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公開日:2022年03月06日(日)
最終更新日:2023年12月07日(木)
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目次
「セラミック矯正(セラミック治療)」とは歯に矯正装置を着けずに、歯にセラミックの被せもの(セラミッククラウン)を装着して歯並びを改善する治療方法です。
ワイヤーとマルチブラケットを装着する一般的な矯正方法は約1年から3年の期間がかかりますが、セラミック矯正の場合は2ヶ月から3ヶ月間くらいの短期間で完了します。
治療期間の短さから「クイック矯正」、「スピード矯正」と呼ばれることもあります。
セラミック矯正では実際に歯を動かすことはしないため、治療中に痛みが出ない、見た目が気にならないという点がメリットです。
セラミックは表面にツヤがあり、自然な白さと清潔感を出せることから、仕上がりがきれいになるのが人気の理由です。きれいな歯並びと白い歯が同時に手に入ります。
セラミック矯正にかかる費用は、一般的に他の矯正方法と比べると少ないことが多いです。しかし、保険適用外の自由診療になるため、実際の金額は歯科医院が使うクラウンの種類によっても変わります。
セラミック矯正は美しい仕上がりが人気ですが、特に機能面において後悔したというケースが見られます。よくある失敗事例を紹介します。
セラミック矯正では、セラミッククラウンを被せるために自分の歯を削る必要があります。
歯を削る範囲が広すぎたり、誤って削り過ぎた場合は、歯髄に強い刺激を与えて歯髄炎を引き起こすリスクがあるため注意が必要です。
歯髄炎が悪化すると歯の神経を抜く抜髄と根管治療が必要になりますが、一度失った神経を元に戻すことはできません。
セラミック矯正でセラミッククラウンを被せる時には、必ずかみ合わせが正常かどうか確認する必要があります。
かみ合わせに問題がある場合は、歯列全体にトラブルが起こるかもしれません。
例えば、セラミック矯正後にかみ合わせが悪くなり、顎関節症の発症、開口障害、頭痛、肩こりを引き起こすことがあります。
また、かみ合わせが悪い状態が進行すると、歯ぐきが炎症し、歯周組織に損傷を引き起こして歯ぐきが腫れたり咬合性外傷になる可能性があります。
重度になると、歯を支える組織である歯根膜線維や歯槽骨まで損傷するリスクがあるため、歯科医院での早めの処置が必要です。
そのようなリスクを防ぐためにも、セラミック矯正は仮歯期間にかみ合わせの状態をよく確認しながら治療を進めて行くことが重要です。
セラミックは耐久性があり、丈夫で硬い素材ですが、強く噛んだり就寝中の歯ぎしりなどの強い衝撃によって、セラミック歯が割れてしまうケースがあります。
一度割れてしまったセラミック歯は修理が難しく、元の状態に戻すことはできないため、再度治療を受けてセラミッククラウンを作り直さなければなりません。
セラミック歯が割れてしまい、また費用を負担することになって後悔するパターンがあるので気をつけましょう。
歯ぎしりの癖がある場合は、寝る前にマウスピースを装着するか、ボトックス(ボツリヌストキシン)注入治療による筋力の働きを弱める治療をすると効果的です。
セラミッククラウンは土台となる天然の歯に被せて整えます。そのため、口腔内の環境が悪くなると虫歯になりやすいので注意が必要です。
虫歯ができるとセラミッククラウンと自分の歯の適合性が悪くなります。
虫歯治療をするために一度セラミッククラウンを外し、虫歯の治療後再度セラミッククラウンを作り直さなければならないためコストもかかります。
セラミック矯正後も虫歯にならないように、しっかりとケアをして口内環境を良くするようにしましょう。
セラミック矯正はメリットだけでなくデメリットもあります。しっかりとリスクを理解した上で検討しましょう。
セラミック矯正は歯並びを良くする矯正治療として知られていますが、実際に自分の歯を動かして歯並びをキレイに整えるわけではありません。
自分の歯を削って上からセラミックの被せものを乗せて、色や歯並びがキレイに見えるようにする方法です。正確に言えば、矯正治療よりも美しさを重視する審美治療になります。
自分の歯を動かして歯並びを良くしたい方は、セラミック矯正では根本からの歯並び改善にはならないため注意しましょう。
セラミック矯正ではセラミッククラウンを被せる土台を作るために、自分の健康な歯を削る必要があります。
一度削って小さくなった歯は元に戻すことはできません。
また、医師の判断によっては神経を抜く治療(抜髄)や抜歯が必要になることがあります。
局所麻酔をすれば痛みはほとんどありませんが、歯と同様に一度失った神経は元に戻りません。
歯を削ると歯の寿命も短くなり、神経が抜かれた歯は虫歯ができても気が付かないこともあるため、矯正後は定期検診を受けることが大切です。
セラミック矯正後にかみ合わせが悪くなり、顎が疲れたり、痛くなったりするケースがあります。
見た目の色やデザインだけを重視した治療の場合、失敗して後悔する可能性が高いです。
歯のかみ合わせは奥歯や前歯も治して改善する必要があります。セラミック矯正をする際は、咬合を重視している歯科医師にかみ合わせについてもよく相談しておきましょう。
セラミック矯正治療のやり方によっては、土台とセラミックとの間に段差ができてしまい、隙間に汚れが溜まって虫歯や歯周病になりやすくなることがあります。
また、加齢により歯茎がやせてくるとポケットが深くなり、歯の間に隙間などができて適合性が低下し、虫歯や歯周病になることもあります。
セラミック矯正後に虫歯や歯周病を防ぐために、信頼できる歯科医師を選んで定期的な検診を受けることが大切です。
セラミック歯が欠けたり割れたりした場合、修理しても元には戻せないため、新しく作り直す必要があります。
交換するためには初回と同じ費用が再度かかります。
歯ぎしりの癖があったり、スポーツなどで物がぶつかったりすると壊れやすいので十分に注意しましょう。
セラミック矯正はリスクが多い矯正治療と説明されることがありますが、基本的には虫歯の治療と同じように、歯を削って被せ物をする安全性の高い治療方法です。
ここからは、セラミック矯正の失敗を防いで、後悔しないための3つのポイントを解説します。
セラミック矯正治療をする審美歯科を選ぶ際には、歯の色や形といったデザイン性だけでなく、しっかりと咬み合わせ(咬合)を考慮してくれるかをカウンセリングで確認しましょう。
仮歯の期間でしっかり調整してくれる歯科医師かどうかをチェックし、慎重に選ぶことが大切です。
部分的にセラミック歯にする方は、周辺の歯と比べて目立ちすぎないか、被せ物と土台が合うかなど仮歯の段階からよく認識合わせをしておきましょう。
基本的には医師は患者の希望を優先しますが、明らかに白くなりすぎて目立つ場合、他の歯と比べて色に差がありすぎる場合は、他の色を推奨することもあります。
セラミック治療後に色合いを変更することは難しいため、カウンセリングと仮歯の段階で自然に調和する色合いを医師としっかり相談しておくことがポイントです。
適切なセラミック治療が行われた後も、加齢により歯茎が下がって歯周病になる可能性があります。自宅でのセルフケアの他、定期検診・メンテナンスを忘れないようにしましょう。
定期検診ではPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)、歯石を取り除くスケーリング、咬合状態の確認が行われます。
定期検診を受けることで虫歯や歯周病があった場合に早期発見することができ、早めに治療することが可能です。
はじめて矯正治療を受ける方は不安が多いかもしれませんが、セラミック矯正はリスクを理解して治療後にしっかりケアをすれば安全性の高い治療方法です。
ただし前述のとおり、治療のやり方によってはかみ合わせが悪くなり、痛みや違和感があったり虫歯や歯周病のリスクが高まるケースもあります。
そういったリスクを避けるためにも、審美性だけでなく機能性もしっかり相談できる医師に相談することが大切です。
後悔しないセラミック矯正治療で清潔感のあるきれいな歯を手に入れましょう。
▼共立美容外科の人気のセラミック矯正の料金や種類についての詳細はこちら
このページの監修・執筆医師
医師
会田 隆介(あいた りゅうすけ)
歯科医院長
日本アンチエイジング歯科学会認定医
略歴
主な加盟団体
日本顎顔面インプラント学会会員
日本歯周病学会会員
日本保存学会会員
日本口腔インプラント学会会員
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