妊娠線を消すための炭酸ガス治療を医師が解説
最終更新日: 2022年10月08日 (土)
妊娠線は妊娠中の脂肪の増加や胎児の成長にともない、皮膚が引っ張られ断裂することで形成されるケースが多いです。
妊娠線の程度には個人差があります。
特に妊娠前の体型が痩せ型であった方や高齢出産の方、双子など多胎妊娠の方は腹部の皮膚が本来の伸縮性を超えて大きく引っ張られるため、より妊娠線が形成されやすい傾向にあるのです。
また妊娠中に腹部の中央にできる正中線(せいちゅうせん)が妊娠線と混同されることがありますが、正中線は妊娠線とは異なり性別や年齢を問わず存在する線です。
この正中線は妊娠中に目立つようになることが多いですが、出産後皮膚の新陳代謝などにともない徐々に目立たなくなっていく場合がほとんどです。
そんな中、妊娠線は出産を終えた後も長らく残ってしまいます。
妊娠線ができることで健康面に影響することはありませんが、長年残ることが多いため「水着が着られない」「温泉に行きづらい」といった生活面の影響が生じる傾向にあります。
そうした影響からご本人にとっては心理的な負担が生じることも少なくありません。
一方で皮膚科などの医療機関では妊娠線を改善するためのケアが実施されている場合があり、治療方法についても複数の手段があるのです。
そこで今回は炭酸ガスを用いた妊娠線治療について、治療の流れや施術を受けるにあたって注意すべき点などについて解説します。
妊娠線は皮膚科で治る?
経産婦の中には「妊娠線は子どもを産んだ証」ととらえ妊娠線を消すことを諦める方もいます。
そんな中、皮膚科を受診すると妊娠線を改善するための治療が受けられる場合があるのです。
医学の分野では妊娠線は「線状皮膚萎縮症」と呼ばれる皮膚の異常とみなされていることから、医療機関によっては妊娠線が治療の対象としてとらえられケアが実施されることがあります。
また実際、治療を終えた後は肉眼で見えにくくなる程妊娠線が薄くなったり、治療後の経過が良ければ妊娠線が消える可能性もあります。
そして皮膚科治療にはメスが使われるケースもある中、妊娠線治療ではメスを使わず改善に導く施術が複数存在するのです。
そのため患者さんが身体的な負担をあまり感じることなく妊娠線を改善させることが可能です。
炭酸ガス治療で妊娠線が治る?
妊娠線の治療を実施している医療機関では炭酸ガス治療によって妊娠線の改善を図ることがあり、実際この治療法により妊娠線が目立たなくなる効果が見込めます。
炭酸ガス治療は妊娠線のある部分に炭酸ガスを注入する治療法です。
この治療法はフランスで1930年に開発され、その後世界各地に広まりました。
さてこの治療法に用いられる炭酸ガスには、血流を改善させたり皮膚組織のコラーゲンが生成されるのを促したりする働きがあります。
その作用によって、断裂した皮膚の再生が促進され妊娠線が改善することが期待できます。
また血のめぐりを良くするという炭酸ガスの働きは、育毛効果や肌を引き締める効果を導く可能性があります。
そのため炭酸ガス治療は薄毛の治療や医療痩身、加えてシワやたるみなどを改善させるエイジングケアにも取り入れられることがあるのです。
ちなみに医療機関によっては炭酸ガス治療を「炭酸メソ」「カーボメッド」といった名称で呼んでいる所もあります。
ただ、炭酸ガス治療より、共立美容外科ではダーマペンでの治療をお勧めしています。
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時間が経った妊娠線も炭酸ガス治療で消える?
炭酸ガス治療では、発生から長い年月が経過した妊娠線も目立たなくなる場合があります。
そして妊娠線に悩む女性の中には10年前、20年前の妊娠線を消すために医療機関を受診し炭酸ガス治療を受ける人もいます。
炭酸ガス治療の流れ
医療機関では通常、診察で患者さんの妊娠線の状態を確認し治療のプランを決めた上で炭酸ガス治療を実施します。
そして炭酸ガスを注入する際は非常に細い注射針が使われることが多いので、治療中に耐えきれない程の痛みを感じる可能性は低いです。
しかし患者さんが施術中の痛みに対して不安を抱くケースもあるため、必要に応じて麻酔クリームや麻酔テープといった表面麻酔を施してから炭酸ガスを注入する医療機関もあります。
ちなみに炭酸ガス治療は入院の必要がない治療なので、施術が終了したらすぐに帰宅できるケースが多いです。
炭酸ガス治療を行う回数
妊娠線を改善するための炭酸ガス治療は5~6回程行われる傾向にあり、治療のために通院が必要になることがあります。
しかし治療回数については患者さん1人1人の妊娠線の状態や施術範囲の広さによって異なってくるため、もし治療回数が気になるのであれば担当医師に尋ねることをおすすめします。
ちなみに何らかの事情で治療を途中でやめざるを得なくなった場合「炭酸ガス治療で改善した妊娠線が元に戻ってしまうのではないか」と心配する人もいますが、治療を中断しても妊娠線が再発する可能性は低いです。
炭酸ガス治療を受ける時の注意点
炭酸ガス治療は薬剤を注入する治療と比べると副作用が起こりにくい傾向にあります。
そして注入された炭酸ガスも体内に残留せず、治療後しばらくすると体内から抜けていく傾向にあります。
一方で治療後は施術箇所の内出血や腫れが生じることがあり、また人によってはまれに注射針の痕が色素沈着を起こす可能性があるのです。
こうした皮膚の異常は時間の経過にともなって改善するケースもありますが、肌の状態に不安を感じたら早めに担当医師に相談しましょう。
また炭酸ガス治療を終えた後はすぐに帰宅し普段どおりの生活が送れますが、施術箇所を強くこすったり掻いたりすると肌トラブルにつながる恐れがあります。
そのため日常生活では施術箇所に刺激を与えるような行動は避けましょう。
炭酸ガス治療以外の皮膚科治療
皮膚科における妊娠線治療はクリニックによってさまざまです。
炭酸ガス治療以外にケミカルピーリングやレーザー治療、ダーマペンといった治療法で妊娠線の改善を図る場合があります。
いずれの治療法においてもメスを使わず施術が行われるため「切開や縫合の跡が残る」といった心配をする必要ありません。
またレーザー治療やダーマペンでの治療を受けた後は施術箇所に多少の赤みや痛みが残る場合がありますが、ほとんどの場合は日数が経過にともない徐々に消失していきます。
エステで妊娠線は治らない?
一部のエステサロンでは「妊娠線が消える」といったアピールがなされたマッサージメニューやスキンケアメニューがあります。
しかしエステサロンの施術だけで妊娠線が完全に消えることはあまり見込めません。
加えてエステサロンでは「痩せることで妊娠線が改善する」と述べ、シェイプアップのためのマッサージや生活指導を含む痩身メニューをすすめられる場合もあります。
妊娠線は妊娠中の体型変化でできやすくなる点から「体型を戻せば妊娠線も消える」と考える人もいますが、エステサロンのメニューで痩せることはあっても妊娠線まで治ることはありません。
また都心部を中心に、エステティシャンの手を借りずに自分で施設内のエステ機器を使うセルフエステの店舗が展開されています。
そうしたセルフサービス型のサロンでも「妊娠線に効果がある」などのうたい文句でさまざまなエステ機器をお客さんに推奨しているケースがありますが、セルフエステの機器にも確実に妊娠線を消すような効果は見込めません。
妊娠線が予防できる?自宅でできるセルフケアとは
妊娠線を改善させる目的で、ご自宅でセルフマッサージなどを行う人もいます。
セルフケアにより妊娠線が多少目立ちにくくなる可能性は見込めますが、完全に皮膚の断裂がふさがるという効果は期待できません。
一方で妊娠中の方が妊娠線を予防するという点や、皮膚科で妊娠線を除去した方がその後肥満などの体型変化による肉割れを防ぐという点ではご自宅でのケアは有効です。
特に妊娠中の場合、胎児の成長が進みやすい妊娠6ヶ月から8ヶ月の間に妊娠線が発生しやすい傾向にあります。
そのため妊娠5ヶ月を迎えたころからセルフケアを習慣的に行うと妊娠線が形成されにくくなる効果が期待できます。
それでは具体的なセルフケア方法をご紹介します。
保湿
乾燥状態に陥っている肌は伸縮性が低下して硬くなり、断裂しやすい傾向にあります。
そのため妊娠線の発生リスクを下げるには、腹部を化粧水やローション、オイルなどでこまめに保湿することが望ましいです。
なお保湿に有効なオイルやクリームの中には、香り付けのためにアロマセラピーで用いられる精油が配合されている商品もあります。
精油にはリラックス効果の望めるものや皮膚の柔軟性を保つ効果の期待できるものがある一方で、早産のリスクを高めるなどして胎児に悪影響をおよぼす恐れがある精油もあります。
そのため妊娠線予防のためにオイルやクリームを用いる場合は精油の含まれてない商品を選ぶと安心です。
ちなみに一般的な保湿クリームのほか妊娠線を予防するためのクリームも市販されているので、商品選びに不安がある方はそうした商品を探してみましょう。
マッサージ
セルフマッサージは皮膚の柔軟性を向上させるという点で妊娠線の発生・悪化を予防する効果が見込めます。
妊娠線は皮膚が硬くなっている時に発生しやすい傾向にあるため、マッサージによって皮膚を軟らかい状態にしておきましょう。
またマッサージには血のめぐりを良くするというメリットもあるのですが、血行改善させることも妊娠線の予防につながる可能性があります。
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血行が良くなると皮膚の新陳代謝や修復機能が活性化するので、皮膚が断裂し妊娠線ができるのを防ぐ効果が期待できます。
なお、マッサージをする際は力を入れ過ぎないよう注意しましょう。
強い力でマッサージすると腹部の皮膚が引っ張られ、かえって妊娠線が形成されるリスクが高くなってしまいます。
特に妊娠中の女性が力を込めてマッサージすると胎児への負担にもつながりかねないため、マッサージは弱めの力で行いましょう。
加えてマッサージを行う時にオイルやクリームを使用すると手のすべりが良くなり、摩擦も軽減され腹部の皮膚が引っ張られることも少なくなります。
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