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男性ホルモンの影響によって出現する薄毛や脱毛をAGA（男性型脱毛症）と呼びます。

AGA による薄毛を治療するためには、男性ホルモンの活性化を抑制する必要があり、そのためには、今回ご紹介するザガーロ（デュタステリド）とよばれる治療薬を使用するのがポイントです。

そこで本コラムでは、ザガーロの効果や副作用、薬理作用や作用メカニズムを、臨床試験や研究データを用いて詳しく解説します。

AGA（男性型脱毛症）について

ザガーロの効能効果や副作用を理解するためには、 男性型脱毛症（AGA：Androgenetic Alopecia）について理解を深めておく必要があります。

 AGA というのは、男性ホルモンの影響によってヘアサイクルの乱れが生じ、薄毛や抜け毛の原因となる脱毛症です。 

 そのため、AGA の原因は男性ホルモンであり、 AGA による薄毛の進行を止めるためには、男性ホルモンに対するアプローチが必須となります。

AGAの特徴 

AGA では、特に前頭部（おでこなどの生え際）や頭頂部（頭のてっぺん）などの薄毛が進行しやすいです。

「髪の毛全体全体のボリュームが徐々になくなってくる」というタイプの薄毛よりも、「生え際が薄くなってきた」、「頭頂部のボリュームがなくなった」というケースが多いのが、 AGAの特徴です。

「気がついたらおでこが広くなった」、「最近抜け毛が多い」、「シャンプーをすると手に抜け毛が絡みつく」などが AGA の代表的な初期症状です。 

AGAと他の脱毛症の違い

AGA は男性ホルモンの影響によって薄毛が進行する脱毛症です。

脱毛症には、皮膚疾患や精神的なストレスの影響などが原因で発症する脱毛症も存在するため、薄毛の治療を行う際には、薄毛の原因をしっかりと把握しておくことが重要となります。

AGAは女性にも起こります

実は女性にも男性ホルモンは存在しており、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスによって心身の機能がされています。

年齢やストレス、生活習慣や基礎疾患などの影響によって、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが乱れることで、女性にも AGA が発症する可能性はあります。

男性型脱毛症という名前ではありますが、 女性も発症する可能性があるということを知っておきましょう。

女性のAGAの場合、男性の AGA と区別するために、 女性男性型脱毛症（FAGA：Femwomanale Androgenetic Alopecia）と呼ばれることもあります。

ザガーロ（デュタステリド）の特徴

ザガーロ（一般名デュタステリド）は、AGA の根本的な原因となる男性ホルモンの活性化を抑制することで、薄毛の進行を予防する効果が期待できる AGA 治療薬です。

AGA の発症には、男性ホルモンが大きく関与していることを紹介しましたが、より具体的には、「ジヒドロテストステロン」とよばれる男性ホルモンが影響していることが分かっています。

何らかのアプローチで、ジヒドロテストステロンの活性化を抑制することができれば、薄毛の進行を予防し、 AGA の治療ができるということになります。

ザガーロの薬理作用

ザガーロは、ジヒドロテストステロンの合成に関与する、5α-還元酵素（5α-リダクターゼ）の1型と2型を阻害することで、間接的にジヒドロテストステロンの活性化を抑制するという働きをする薬剤です。

直接ジヒドロテストステロンを阻害するわけではありませんが、間接的にジヒドロテストステロンの合成を阻害することで、 AGA に伴う薄毛の進行を予防する効果が期待できます。

代表的な AGA 治療薬のひとつであるプロペシア（フィナステリド）は、「2型の5α-還元酵素」のみを阻害する作用を有しています。

ザガーロは5α-還元酵素の1型も2型も阻害することができるという点が、プロペシアの薬理作用と異なっています。

ザガーロのほうが強いわけではない？

ザガーロとプロペシアの薬理作用を比較してみると、ザガーロの方がよりブロックすることができる酵素が多いため、 AGA に対する治療効果も高いような気がします。

とはいえ、ジヒドロテストステロンの合成に関与している酵素のほとんどは「2型の5α-還元酵素」 であり、プロペシアでも十分な効果を発揮することができると考えられます。

ザガーロとプロペシアを直接比較した研究では、非劣勢（ザガーロはプロペシアに負けていない）という結果が出ており、これだけではどちらが強力かということを判断することはできません。

「ブロックできる酵素が多い分、ザガーロの方が効果が強い」と言われることもありますが、各医薬品の強さに関して明確な答えが出ているわけではないということを理解しておく必要があります。

もちろん、プロペシアで上手くいかなかった方が、ザガーロに切り替えて改善する可能性はありますが、その逆の可能性もありますので、治療効果を出していくためには、一人ひとりにあった治療薬を選んでいくことが重要になります。 

ザガーロの効果

ザガーロに認められている効果は「男性における男性型脱毛症」です。

そのため、女性の AGA にザガーロを使用することはできません。

ザガーロは「1日1回の経口投与（内服）」で治療効果を期待することができるという、服用方法の簡便さがメリットとして挙げられます。 

しかし、ザガーロの効果発現には少なくとも12週間（3ヶ月）が必要であり、ザガーロが効いているかどうかを判断するためには、最低でも6ヶ月の治療を継続する必要があります。

すぐに育毛効果が期待できるような医薬品ではありませんので、ザガーロ以外の AGA 治療や育毛施術などを組み合わせながら、長期的に治療を行っていく必要があります。

ザガーロ使用時の注意

ザガーロ服用中の方が健康診断などの血液検査を受けられる際には、必ずザガーロ服用中の旨を申し出るようにしてください。

ザガーロは、前立腺癌の腫瘍マーカーである、PSAとよばれる検査数値に影響を及ぼすことが知られています。

ザガーロの効果によって、PSAの数値が低下するため、前立腺がんが存在したとしても、見かけ上のPSAが実際より低くなってしまう可能性があります。

せっかく健康診断や人間ドックを受けたとしても、検査結果を正しく測定することができなくなってしまうため、ザガーロだけではなく、AGA 治療を受けられている方は、必ず主治医に報告するようにしてください。

ザガーロの臨床試験（研究）を解説

ザガーロの効果を確認するために、世界で臨床試験（研究）が行われています。

世界917人（日本人：200人）を対象とした研究が実施され、ザガーロの有効性が検証されています。

この試験を行なったところ、 ザガーロ0.1mgを内服した人も、ザガーロ0.5mgを内服した人も、どちらも毛髪数がしっかりと増加したという結果が出ています。

ザガーロは、この他にも様々な研究が世界中で行われており、有効性や安全性が検証されていますので、安心して治療を受けていただくことができます。 

ザガーロの副作用と安全性

ザガーロは副作用が少なく、安全に使用していただくことができる AGA 治療薬です。

しかし、副作用が全くないわけではありません。

比較的出現しやすい副作用として、 性機能不全（リビドー減退）があげられます。

勃起不全や射精障害、性欲減退などといった性機能障害が生じる可能性があり、ライフスタイルやQOL（生活の質）などに影響を与えてしまう場合があります。

また、ザガーロは主に肝臓で代謝されて排泄されるため、肝臓の機能に影響を及ぼしてしまう可能性もあります。

【禁忌】ザガーロを使用してはいけない人

女性や小さいお子様はザガーロに触れてはいけません。

ザガーロはカプセルのような形状をしており、中に液体状の薬剤が充填されています。 

女性や小さなお子様が、万が一カプセルの中身に触れてしまった場合には、ただちに石けんと水でしっかりと洗い流すようにしてください。

ザガーロは男性ホルモンに影響を与えるため、女性や小さなお子様にとっては危険な薬剤となってしまう可能性があります。

家庭内でザガーロを管理する際には、子供の手の届かない場所に保存するなど、特に女性と小さなお子様が薬剤に直接触れないように注意する必要があります 

AGA治療は必ずクリニックで行いましょう

AGA 治療薬であるザガーロの効果や副作用、作用メカニズムなどをご紹介しました。

ザガーロの流通経路として、インターネットなどが使用されることがありますが、今回ご紹介したように、ザガーロには注意すべきポイントがいくつもあり、間違った内服方法では治療効果を最大限に発揮することはできません。

また、間違った使用方法をしてしまうことで、自分自身だけではなく、家族やお子様にも影響が及んでしまう可能性があります。

ザガーロに限らず、AGAを治療する際には、必ず専門家の指導のもとで治療を行なって下さい。

共立美容外科では様々な AGA 治療をご用意しております。

お一人おひとりの状態やお悩みに応じた治療や施術が可能ですので、薄毛や抜け毛にお悩みの方は、お早めに共立美容外科までご相談ください。 

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