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ザガーロ(デュタステリド)使用時の注意点。前立腺への影響は?

公開日:2022年09月12日(月)

薄毛治療
前立腺について説明している医師
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AGA 治療薬として注目を集めるザガーロ(デュタステリド)には、前立腺への影響があることが知られています。

ザガーロを使用することで、前立腺に対してどのような影響を及ぼすのでしょうか?

そこで今回は、ザガーロの作用機序を紹介しながら、前立腺への影響やその対策について詳しく解説していきます。

 

ザガーロ(デュタステリド)とは?

ザガーロについて解説している医師

ザガーロ(正式名称:ザガーロカプセル0.1mg/ザガーロカプセル0.5mg)は、デュタステリドという物質を主成分とする、新しいAGA(男性型脱毛症)治療薬です。

ザガーロは、「男性における男性型脱毛症」という効能効果が承認されており、「1日1回経口投与」することで有効性が期待できる薬剤です。

 

ザガーロの作用機序

ザガーロは、男性ホルモンのひとつであるジヒドロテストステロンの活性を阻害するという働きを持っており、 AGA による薄毛の原因となる男性ホルモンを抑制することができます。

より厳密には、ジヒドロテストステロンそのものをブロックするわけではなく、ジヒドロテストステロンを作り出す酵素である、「ヒト1型及び2型5α還元酵素(5αリダクターゼ)」を 阻害することで、ジヒドロテストステロンの働きを抑制するというメカニズムです。

いずれにせよ、 AGA の根本的な原因である男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)を阻害することができるため、ヘアサイクルが正常化し、薄毛の進行を抑制することが可能になります。

 

ザガーロ効果発現までの時間

ザガーロの薬理作用としては、男性ホルモンの活性化を阻害することで、ヘアサイクルを正常化して、最終的に薄毛の進行を止めるというものです。

そのため、ザガーロの内服を開始したとしても、すぐに効果を発揮できるわけではなく、時間をかけて徐々にヘアサイクルが正常化していくようなイメージです。

ザガーロの添付文書には、「投与開始後12週間で改善が認められる場合もあるが、治療効果を評価するためには、通常6ヵ月間の治療が必要である。」との記載もあり、ザガーロの効果を期待するためには、少なくとも3ヶ月〜半年は治療継続する必要があります。

 

自己判断でザガーロの内服を止めてもいい?

ザガーロ治療を失敗する方の多くは、「ザガーロを飲んでも意味がない」と、自己判断で内服を中止してしまうというケースがあります。

先にも述べたように、ザガーロの効果発現までは時間がかかるため、 AGA の治療を開始したとしても、なかなか思うような効果が得られないことは多々あります。

特に、AGA の治療を希望される方の中には、「すぐにでも健康的な髪を手に入れたい」と考えている方も多く、ザガーロの効果発現を待てずに、自己判断で治療をやめてしまう方もいらっしゃいます。

しかし、ザガーロの効果は数多くの研究でしっかりと確認されており、 AGA 治療薬としての認可も取得している薬剤ですので、ザガーロの内服を開始するという方は、現代医学を信じて、少なくとも半年はザガーロの治療を継続していただくことが重要になります。

 

ザガーロと前立腺の関係

AGAの治療薬として処方されているザガーロには、前立腺への効果も確認されています。

そもそも、ザガーロの成分である「デュタステリド」は、前立腺肥大症の治療薬として用いられている「アボルブカプセル」という医薬品に配合されている成分と同一です。

実際に医療機関では、10年以上前からアボルブカプセルとしてデュタステリドが使用されています。

アボルブカプセルは、前立腺肥大症の治療薬として第一線で活躍を続けている薬剤であり、1日1回の投与で、前立腺縮小効果が確認されている医薬品です。

つまり、そんなアボルブカプセルと同様の成分を使用しているザガーロは、アボルブカプセルと同じように、前立腺を縮小させるような効果が期待できるということになります。

しかし、ザガーロは AGA治療薬であり前立腺肥大症の治療薬ではありませんので、前立腺への効果というのは、「副作用」として考えられてしまうことがあります。

 

ザガーロ使用時の注意点

ザガーロはアボルブカプセルと同じデュタステリドを主成分とする医薬品です。

前立腺への効果を発揮するため、前立腺がんの腫瘍マーカーである「PSA」という数値に影響を及ぼす可能性があります。

健康診断や人間ドックなどで血液検査を行った際に、がんの検査である腫瘍マーカー検査が行われることがあります。

腫瘍マーカーというのは、特定のがんをみつけることができる検査の一つであり、「腫瘍マーカーが高くなると癌の可能性が高くなる」というようなものです。

ザガーロ内服することで、前立腺癌の腫瘍マーカーである PSA の数値が低下する可能性があります。

腫瘍マーカーの値が低下するということは、癌の可能性が低くなるということですので、基本的には嬉しい反応と考えることができます。

しかし、ザガーロを飲んで PSA を無理やり低下させてしまうことで、「本当は癌があったのにザガーロを飲んでいたせいで PSAが低くなってしまっていた」というケースが起こり得るということになります。

ザガーロの内服によって前立腺に悪影響を及ぼすわけではありませんので、ご注意下さい。

ザガーロが前立腺に悪影響を及ぼすのではなく、ザガーロの内服中に前立腺の検査を行なったとしても、検査結果が信頼できないものになってしまう可能性があるということです。

 

ザガーロ服用時のPSA検査について

以上のように、ザガーロ服用時の検査結果には注意が必要となります。

実際に、ザガーロを使用している方の PSA を測定する際には、 「PSA の測定値を2倍した値を目安にする」 ことが推奨されており、検査結果の意味する値が大きく変化することになります。

このように、 AGA 治療薬の中には、男性ホルモンに影響を与えることで、健康診断や病気の検査結果に大きな影響を与えてしまうものも存在します。

AGA治療実施中の方が、医療機関に受診される際や健康診断のタイミングには、必ず AGA 治療を行っている旨を伝えるようにしましょう。

 

参考:前立腺について

前立腺とは、男性にのみ存在する臓器であり、生殖器のひとつとして考えられています。

前立腺は、前立腺液とよばれる精液の一部を作ることで、前立腺液によって精子を保護したり、精子を作り出す器官である精巣に栄養を与えるような役割を担っています。

前立腺は膀胱や直腸付近にある臓器であり、前立腺が大きくなると、尿道が圧迫されてしまって尿が出にくくなったり、細菌がたまりやすくなることで全身性の感染症を引き起こす可能性もあります。

前立腺は生殖器であることから、男性ホルモンなどの性ホルモンの影響を受けやすく、男性ホルモンにアプローチを行うようなAGA治療薬によって、様々な影響を受けてしまう可能性があります。

 

 

ザガーロとアボルブの違い

薄毛を気にしている男性

AGA 治療薬のザガーロと、前立腺肥大症治療薬のアボルブは全く同じ薬です。

成分としてデュタステリドを配合しており、「1型および2型の5αリダクターゼ」を阻害することで、ジヒドロテストステロン(男性ホルモン)の活性化を抑制するという薬理作用を持っています。

ザガーロだけが薄毛に対して効果を持ち、アボルブだけが前立腺に対して効果を発揮するわけではなく、ザガーロを飲んでもアボルブを飲んでも、どちらの場合でも、全身に対してデュタステリドの作用が発揮されます。

 

ザガーロの用法用量

「男性成人には、通常、デュタステリドとして0.1mgを1日1回経口投与する。なお、必要に応じて0.5mgを1日1回経口投与する。」(添付文書)

ザガーロの用法用量としては、0.1mgから開始し、必要に応じて0.5mgまで増量するというものです。

一方、アボルブは、「通常、成人にはデュタステリドとして1回0.5mgを1日1回経口投与する。」と規定されています。

そのため、アボルブを0.5mg 使用しているという方は、ザガーロを0.5mg 使用しているのと同じ効果が期待できるということになります。

 

ザガーロとアボルブの値段の違い

注意すべきポイントとして、 ザガーロとアボルブは全く同じ薬剤であるにも関わらず、値段の設定が異なります。

ザガーロは保険適用が認められていないため、市場価格などを元に、各クリニックがサービスなどと合わせて価格を設定しているという現状があります。

一方、アボルブは保険適応が認められている薬剤であり、前立腺肥大症の方にアボルブを使用した際には、「1錠116円(2022年4月薬価)」で処方を受けることができます。

そのため、ザガーロとアボルブを同じ用量使用していたとしても、医療費や自己負担額(支払額)には大きな違いが生じるということになります。

AGA 治療としてデュタステリド0.5mg使用している人と、前立腺肥大症の治療としてデュタステリド0.5mgを使用している人とでは、治療に必要な費用が全く異なるということです。

しかし、保険適用というものは、特定の疾患に対して特定の薬剤を使用した際にしか認められない仕組みであるため、前立腺肥大症の診断を受けていない人が、 AGA 治療薬のためにデュタステリドを保険を使って使用することはできません。

アボルブであれば安くAGA 治療を行うことができるという情報を目にすることもありますが、 AGA 治療をおこなう際には、ルールを守ってザガーロを使用していく必要がありますのでご注意ください。

 

ザガーロの前立腺への影響を理解しておきましょう

ザガーロの前立腺への影響を説明している医師

ザガーロは AGAの新たな治療選択肢のひとつです。

その効果もさることながら、アボルブとして10年以上使用され続けている実績もあり、安心安全に使用することができる AGA 治療薬です。

前立腺への影響があることから、検診などを行う際には必ずザガーロを服用している旨をお伝えいただく必要があります。

共立美容外科では、様々な AGA 治療をご用意しておりますので、薄毛や抜け毛にお悩みの方は、まずはお気軽に共立美容外科までご相談ください。

 

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このページの監修・執筆医師

  • 浪川 浩明(なみかわ ひろあき)

    浪川 浩明(なみかわ ひろあき)

    日本美容外科学会認定専門医

    • 略歴

      • 1991年
        帝京大学医学部医学科 卒業
        1991年
        東京厚生年金病院 形成外科入局
        2006年
        共立美容外科・歯科 入局
        2009年
        共立美容外科・歯科 新宿本院院長就任
        2009年
        共立美容グループ 副院長就任
        2020年
        共立美容グループ 総括院長就任
    • 主な加盟団体

      日本美容外科学会会員
      日本美容外科学会認定専門医
      日本形成外科学会会員
      日本顎顔面外科学会会員
      日本手の外科学会会員
      日本マイクロサージャリー学会会員
      日本職業・災害医学会会員

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