オートファジーダイエットの効果や失敗例について美容外科医が解説
最終更新日: 2022年05月11日 (水)

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最近よく聞くようになったオートファジーダイエット。
16時間ダイエットとも言われ、16時間の空腹時間を作り、「オートファジー」の機能を利用するものです。
そもそもオートファジーとはどういった機能で、オートファジーダイエットは一般的なダイエットと何が違うのでしょうか。
今回はオートファジーダイエットの効果や成功させるコツ、そして美容医療による痩身についてご紹介します。
オートファジーダイエットとは
オートファジー(Autophagy)はもともとギリシャ語で、「Auto」は「自己」を、「Phagy」は「食べる」を意味し、私たちの細胞の自食作用のことを言います。
細胞は損傷したり、不要になったりした部分を自ら食べて取り除き、新しい細胞へと生まれ変わらせる仕組みを持っています。
オートファジーダイエットはこうした体の働きを応用したもので、16時間以上の空腹時間を作ることです。
オートファジーは体や細胞が強いストレスを受けたときであっても生き残れるよう、体内に組み込まれたシステム。
細胞は飢餓状態や低酸素状態になったときにこそ働きが活発化します。
そのため最後に食事をしてから16時間程度経過しなければ、オートファジーは活性化しないということです。
とはいえ「16時間断食」と聞くとしんどさを感じたり、拒否感を抱いたりする方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、仕事や家事が忙しいときに食事を摂るのを忘れていたといった経験はありませんか。
オートファジーダイエットはひもじさを我慢するのではなく、無理なく食べない時間を作り、血液の状態を改善させたり、胃腸や肝臓を休ませたりすることが大切です。
オートファジーダイエットの基本的なルールは、
- 18時ごろまでに夕飯を済ませ、それ以降は何も食べずに就寝
- 翌朝10時ごろに遅めの朝食を食べ、18時ごろまでは好きなものを食べる
というものです。就寝時間を断食時間に当てられるため、断食に抵抗がある方でも気軽にチャレンジできるでしょう。
オートファジーダイエットの効果
16時間以上の空腹時間を作ることで、脂肪細胞を分解させるオートファジーダイエット。
オートファジーダイエットを行うことで、
- 消化機能が向上する
- 脂肪燃焼が促進される
- 肌や筋肉の老化スピードを抑制できる
といった効果が期待できます。それぞれの効果について詳しく見ていきましょう。
消化機能が向上する
オートファジーダイエットによって消化機能の向上が期待できます。
胃腸などの消化器官は主に消化と代謝の役割を持っていることに加え、心身を健康に保つために必要なホルモンの分泌を行っているのです。
しかし、私たちが食事を摂り続ける限り、消化に追われて代謝機能を十分に発揮できていないということも。
こうした状態が続くと、消化機能が弱まり、代謝の停滞によって食事に含まれる添加物や老廃物を体内に溜め込んでしまう可能性があるのです。
そこでオートファジーダイエットを行うことで、消化機能を休ませ、代謝機能を高める効果が期待できます。
胃腸の消化機能が向上することで代謝を中心に動き出すようになるため、体内の添加物や老廃物の排出を促します。
オートファジーダイエットによって消化器官の機能と健康状態がリセットされることで、メンタルや脳にも良い影響をもたらすと言われているのです。
脂肪燃焼が促進される
オートファジーダイエットによって脂肪燃焼機能の促進が期待できます。
悪いイメージとして扱われることが多いですが、そもそも体脂肪とは一体何なのでしょうか。
体脂肪は大きく分けて内臓の周りにつく「内臓脂肪」と、皮膚と筋肉の間につく「皮下脂肪」の2つがあります。
中年以降の男性によく見られるぽっこりお腹は内臓脂肪が多い状態で、女性によく見られるお腹やお尻のふっくらとした質感のものが皮下脂肪です。
この体脂肪をうまく燃焼させることが、ダイエット成功の鍵に。
まず体脂肪が燃焼するサイクルは「分解」→「運搬」→「燃焼」の3段階に分かれています。
それぞれの段階の詳細は以下の通りです。
分解
体にたまっている体脂肪は主に「グリセロール」と「遊離脂肪酸」と呼ばれる物質で構成されています。
体脂肪を燃焼させるために、まずはこれらの物質を分解する必要があるのです。
体脂肪の分解に有効なのが、コーヒーなどに含まれる「カフェイン」と言われています。
カフェインに含まれるアドレナリンやノルアドレナリンが体内で分泌されることで、より体脂肪の分解が進むのです。
運搬
分解された体脂肪は体外に排出するために運搬する必要があります。
体脂肪の運搬にはアミノ酸由来の「カルニチン」と呼ばれる物質が欠かせません。
分解された体脂肪とカルニチンが結合することで、体脂肪を燃焼する役割を持つ「ミトコンドリア」まで運搬できるのです。
燃焼
ミトコンドリアまで運搬された体脂肪は、最終的に燃焼させる必要があります。
体脂肪を燃焼させるためには筋トレや有酸素運動などが必要になることはもちろん、睡眠中に分泌される成長ホルモンが重要に。
オートファジーダイエットを行うことで断食によって不足したエネルギーを補うために体脂肪が分解され、筋肉で消費されるようになるため、脂肪燃焼が促進されるのです。
肌や筋肉の老化スピードを抑制できる
冒頭でもご紹介したように、私たちの体は飢餓状態や低酸素状態になったときにこそ働きが活発化します。
断食によって血液や免疫系の生成に関わる「造血幹細胞」が活性化し、新しい白血球が生み出され、細胞の循環スピードが速くなるのです。
オートファジーダイエットによって日常的に16時間に空腹時間が生まれるため、肌や筋肉の老化スピードの抑制効果が生まれます。
「細胞内のリサイクル」が行われることで、以下のような体質改善が期待できます。
- 自己免疫力が高まる
- がん・高血圧などの予防
- 不眠改善
- 肌つやが良くなる
- 便通が良くなる
- アレルギー症状の緩和
オートファジーダイエットを成功させるコツ
オートファジーダイエットは「ただ16時間何も口にしない」だけでは成功しません。
オートファジーダイエットを成功させるためには、どのようなことを実践すれば良いのでしょうか。
16時間の空腹時間を必ず作る
オートファジーダイエットで16時間の空腹時間を作る理由は、
- 疲れた胃腸の機能を回復させる
- 飢餓状態で起こる細胞内リサイクルを活発化させる
- 体内時計を整える
3つです。私たちの体は糖質や脂質、たんぱく質といった物質からエネルギーを作っています。
16時間の空腹時間を作ることで、エネルギー不足に陥らないように細胞内でオートファジーと呼ばれる細胞のリサイクルが行われるのです。
これによって古くなった細胞が生まれ変わり、代謝機能が改善し、痩せやすくなります。
オートファジーダイエットを成功させるためには、16時間の空腹時間を必ず作るようにしましょう。
どうしても何かを食べたいという場合は、少量の無塩ナッツであれば問題ありません。
筋トレをしっかり行う
オートファジーダイエットはデトックス効果とダイエット効果を得られますが、脂肪と同時に筋肉が落ちてしまうことも。
これは食事をしないと体内に燃焼できるエネルギーがなくなるため、代わりに筋肉や脂肪を分解してエネルギーに変換するためです。
筋肉を減らしたくないからと言って16時間の空腹時間中に筋トレを行うのは禁物。
空腹時は糖が不足しているため、低血糖のリスクがあります。
低血糖とは血糖値が正常値以下まで下がった状態のことで、冷や汗や動悸、意識障害、けいれん、手足の震えなどの症状が表れます。
このような事態に陥るのを防ぐために、筋トレはオートファジーを行っている時間外の8時間(フリータイム)で行うようにしましょう。
水分を積極的に摂る
16時間の空腹時間中に水分を積極的に摂ることは、オートファジーダイエット成功の近道です。
ファスティング中は食事をしないため水分が特に不足しがちになるため、普段よりも多めの水分補給が必要になります。
1日1リットル以上、可能であれば2リットル程度の水や白湯を飲むことを心がけてください。
お茶やコーヒーなどはカフェインが含まれており、利尿作用があるため、控えましょう。
オートファジーダイエットでよくある失敗例
「オートファジーダイエットを続けているのになかなか効果を感じられない……」ということもしばしば。
この時に考えられるのは、フリータイムに暴飲暴食をしていたり、ストレスを溜めてしまっていたりする可能性です。
あらかじめ失敗例を確認し、オートファジーダイエットを成功させましょう。
食べても良い時間に暴飲暴食をする
8時間のフリータイムでなんでも食べても良いからと言って、甘いものや揚げ物、アルコールなどを食べ続けていると空腹時間中の努力が水の泡になってしまいます。
フリータイム中であっても1日に必要なエネルギー量を超えないように、カロリーを気にすることが大切です。
1日に必要なエネルギー量は性別、年齢、体格によって変わります。
以下の表を目安にしましょう。
以下の数値は1カロリー(kcal)となっています。(※)
性別 男性 女性
身体活動レベル Ⅰ(低い) Ⅱ(普通) Ⅲ(高い) Ⅰ(低い) Ⅱ(普通) Ⅲ(高い)
18~29歳 2,300 2,650 3,050 1,700 2,00 2,300
30~49歳 2,300 2,700 3,050 1,750 2,050 2,350
50~64歳 2,200 2,600 2,950 1,650 1,950 2,200
65~74歳 2,050 2,400 2,750 1,550 1,850 2,100
75歳以上 1,800 2,100 – 1,400 1,650 –
※参考:日本人の食事摂取基準(2020年版) | 厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf?_ga=2.156925244.64378607.1648565132-1524460706.1648565132
ストレスをためてしまう
ストレスが与えるダイエットへの影響として挙げられることは、血流の悪化です。
人間はストレスを受けると交感神経が刺激されて血管が収縮し、血流が悪化してしまいます。
血流が悪化することで全身に酸素や栄養を届けられなくなったり、基礎代謝が落ちたりするなどの影響も。
空腹時間中にストレス解消として打ち込める趣味を探しておくと良いでしょう。
オートファジーがつらいなら、美容医療で痩せる道も
ここまでオートファジーダイエットの概要について触れてきましたが、「オートファジーを続けていてもなかなか効果が出ない……」といったお悩みを抱える方は多いものです。
このような方におすすめなのが、美容医療です。
美容医療と聞くとメスを使うなど大がかりで危険というイメージを想像される方もいらっしゃるかもしれません。
実際の美容医療は医療知識を持つプロによって行われる安全なものです。
美容医療における痩身治療として、脂肪吸引・脂肪溶解注射・ボトックス注射・冷凍脂肪溶解(フリーズドライ)・処方薬治療の5つが挙げられます。
ここでは、それぞれの施術方法について詳しくご紹介します。
脂肪吸引
脂肪吸引とは「カニューレ」と呼ばれる吸引器具を用いて脂肪細胞を除去する痩身治療です。
脂肪細胞は伸縮性のある細胞で、脂肪細胞が膨らむと太って見えてしまいます。
脂肪細胞は増えることはないため、吸引によって脂肪細胞の数自体を減らすことで、脂肪をため込む細胞が減少し、太りにくい体質にすることが可能です。
脂肪吸引量は人によって異なりますが、皮下脂肪が特に多い場合は一度の施術で約2,000ccの脂肪を除去することもあります。
脂肪吸引は、皮下脂肪がたまりやすい顔(あご、頬)、二の腕、背中、腰、お腹、太もも、ふくらはぎといった箇所に適用できます。
ダイエットや食事制限は数か月にわたって継続して続ける必要がありますが、脂肪吸引であれば一度の施術でしっかり脂肪を除去できるメリットも。
メリットが大きいように思える脂肪吸引ですが、施術後の拘縮によって痛みを感じる場合があります。
拘縮とは吸引箇所の皮膚が硬くなり、動かそうとしたときに関節の痛みを伴う症状のことです。
術後1週間程度で症状が表れ、長いと数か月続くことも。
痛みがなかなか治まらない場合はクリニックに相談することで、内服薬を処方してくれる場合があります。
共立美容外科では拘縮をはじめとする症状の発生リスクを抑えるため、さまざまな独自技術を考案。
傷跡保護器具「KBシース」に加え、さまざまな部位に対応できるように開発した53種類のカニューレを使用することで体への負担を抑えます。
さまざまな医療機器が開発されていますが、共立美容外科が大切にしていることは医師の技術。
凸凹とした仕上がりにならないように、どのくらいの脂肪を吸引できたか確認しながら行う「ブラインド術」を習得した医師が施術を担当しています。
▼共立美容外科の人気の脂肪吸引の料金や副作用についての詳細はこちら
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