わきがの原因!アポクリン腺の場所は?脇以外のこんな場所にも!?
最終更新日: 2024年02月09日 (金)

わきがは、アポクリン腺とよばれる汗腺から分泌される汗が皮膚の常在菌と反応することで、わきが特有の臭いが生じている状態です。
わきがそのものは病気とは言えず、体質と表現するほうが適切です。
とはいえ、わきがを気にするあまり他人との接触を極端に避けるようになってしまったりなど、社会生活に影響を及ぼすこともあるかもしれません。その場合は、必要に応じて適切な治療を行うことも重要です。
こまめに汗をふきとったり、皮膚を清潔に保つことで、わきがの臭いをある程度抑えることはできますが、これらはあくまでも“ケア”であって、根本的な解決方法や治療方法とは言えません。
わきがを治療するためには、臭いの原因であるアポクリン腺そのものを取り除いたり、発汗を抑えるなどの治療が必要です。
わきがの治療には保険適用のものとそうでないものがあります。例えば、脇の下のアポクリン腺を直接切除して取り除く剪除法という手術には保険が適用されます。
わきが治療の中でも、ミラドライやボトックス注射などは保険適用外です。それぞれメリット・デメリットが異なるため、自身に合った治療法を選択する必要があります。
そんなわきがの原因であるアポクリン腺は、「脇以外の場所」にも存在していることが分かっており、中には「わきがの手術をしたのに臭いが消えない」というケースもあります。
そこで本記事では、わきがの原因であるアポクリン腺に関して詳しく解説していきます。
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そもそもわきがとは?
一般的にわきがと呼ばれる腋臭症(えきしゅうしょう)は、独特な臭いを発生させる体質のことであり、男女問わず発生します。
日本人には比較的少ないとされていますが、日本人には臭いに敏感な人が多いという特徴もあり、わきが体質によって対人関係に影響が出てしまっているという方も少なくありません。
通常、思春期の頃よりわきがの臭いが出てくるようになり、性活動期に臭いが強くなると言われています。
高齢になれば臭いは消えていきますが、思春期など臭いに敏感になる時期には、わきが体質によって必要以上に悩みを抱えてしまうこともあるでしょう。
わきがは遺伝するという特徴があり、両親のどちらかや親族にわきが体質の方がいる場合には、自身もわきがになる可能性があります。
しかし、人間は自分自身の臭いには気付きにくいため、自分がわきがであるという事に気付かず、周りに指摘を受けることで、精神的に大きなショックを受けてしまうこともあります。
なお、わきがの臭いが「うつる」という誤解や差別的な表現がなされることがありますが、わきがはあくまでも体質であり、臭いが人に感染するということはありえません。
そんなわきがの臭いの原因となるのは、脇の下に多く存在するアポクリン腺と呼ばれる汗腺から分泌される汗です。
汗腺は汗を分泌する組織で、アポクリン腺とエクリン腺という2つの種類があります。臭いの原因となるのは、アポクリン腺から分泌される汗です。
アポクリン汗腺から分泌される汗が、皮膚にある細菌と混ざり発酵して臭いが強くなることで、わきが独特の臭いを発生させます。
そのため、わきがを治療するためには、単純に汗の分泌を抑制するだけでは不十分です。アポクリン腺から分泌される汗を止める、もしくは、アポクリン腺そのものを取り除く必要があります。
わきがの原因アポクリン腺について
人間が汗を分泌するための組織が汗腺です。
汗腺には体温の調節を目的としたエクリン腺と、わきがの原因となるアポクリン腺と呼ばれるものがあります。
エクリン腺から分泌される汗は、運動や病気などで体温が上がった際に分泌される「一般的な汗」であり、エクリン腺は全身に分布しています。
エクリン腺から分泌される汗の成分の大半は水分であり、この汗は直接的には臭いの原因にはなりません。
いわゆる“汗かき体質”の方は、このエクリン腺が多いため汗の分泌量が多いと考えられます。
一方、アポクリン汗腺から分泌される汗は、脂肪酸、鉄分、色素、尿素、アンモニア等、様々な物質を含んでいます。
アポクリン腺から分泌される汗は、エクリン腺からの汗と違って粘り気があり、特殊な臭いがするのが特徴です。
さらに、アポクリン汗腺から分泌される汗に含まれている少量の脂肪酸が、皮膚常在菌によって分解されることで低級脂肪酸になり、この物質がわきがの臭いを発生させていると言われています。
わきが体質の方が必ずしもよく汗をかくというわけではなく、汗の分泌量が少なかったとしてもその汗がアポクリン腺から分泌された汗である場合には、わきが独特の臭いを発生させる可能性があります。
わきがを治療するためにはこのアポクリン腺を取り除く必要があります。
アポクリン腺の場所は脇だけではない!?
わきがの原因となるアポクリン腺があるのは、脇の下だけではありません。他にも、外耳道、乳房(乳首周辺)、外陰部、肛門の周辺などにも存在していることが分かっています。
動物にとってアポクリン腺は、仲間同士の確認や異性をひきつけるフェロモンのような役割をしています。
人の場合も同様です。アポクリン腺から分泌される汗と「性ホルモン」には切っても切れない関係があります。
性ホルモンにはアポクリン汗腺を活発化させる作用があり、性活動が活発になるとわきがの臭いが強くなるという特徴があります。
そのため、思春期以降にわきがが発症することが多いです。生理などの周期に合わせて臭いが強くなるというケースもあります。
アポクリン腺自体は誰でも持っているものですが、わきが体質の方はアポクリン腺の量が人よりも多く、またアポクリン腺から分泌される汗の量が多い点が特徴です。
以上のように、アポクリン腺は脇以外の組織にも存在しているため、脇に対する治療を行ったとしても、胸などにわきがの臭いが残ってしまうという可能性もあります。
わきがの臭いを完全になくすためには、脇だけではなく、胸や陰部などに存在するアポクリン腺に対する治療も検討する必要があるかもしれません。
わきがの治療戦略
わきがの治療法には様々なものがありますが、外科的にアポクリン腺を切除する方法が最も有効であると言えるでしょう。
保険適用のわきがの手術として、前除法と呼ばれる手術があります。
前除法は脇のシワにそって、5センチ程度の切り込みを数本入れ、アポクリン腺を目で確認しながら直接的な切除を行う手術方法です。
剪除法はアポクリン腺を切除する方法であるため、わきがに対する効果が期待できますが、脇の下に手術の跡が残ってしまう可能性があります。
脇のシワに沿ってメスを入れるため、手術の後は時間の経過とともに目立たなくなることが多いです。
しかし体に傷をつけるということになってしまうため、その傷が悩みの種になってしまう可能性もあります。
体に傷をつけたくないという方は、メスを使わない治療を検討すると良いでしょう。
メスを使わないわきがの治療法としては、汗の分泌を抑える方法があります。
ボトックス注射やレーザー治療などを行い、アポクリン腺からの汗の分泌を抑制します。
しかしこの方法では、一時的に汗の分泌を止めることができても、アポクリン腺そのものが無くなるわけではないため、効果は限定的です。
ボトックス治療などは、半年程度で効果が切れてしまうため継続的に何度も施術を受ける必要があります。
手術でアポクリン腺を根治的に取り除くのか、汗の分泌を抑制して臭いのレベルを下げるのか、人によって目的や方法は変わりますので、 しっかりとカウンセリングを受けた上で治療法を選択しましょう。
また、先にも述べたように、アポクリン腺は脇以外の組織にも存在しているため、脇の治療を受けただけではわきがの臭いが残ってしまうという可能性もあります。
わきがの手術をしたのに臭いが残っているという方は、脇以外のアポクリン腺から臭いが生じている可能性もあるため、胸や陰部などの検査を行う必要があるかもしれません。
わきがにお悩みの方はお気軽にご相談下さい
わきがは病気ではなく、そのままにしていても健康的な被害が出ることはありません。
しかし対人関係を築いたり社会生活を行う上で、わきがの臭いが自身にとって精神的なストレスとなってしまう可能性があります。
わきがの臭いの悩みはとてもナイーブなものであり、なかなか人には相談しづらい悩みかもしれません。
共立美容外科では専門のカウンセラーがご相談を承っております。
医師が直接お話を伺いますので、どうぞお気軽にご相談下さい。
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