぞ最後までお読みください。

 

母斑とは

母斑について解説している看護師

母斑は、通常の皮膚と異なる色をした斑点の総称です。

出現する場所は肌の表皮層や真皮層、色素細胞、脂腺、毛包など様々ですが、通常は局所的に出現し、健康に影響のない良性のものであることがほとんどです。

母斑の色が赤い場合は血管に、青色・茶色・黒色の母斑はメラニン色素に小さな異常があります。

母斑の治療法はレーザー治療が中心ですが、母斑の状態や大きさ、また部位などによっては切開法、皮膚培養術などが有効な場合もあります。

母斑治療は長期間にわたることが多いため、信頼できる医師と納得のできる治療計画に基づいて進める必要があります。

 

色素性母斑(ほくろ)

代表的な母斑としては、ほくろが挙げられます。

ほくろは、母斑細胞が肌の表皮層と真皮層の境目、または真皮層の中に出現し、メラニン色素を過剰に生成することによって出現します。

色は濃い茶色もしくは黒色で、平坦なものから隆起したほくろまで様々です。

5㎜以下のほくろであれば悪性の可能性は低く、除去は必ずしも必要ではありません。

審美的なほくろ除去を行う場合は、ほくろの形状や状態、部位に合わせて以下の方法を用いて行います。

 

  • レーザー治療(Co2レーザーやYAGレーザー)
  • 切開法
  • くりぬき法(剪除を含む)

 

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巨大色素性母斑

ほくろの中でも特に大きいものを、巨大色素性母斑と言います。

2万人に1人の割合で発症するとされています。

巨大色素性母斑の大きさの目安は以下のとおりです。

 

 

  • 成人の場合:直径20cm以上
  • 新生児の体部分の場合:6cm以上
  • 新生児の頭部の場合:9cm以上

 

見た目に影響を及ぼすのはもちろんのこと、大きすぎるほくろは将来的に悪性化(がん化)するリスクがあります。

そのため、巨大色素性母斑に該当する大きさのほくろは、早急な切除が望ましいといえます。

 

巨大色素性母斑の除去方法

巨大色素性母斑の除去は、以下のような手術によって行われます。

ほくろの状態や部位によっては、複数の方法を組み合わせる場合もあります。

母斑の大きさによって必要な手術回数は異なり、長期間の治療が必要になる場合もあります。

 

分割切除

数回に分けて巨大色素母斑を切除する術式です。

 

ティッシュエキスパンダー

シリコンバックという組織拡張器を皮膚の下に埋めこみ、3~4カ月をかけて皮膚を拡張させる術式です。巨大色素母斑を切除した部位に自分の皮膚をかぶせるようにして再建することができます。

手術の特性上、乳幼児期のお子様の母斑治療には向いていませんが、仕上がりの美しさに優れています。

 

植皮術

分割切除やティッシュエキスパンダーで除去することのできない大きさの巨大色素性母斑は、植皮術を使った手術を行います。

患者様の身体から一部の正常な皮膚を移植する方法で、以前より行われていた治療法です。。

 

レーザー治療

巨大色素性母斑に対してレーザーを照射する術式です。

必要に応じて複数のレーザーを組み合わせて照射します。

レーザー治療のメリットは、体への負担が少なく、縫合痕が残らない点です。

ただし、完全に周囲の皮膚と同色にすることは難しく、ある程度色味が残ってしまう可能性があります。

 

扁平母斑(茶あざ)

茶あざのある男性

カフェオレをこぼしたような茶褐色のあざを扁平母斑(へんぺいぼはん)といいます。

カフェオレ斑ともよばれ、隆起はなく平たいあざであるという特徴があります。

稀に扁平母斑の範囲内に黒い斑点がある状態の母斑も確認されています。

悪性化することはなく、健康上の問題はありません。

 

先天性扁平母斑

先天性扁平母斑は、生まれつき確認できる扁平母斑の総称です。

日本人の10人に1人の割合で発症するといわれており、除去せずとも健康被害はありません。

成長後の見た目が気になるほどの大きさである場合は、皮膚が薄い乳幼児期からのレーザー治療が有効です。

レーザー治療には、Qスイッチ付きルビーレーザーを使用します。

Qスイッチ付きルビーレーザーは、レーザーの光によってメラニン色素を熱エネルギーの力で破壊し、除去することができます。

母斑周辺へのダメージも最小限に抑えることができます。

 

遅発性扁平母斑(ベッカー母斑)

思春期以降に出現する茶色の母斑を遅発性扁平母斑といいます。

遅発性扁平母斑は表面がざらざらしており、境界線がギザギザしているという特徴があります。

肩から胸にかけての出現率が高く、母斑内に毛が生えていることが多いです。

遅発性扁平母斑の場合も、レーザー治療が有効な治療法になります。

ルビーレーザーやQスイッチ付きルビーレーザーなどのレーザー治療を試し、効果の合ったレーザーを組み合わせながら長期的に治療していく必要があります。

 

レックリングハウゼン病

扁平母斑は悪性化(がん化)する可能性がほとんどない母斑ですが、3000人に1人の割合でレックリングハウゼン病という指定難病に該当する可能性があります。

レックリングハウゼン病は、神経線維腫症Ⅰ型という遺伝性の病気です。

神経の神経線維腫やびまん性神経線維腫、皮膚神経線維腫が生じ、神経や骨、眼などに症状が表れる可能性があります。

近親者に神経線維腫症に罹患している方がいる場合や、カフェオレ斑が6個以上出現している方は、念のため皮膚科医に相談されるよう推奨いたします。

 

脂腺母斑

頭部や顔にできやすい母斑の一種を、脂腺母斑(しせんぼはん)といいます。

他の母斑のように毛細血管や母斑細胞の影響ではなく、脂腺という皮脂を産生する部分のトラブルによって形成されます。

生まれたばかりの新生児の段階で気づく場合と、成長とともに大きくなった1歳か2歳ごろに気づく場合があります。

出現した場所が頭部の場合、その場所には髪の毛が生えません。

また成長と共に大きくなり続け、30歳ごろにはイボ状に盛り上がり、腫瘍ができやすいという特徴があります。

 

脂腺母斑の除去は、局所麻酔もしくは全身麻酔での切開法が基本となります。

生まれつき脂腺母斑が確認されている場合は、皮膚が柔らかい3歳から小学校入学前を目安に切除します。

大きさによっては巨大色素性母斑の除去と同様に、植皮術やティッシュエキスパンダーなどの手法を組み合わせる必要があります。

 

蒙古斑

蒙古斑のある赤ちゃん

黄色人種に出現しやすい母斑といえば、おしりの上にできる蒙古斑です。

モンゴル人には95%、他の東アジア人には80%の割合で出現すると考えられています。

肌の真皮層にある場合は青色に、肌の表皮層にある場合は茶色く見えます。

小学校に入学するころには目立たなくなり、通常、悪性化することはありません。

 

異所性蒙古斑

おしりや背中、腰以外の部分に出現する蒙古斑を、異所性蒙古斑といいます。

通常の蒙古斑と同様に悪性化の心配はなく、学童期に差し掛かる前に消失することがほとんどです。

異所性蒙古斑は通常の蒙古斑と比較して、消失しにくいという特徴があります。

特に色が濃い場合は7歳を過ぎたころからレーザー治療を検討する必要があります。

異所性蒙古斑に有効なレーザーは、Qスイッチレーザーです。

 

太田母斑

蒙古斑と同じ、青色母斑(青い母斑)の一つに、太田母斑があります。

太田母斑は顔の中でも特におでこから頬、上唇の範囲に出現しやすい斑点状の母斑です。

生後まもなく出現する早発型太田母斑と、思春期頃の女性に出現しやすい遅発型太田母斑があります。

発生する確率は、日本人の1000人に1人か2人とされています。

蒙古斑と異なり、自然消滅することはありません。

そのため、見た目が気になる場合はレーザー治療の必要があります。

太田母斑のレーザー治療も、Qスイッチレーザーで行います。

 

母斑の種類や原因は様々。正しい知識と早期の治療が重要です。

共立美容外科の黒子除去を案内している看護師

黄色人種に出現しやすい母斑である、色素性母斑、扁平母斑、脂腺母斑、蒙古斑をご紹介いたしました。

母斑は日本人にとって非常に出現確率が高く、また悪性化する確率が低いことから、治療を急ぐ必要はないと考える方もいらっしゃいます。

しかし、先天性蒙古斑以外の母斑は、自然消失する確率が非常に低い症状です。

早期に治療を始めることで手術痕や母斑の色素が残りにくい治療計画や手術法を選択することができますので、気になる母斑がある方はすぐに医師に相談しましょう。

 

共立美容外科では、小学校入学前のお子様に対する母斑除去の施術を行っております。

審美的な観点にこだわり、経験豊富な医師が治療計画を立案いたします。

また最新のレーザー機器を母斑の状態に合わせて使い分けることで、患者様にご納得いただける仕上がりを目指しております。

もちろん、思春期以降の患者様のあざの治療にも力を入れておりますので、どうぞお気軽にご相談下さい。

 

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このページの監修・執筆医師

  • 日本美容外科学会会員
  • 日本美容外科学会認定専門医

浪川 浩明

(なみかわ ひろあき)

医師の詳細

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