色素沈着とは?消えるものと残るものの違い、原因と防ぎ方

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ぶつけたところが茶色く残る。ニキビが治ったのに跡が消えない。こすったところだけ色が濃くなる。こうした肌の黒ずみを、色素沈着といいます。
これは消えるのでしょうか?なぜ色が残るのか、消えるものと残るものの違い、防ぐ方法まで、医師が解説していきます。
この記事で扱うのは、主に炎症のあとに残る色素沈着です。肝斑や日光によるシミ、目の下の影は、原因も対処も違いますので、同じ方法で考えずに、医師にご相談ください。
色素沈着とは肌の黒ずみのこと
メラニンは、紫外線や刺激から細胞を守るためにつくられる色素です。つくられた分が排出しきれずに残ると、その部分が黒ずんで見えます。これを色素沈着と呼びます。
炎症のあとに残った色素沈着は、時間とともに薄くなることがあります。色素が深いところにある場合は長く残りやすく、経過は炎症の状態などによっても変わります。こすらずに紫外線を避け、濃くなる、広がる、長く変わらないときは皮膚科で相談してください。
色素沈着は消えるのか
メラニンが表皮にとどまっているのか、その下の真皮まで落ちているのか。ここでその後の経過が変わってきます。
表皮にあるものは、肌が入れ替わるにつれて薄くなっていきます。しかし真皮まで落ちたものは、肌の入れ替わりでは外に出ないため、そのまま残りやすい。そのため表皮の色素沈着のほうが、真皮のものより早く薄くなることが報告されています。ただし、深さだけで経過がすべて決まるわけではありません。
どちらなのかは、見ただけでは分かりません。何か月も変わらない、だんだん濃くなっている。そういうときは、自分で判断せずに皮膚科や美容皮膚科で見てもらってください。
炎症が強いほど、深くまで残りやすい
色素沈着の濃さと残りやすさは、もともとの肌の色、炎症の強さと深さ、炎症が続いた期間で決まります。
ニキビをつぶす、かきむしる、こすり続ける。炎症が長く続くほど、色は濃く残りやすくなります。色が残ってから何とかするより、炎症そのものを早く治すほうが先です。
色素沈着しやすい人
もともと肌の色が濃い人ほど、炎症のあとに色素沈着が起きやすいことが知られています。日本人を含むアジア系の肌は、その起きやすい側に入ります。
体質は変えられません。ただ、炎症を長引かせない、こすらない、日焼けさせない。この3つは自分でケアすることができます。
色素沈着ができやすい5つの部位
色素沈着は、刺激を受けやすい場所に出ます。よくある5か所を見ていきます。
1. 脇
脇のムダ毛を処理するために頻繁にカミソリを使っている方も多いでしょう。
カミソリによる肌へのダメージや摩擦は、色素沈着の原因になります。
カミソリを使って無理なムダ毛処理を続けていると、脇のムダ毛を処理しているのに黒ずみが気になるようになってしまいます。
刃を当てる回数が減れば、そのぶん刺激も減ります。ただし、脱毛の照射でも炎症や色素沈着が起きることがあります。どちらが向いているかは、肌の状態を見て決めてください。
2. デリケートゾーン
デリケートゾーンは下着や生理用品、トイレットペーパーなどで常に摩擦が多い場所です。
そのため色素沈着が起きやすいです。
また、デリケートゾーンのムダ毛処理を繰り返すことでも色素沈着がひどくなります。
特にデリケートゾーンはケアしにくく、また自分でもあまり確認ができない部位のため、色素沈着が起きていても気づけず、ケアが遅れがちな場所です。
粘膜に近い非常にデリケートな場所ですので、色素沈着のケアをする場合は丁寧なケアを心がけましょう。
3. 肘や膝
肘や膝といった関節はとくに色素沈着ができやすい場所です。
肘をついたり、膝をついて立ったり座ったりすることが多いなどの場合はとくに色素沈着ができやすいです。
そうでなくても常に衣類やストッキングなどで摩擦が起きやすいので、注意が必要です。
肘や膝の色素沈着は目立ちやすく、気になっているという方も多いでしょう。
ケアはしやすい部分ですので、気になり始める前のケアをおすすめします。
4. 目の周り
目の周りは顔の中でもとくに皮膚が薄く、そしてメイクやクレンジングによる摩擦やダメージで色素沈着が起こりやすいです。
目の周りが黒ずんでいると老けた印象になってしまい、見た目にも直接影響を与えます。
スキンケアをきちんとしているつもりなのに、目の周りの色素沈着が気になるという方は無意識に擦りすぎている可能性があります。
手やコットン、美顔器で強く擦るようなスキンケアやマッサージ、クレンジングはとくに目の周りの皮膚へのダメージが強くなってしまうので注意してください。
5. 顔周辺
顔周辺は目の周りと同様に色素沈着を起こしやすい部位です。
メイクやスキンケア、クレンジングで顔を擦ることが多いと、その分黒ずみになりやすいです。
顔のマッサージなどで強く皮膚を擦るのも色素沈着の原因です。
マッサージをする際はたっぷりのクリームやオイルなどを使って摩擦を減らすか、ツボ押しなどの擦らないマッサージに切り替えることをおすすめします。
また、紫外線の影響でも色素沈着は起こります。
顔は体の中でも常に紫外線に晒されやすい場所ですので、その分しっかりとした色素沈着対策が必要です。
色素沈着ができる6つの原因

黒ずみは、いくつかの要因が重なって出ます。一つやめても、別のものが残っていれば色は戻りにくいままです。
1. 紫外線によるダメージ
紫外線によるダメージは色素沈着の大きな原因の一つです。
紫外線は肌にとって大きなダメージを与えるものです。
そのため、紫外線を浴びると肌は自身を守るために行動を起こします。
この守るための行動がメラニン色素の分泌です。
このメラニン色素は肌を黒くするもので、夏の日焼けのように一時的に黒くなるだけの場合もありますが、これはメラニン色素がきちんと排出されていればの話です。
メラニン色素の排出がうまくいかないと、黒ずみがいつまでも肌表面に残り、色素沈着となってしまいます。
2. 摩擦によるダメージ
摩擦によるダメージも色素沈着の原因の一つです。
摩擦から肌を守るためにメラニン色素が分泌され、色素沈着となってしまいます。
摩擦は日々の生活の中にたくさんあり、完全に防ぐことは難しいでしょう。
衣類での摩擦、メイクやスキンケア、マッサージでの摩擦、ムダ毛処理による摩擦、生理用品やトイレットペーパーによる摩擦などです。
マスクも摩擦の原因になります。口周りは皮膚が薄く、着けたまま話したり口を動かしたりすると、その分こすれます。鼻や頬も、当たっている場所は同じです。
体では、ナイロンタオルやブラシで強く洗う習慣が黒ずみと結びつきます。鎖骨、肩甲骨、背骨の上。骨が出ているところに出やすいことが、日本から報告されています。
肌に当たるものは、やわらかい素材を選んでください。
3. 乾燥によるダメージ
肌が乾燥していると、あらゆるダメージを受けやすくなります。
肌が潤っているとバリアができている状態ですが、乾燥しているとこのバリアにすき間ができてしまいます。
このすき間に紫外線や摩擦などの刺激が大きなダメージを与えて、色素沈着の原因となってしまいます。
乾燥していると小じわも目立ちやすくなり、色素沈着によってさらに老けて見えやすくなってしまう可能性もあるでしょう。
また、肘や膝などの関節は皮脂の分泌が少なく乾燥しやすい箇所です。
スキンケアと同じように、毎日の保湿を怠らないことも大切です。
4. 生活習慣によるダメージ
睡眠不足やストレス、極端な食事の偏りが肌の調子に関わるとはよくいわれます。
ただし、生活習慣を変えることで色素沈着が薄くなるかどうかは、確かめられていません。
色を薄くすることを目的に、生活改善やサプリメントに頼らないでください。
5. メイクやスキンケアによるダメージ
毎日職場に出社する仕事をしている方なら、メイクは欠かせません。
とくに店頭に立つ仕事をされている方はしっかりとメイクすることを求められるでしょう。
肌をきれいに見せるため、肌をきれいにするためのメイクやスキンケアも色素沈着の大きな原因の一つです。
ファンデーションを塗る際に強く肌を擦ったり、アイシャドウブラシで目の周りを刺激したり、良くない成分が含まれた化粧品を使うなど、メイクには色素沈着の原因となる行動がたくさんあります。
また、メイクのあとのクレンジングにも注意が必要です。
メイクをしっかり落とすためにしつこく肌を擦りすぎると摩擦が生じます。
コットンでのクレンジングや、落としにくいクレンジングで長時間肌を擦り続けるクレンジングは色素沈着を予防するためにも控えましょう。
6. ターンオーバーの遅れ
ターンオーバーの遅れは、色素沈着を引き起こす大きな原因です。
肌の細胞は常に生成されています。
古くなった細胞は角質となって肌表面から剥がれていき、新しい細胞が肌表面を守ってくれます。
この一定の周期のことをターンオーバーと呼びます。
ターンオーバーは正常なサイクルでおこなわれていれば、メラニンが生成されてしまっても、古い角質となって剥がれていく仕組みです。
しかし、ターンオーバーが遅れているとなかなか排出されず、いつまでも肌に残って色素沈着になってしまいます。
ターンオーバーの周期は、生活習慣の乱れや加齢によって簡単に遅れてしまいます。
色素沈着を予防する4つの方法

できてしまってから薄くするより、増やさないほうが早い。日々のなかで変えられるところを挙げます。
1. 紫外線対策をする
紫外線は色素沈着を引き起こす大きな原因の一つです。
色素沈着を防ぐには、まず紫外線対策を徹底しましょう。
ちょっとした外出や洗濯物を干すだけでも日焼け止めを塗るのを忘れないようにしてください。
顔だけでなく首やデコルテ、手先などの紫外線対策も大切です。
顔の中でも頬や鼻などの高い位置は紫外線の影響を受けやすいです。
日焼け止めを塗る際も入念に重ねましょう。
少ない日焼け止めや日焼け止め効果の弱いものでは、紫外線対策として心もとないです。
高価な日焼け止めを少しずつ使うよりも、安価でたっぷり使える日焼け止めを使う、摩擦を少なくする、丁寧に塗り密着させることを心がけましょう。また、SPFや環境に応じて塗りなおしましょう。
2. 保湿を徹底する
乾燥は色素沈着だけでなくシミ、シワ、肌荒れなどあらゆる肌トラブルの原因となります。
色素沈着を予防したいのであれば、乾燥する季節はとくに保湿対策を徹底しましょう。
スキンケアの一環として、保湿クリームや保湿成分の高い美容液を取り入れるだけでなく、保湿効果の高いメイクアイテムを使うこともおすすめです。
エアコンなどで日中の肌は乾燥しやすくなっているので、日中の保湿対策も欠かせません。
保湿ミストや加湿器などを使って日中の乾燥を予防しましょう。
また、顔の保湿は徹底していても、体の保湿が足りていない方もいるでしょう。
お風呂上りなどはとくに乾燥しやすいので、すぐに保湿クリームを塗るようにしてください。
ハンドクリームなどで日中でも乾燥していると感じたら、さっと保湿する習慣をつけることが大切です。
また、デリケートゾーンは乾燥しやすい部分ですが、一般的な保湿クリームでは刺激が強すぎる可能性もあります。
炎症を起こすと余計黒ずみになりやすくなってしまうので、デリケートゾーン用の保湿アイテムを取り入れるとよいでしょう。
3. ムダ毛の自己処理を控える
ムダ毛の処理をカミソリでおこなっている方は、その頻度を下げることも大切です。
カミソリによる刺激は肌にとって非常にダメージが強いです。
肌や毛穴が傷つき、それを守るためにメラニン色素が多く排出されるようになってしまいます。
また、カミソリでムダ毛を処理したあとの肌は乾燥しやすく、保湿ケアをしないことで余計に色素沈着がひどくなってしまうのです。
脇などが色素沈着しやすいのは、ムダ毛処理が原因であることも考えられます。
ムダ毛の処理を頻繁にしている方は頻度を控えたり、別の方法でムダ毛を処理しましょう。
4. ビタミンCを含む外用を使う
ビタミンCは、メラニンの生成に関わる成分として、化粧品や外用薬に使われています。
そのままでは肌に入りにくいため、誘導体としてスキンケアに配合されることが多いです。
ただし、食品やサプリメントから摂って色素沈着が薄くなるかどうかは、確かめられていません。
色を薄くする目的でサプリメントに頼らないでください。
自分でできるケアと、その限界
日焼け止めや衣類で紫外線を避けること。洗顔やクレンジングで強くこすらないこと。この2つが、いちばん確かなところです。
乾燥や刺激があるときは、肌に合う保湿剤を使ってください。
色を早く落とそうとして、スクラブやピーリングを繰り返すのは避けましょう。刺激で炎症が起きると、かえって色が残る原因になります。使っている製品で赤みやかゆみが出た場合は使用をやめ、症状が続くときは受診してください。
色素沈着のケアに効果が期待できる成分
色素沈着のケアに効果が期待できる成分を紹介します。
スキンケアアイテムを選ぶ際や、美容皮膚科で治療を受ける際に成分を選ぶ参考にしてみてください。
それぞれがどう色素沈着へアプローチするのかをみてみましょう。
ビタミンC誘導体
ビタミンC誘導体は、メラニン色素の生成を抑える働きが知られています。
すでにある色にどこまで効くかは、製品や使い方によって変わります。
ビタミンC誘導体は皮脂の生成を抑えるのでニキビや炎症に悩んでいる方にもおすすめです。
乾燥に悩んでいる方には保湿力が物足りないものも多いです。
ビタミンC誘導体を含むスキンケアアイテムを使う場合は、その他に保湿力の高いアイテムも一緒に使うようにしましょう。
ハイドロキノン
ハイドロキノンは、メラニンをつくる酵素の働きを抑える成分です。炎症後色素沈着の外用治療を集めた総説でも、ハイドロキノンを含む外用薬が取り上げられています。
市販の化粧品にも、医師が処方するものにもあります。刺激を感じることがあるので、使う部位、濃度、期間は医師か薬剤師に確かめてから決めてください。
保湿成分も一緒に
スキンケアアイテムを選ぶ際は上記のような成分も大切ですが、保湿成分にも注目しましょう。
保湿効果の高いスキンケアアイテムを使うことで乾燥を防ぐだけでなく、色素沈着に効果的な成分を肌に閉じ込められます。
セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン、ワセリン、スクワランなどがとくに保湿効果が高いです。
美白用のスキンケアを使うと乾燥が気になる方はこれらの成分が配合された保湿アイテムも同時に使用しましょう。
日頃から水分をよくとる、サプリメントから成分を摂取するなどして内側から保湿ケアをすることも大切です。
顔の色素沈着が気になるとき
顔は、日焼けとメイクの摩擦が重なる場所です。くすみ、目の下の黒ずみ、毛穴の周りの色、ニキビのあと。どれも色素沈着として出てきます。
日焼けを避けてこすらないようにすることは、これ以上増やさないためだけでなく、薄くなる経過そのものを助けます。すでに残っている色を薄くしたいのであれば、共立美容外科では次の方法があります。
顔全体の色の変化が気になるとき
顔の色の変化は、炎症後色素沈着、肝斑、日光によるシミなどで対処が異なります。まず原因を確認し、治療を選びます。IPL(光治療)やレーザーが適さない場合や、照射後に色素沈着が起きる場合もあります。しみ・色素沈着の診療内容に、種類ごとの方法と料金をまとめています。
目の下の黒ずみ
目の下の黒ずみは、色素だけが原因とは限りません。皮膚の下の影や血管の色が混ざっていることがあり、それぞれで対処が変わります。
目の下のクマ取り治療では、何が原因になっているかを見たうえで方法を決めます。費用は料金表で確認できます。
色素沈着とどう付き合うか
色を早く落とそうとして強くこすらず、紫外線と刺激を避けてください。それが、薄くなる経過をいちばん助けます。
色が濃くなる、範囲が広がる、何か月も変わらない。そういうときは皮膚科で相談してください。

色素沈着についてよくある質問
色素沈着とは何ですか?
肌が刺激を受けたあと、メラニンが残って一部が黒ずんだ状態です。日焼け、こすれ、ニキビや傷のあとの炎症などが引き金になります。
色素沈着は消えますか?
メラニンが表皮にとどまっているものは、肌が入れ替わるにつれて薄くなります。真皮まで落ちたものは、そのまま残りやすい。どちらなのかは見ただけでは分からないので、何か月も変わらない場合は診てもらってください。
色素沈着しやすい人はいますか?
もともと肌の色が濃い人ほど、炎症のあとに色素沈着が起きやすいことが知られています。日本人を含むアジア系の肌は、その起きやすい側に入ります。
色素沈着を防ぐ方法はありますか?
日焼け止めを使うこと、こすらないこと、炎症を長引かせないこと。この3つです。炎症後色素沈着の治療をまとめた総説でも、紫外線を避けることが前提として置かれています。
こすることでも色素沈着になりますか?
なります。ナイロンタオルやブラシで体をこする習慣と結びついた色素沈着が、日本から報告されています。鎖骨や肩甲骨、背骨の上など、骨が出ているところに出やすい。
顔に残った色素沈着を薄くするには?
まず、炎症後色素沈着なのか、別の原因の色の変化なのかを確認します。治療は診断に合わせて選び、IPLやレーザーが適さない場合もあります。照射後に色素沈着が起きることもあるので、医師に確かめてください。
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