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公開日:2022年11月26日(土)
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目次
「親知らずが痛い」「頬が腫れている」「痛みや腫れはほとんどないけれど、気になるから抜いた方がいいのか…」など、親知らずに悩みを持っている患者様は意外と多くいらっしゃいます。
しかし、親知らずの状況によっては、簡単に抜歯することができません。また「治療に耐えるのがつらい」「痛みに耐えられない」などと、治療をおそれて抜歯を敬遠している人もいるのが現状でしょう。
実は、親知らずは、必ずしも抜歯しなければいけないわけではありません。とはいえ、放っておくと悪影響を及ぼす可能性もはらんでいます。
では、親知らずにはどう対処すればいいのでしょうか。この記事では、親知らずの抜歯について詳しく解説していきます。
親知らずは、10代後半〜20代前半頃に完成する永久歯です。奥歯の1番奥で形成され、出てくるスペースが狭く、生える方向が悪いことの多い歯です。
骨の中に埋まったままになったり、出てくる途中で止まってしまったりもよくあります。
そのため、ぱっと見ただけでは生えているかどうか分からず、レントゲンを撮影した時に本人も初めて知る場合もあります。
また、目に見えて生えている場合でも、歯磨きが十分に届かず、虫歯になりやすくなります。さらに、親知らずの虫歯は、その一つ手前の歯が虫歯になる原因にもなりかねません。
しかし、親知らずはどのような場合でも抜いた方がいいとは言い切れず、抜いた方がいい場合と抜かないでおいても大丈夫な場合があります。
まずはレントゲン撮影と口内の状態を確認するために診察を行います。
その際に、抜歯をするべきか、炎症がないか、神経までの距離は問題ないかなどを総合的に判断し、治療するかを検討します。
歯肉に埋まっている親知らずを抜くことになった場合は、まず、親知らずの上にある歯肉を切開します。
親知らずの歯冠周辺にある骨を削って取り除いた後に、親知らず本体を分解して抜歯し、最後に切り開いた歯肉を縫合して完了です。
どれだけスムーズに施術を行ったとしても20〜30分ほどの施術時間が必要で、場合によっては1時間以上かかることも珍しくありません。親知らずはなかなかくせ者なものが多く、抜くのが厄介な場合がほとんどです。
親知らずの状態は患者様によってさまざまで、レントゲン写真上で見ただけでは分からず、施術をするとなった時に初めて状態が分かることもしばしばあります。
抜歯の翌日には、傷の洗浄を行い、さらにその約1週間後に抜糸を行います。
下記のような場合は抜いた方がいいことが多いです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
親知らず周辺に痛みや腫れが出ている場合は、虫歯や歯周病が原因となっていることが多いです。
その他、細菌が感染することで引き起こされる「智歯周囲炎」という病気である場合もあります。
この場合は、口の中を確認し、抜いても問題ないことを確認できた上で、親知らずを抜いた方がいいでしょう。
親知らずはなかなか厄介で、まっすぐでなく異常な方向を向いて生えてくることが多くあります。
横向きに生える親知らずは、すぐ手前にある歯を押してしまい、歯並びに影響を与えることがあります。
横向きに生えてきた親知らずは手前の歯を圧迫し、前の歯の根っこを溶かしてしまうことがあります。
この場合は、早い段階で抜いた方がいいでしょう。
親知らずが原因となり、虫歯や歯髄への細菌感染を引き起こす場合があります。
それが慢性化してしまうと、嚢胞や腫瘍などの原因となりかねません。このような可能性が考えられる場合も、抜いた方がいいでしょう。
痛みや腫れがほとんどなく、親知らずが正しく生えて一つの歯として機能している場合には、特に抜歯をする必要はありません。
虫歯や歯周病などになっていなければ、無理して抜かなくてもいいでしょう。
また、矯正治療を行って正しい方向・噛み合わせに治療が可能な場合も、必ずしも抜歯をする必要はありません。
親知らずを抜くべきかどうかは、下記のような項目を総合して判断します。
親知らずが正しく生えて正常な歯として機能している場合は、抜かなくても問題ないことは上述のとおりです。
しかし、横向きに生えていたり、埋まったままだったりする親知らずを放置してしまうと、痛みや腫れが出てきたり、歯並びに影響してきたりします。
また、「親知らずを抜いた方がいい場合」にあるように、手前にある歯を溶かしてしまったり、嚢胞や腫瘍の原因となってしまうことも考えられます。
放置することで必ずしも何かしら悪い影響が出るというわけではありませんが、そのようなリスクがあるため、心配な人は一度親知らずの状態を歯科医院で診てもらうのがいいでしょう。
また、女性の場合は、妊娠中に親知らずが痛んだり腫れたりしてきた場合に、レントゲンや薬の投与、抜歯などができずに辛い思いをすることがあります。
そのため、妊娠前に計画的に親知らずを抜歯しておくのも一つの方法であるといえるでしょう。
親知らずを抜くのはできるだけ早い方がいいとされています。虫歯や歯周病になってしまうと、麻酔も効きにくくなることがあるためです。また、若い時の方が骨が柔らかく、傷も治りやすいという点もあります。
親知らずは、できれば20〜30代のうちに抜いておくことをおすすめします。
親知らず抜歯を行うメリットは、下記のとおりです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
親知らずがあると、どうしてもその周辺の歯を磨きにくくなってしまいます。
また、親知らずとその手前の歯の隙間に食べ物のカスなどが溜まりやすく、虫歯になりやすくもなります。
親知らず抜歯を行えば、歯も磨きやすくなるため隙間に物も溜まらず、虫歯になるリスクを減らすことができます。
歯磨きをする際に磨き残しがあると、口臭の原因となる歯垢が溜まっていきます。
横向きなど異常な方向に生えた親知らずがあると、歯ブラシが入りにくい「歯周ポケット」というものができてしまい、磨き残しが発生しやすくなります。
親知らずを抜いておけば、磨き残しを減らすことができ、口臭の解消や予防にもつながります。
親知らずが横向きに生えてくると、その力で親知らずがすぐ手前にある歯を押してしまいます。
その力は手前の歯だけでなく、順次前歯まで伝わっていき、いずれ歯並びがガタガタになってしまいます。
矯正治療を行いせっかくきれいに並んだ歯並びも、それで元通りになってしまう可能性があります。
前もって親知らずを抜歯しておくことで、歯並びが悪くなるのを防ぐことができます。
親知らず抜歯を行うデメリットは、下記のとおりです。
それぞれみていきましょう。
抜歯後、麻酔が切れると痛みを感じやすくなります。また、場合によっては、施術後数日間は大きく腫れが出ることもあります。
歯科医院から痛み止めは処方されますので、用法・用量を守って正しく服用するようにしてください。
抜歯をした後は、歯茎に穴が開いた状態になります。
定着するまでしばらくは歯根の形に穴が空いた状態になり、歯根が大きかったり長かったりすると、穴も大きく深くなっている場合が多いです。
特に親知らずは歯肉に深く埋まっていることが多く、抜歯した後の穴が深くなることも多いです。
抜歯後、歯肉が徐々に盛り上がって穴が浅くなっていくまでの間は、食べ物が詰まりやすい点はデメリットにもなり得るでしょう。
親知らずを抜く場合には、一時的に痛みや腫れが起こる場合があります。その場合は、施術後に痛み止めの処方で対応してもらえます。
また、下顎にある親知らずを抜歯する場合、歯の位置によっては神経を傷つけてしまい、下唇にしびれのような感覚が残る可能性があります。
事前の検査でこのような可能性がある場合は、抜歯を実際に行う前に医師から十分な説明があるでしょう。
親知らずの抜歯には、入院しなければ抜歯できない場合もあります。ほとんどの親知らずは外来で局所麻酔を行って抜くことができますが、症状や状況などによっては、鎮静法や全身麻酔が必要な場合もあるためです。
親知らずへの適切な対応は、患者様の口の中の状態によってさまざまです。
今にも炎症を起こしそうな状態なのか、残しておくことでも問題ないのか、自分で判断するのはなかなか難しいでしょう。
そのため、親知らずが生えてきたことを確認したら、まずは歯科医院に相談することをおすすめします。
親知らずが気になるけど、治療に不安があったり、痛みが苦手で踏み出せなかったりしている人は、一度相談してみてはいかがでしょうか。
このページの監修・執筆医師
諸岡 梨沙(もろおか りさ)
日本アンチエイジング歯科学会認定医
メディカルアロマセラピスト認定医
略歴
主な加盟団体
日本口腔インプラント学会
日本審美歯科学会
日本補綴歯科学会
顎機能咬合学会
アンチエイジング歯科学会
アンチエイジング歯科学会認定医
メディカルアロマセラピスト認定医
ヨガインストラクター
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