ワキガの原因って?発生メカニズムや予防方法も解説
最終更新日: 2023年01月28日 (土)
脇汗をかくことはもちろん誰にでもあることですが、中には、周囲に強烈なニオイを放ってしまう「ワキガ」の人がいます。
日本では10分の1の人がワキガだと言われますが、中には、自分のことをワキガ体質だと認識できていない人も。
ワキガの原因の一つは「遺伝」。また、その他生活習慣などで後天的にも発症するとされています。
今回は、ワキガの発生メカニズムや原因に加え、セルフチェック・予防方法について詳しく解説します。
ワキガが発生するメカニズム
脇には「アポクリン汗腺」「エクリン汗腺」と呼ばれる2種類の汗腺と、皮脂腺が存在します。
ワキガは汗だけが原因になっているのではなく、分泌される液や脇の皮膚の雑菌なども関係しています。
アポクリン汗腺から出る汗自体にニオイはありませんが、実はその中に脂質やタンパク質、糖質などの成分を含んでいます。
汗にベタベタとした手触りを感じることがあるのは、そのためです。
この汗は、分泌された直後はほとんどニオイはありません。
これが皮膚表面にある雑菌と混ざり合い発酵することで、ワキガ特有のニオイを発します。
アポクリン汗腺は脇の下の他に、乳首、隠部など、特定の場所の毛包内に存在します。
その数は毛穴の数と密接に関係があるため、症状が重い人は脇毛の量も多い場合がほとんどです。
また、エクリン汗腺から発生する汗は約99%が水分で、ワキガの原因にはなりません。
発症の原因
ワキガの人はアポクリン汗腺の数が多く、それらが非常に活発に働きます。
活性化する原因はいったい何なのでしょう。ここでは、その原因と考えられているものを5つ紹介します。
①遺伝の影響
両親のうちの仮にどちらかがワキガ体質であった場合、約半分の確率でその子どもに遺伝すると言われています。
もし両親ともにワキガの場合は、約8割の確率で子どもにも遺伝すると言われるほどです。
親のアポクリン汗腺が多いとそれに伴って子どもも多い傾向があり、遺伝で体質を継承する可能性が高くなる仕組みです。
また、アポクリン汗腺の数や大きさは生まれつき決められており、成長などによって後から変化することはありません。
また、永久脱毛をしても、汗腺の数が減ることはないのです。
100%遺伝するわけではないですが、遺伝による可能性は少なからずあると言えるでしょう。
また、日本人はそれほど重い症状の人は少ないと言われていますが、人種によっても発現率は異なります。
②性ホルモンの影響
性ホルモンは、アポクリン汗腺の働きを活性化します。
小さい頃はワキガの症状は見当たらなかったのに、性ホルモンが分泌されはじめる思春期あたりから症状が出始めるのはこのためです。元々持っているアポクリン汗腺が活性化されて引き起こされる、後天的な原因の一つです。
発症時期は人によって異なりますが、思春期を迎える10〜15歳ごろに発症する人が多いです。
また、女性の場合は月経や妊娠、出産など性ホルモンの影響を受ける期間も多く、短期間だけ症状が出る場合もあります。
③ストレスや疲れ
日々蓄積されるストレスにより交感神経が過剰に刺激され、多汗症の症状につながることがあります。
その多汗症によってアポクリン汗腺が発達し、結果的にワキガの原因にもなりえるのです。
ワキガかも?という症状とともに「そういえば、最近疲れが溜まっていたかも…」と感じる人は、もしかしたらそれも原因かもしれません。
④過度な飲酒・喫煙
飲酒・喫煙は汗腺を刺激します。過度な飲酒・喫煙はアポクリン汗腺の働きを活性化して、悪影響を及ぼします。
また、アルコールやタバコ自体が、元々体臭をキツくしてしまうもの。
ワキガ体質につながるかどうかを抜きにしても、体臭がキツくなる原因になり得るため注意が必要です。
⑤肥満体質
肥満体質の人は、汗をかきやすい傾向があります。
体内にこもる熱を発する際、肥満の人は厚い皮下脂肪が邪魔をしてしまうため、標準の人よりも汗をかくのです。
その影響で雑菌が繁殖しやすい環境を生み出し、汗と雑菌とが混ざってワキガ特有のニオイを発します。
見た目には太っていなくても、内臓脂肪が多い場合は汗の量が増えるため、見た目では分からない場合もあります。
これって大丈夫?ワキガのセルフチェック項目
ワキガは簡単にセルフチェックできます。
自分がワキガだと思っていて実際は違う場合や、違うと思っていてそうだったりすることも。医療機関を受診する前に、自宅でもできる簡単なセルフチェック項目を5つ紹介します。
ご家族にワキガの人がいる
ワキガは空気感染することはありませんが、遺伝する可能性が高いことは前述のとおりです。
ご両親やご家族にワキガの人がいる場合は要注意。遺伝により体質を継承している可能性があります。
耳垢が湿っており、耳毛が多い
耳の中にある外耳道には、エクリン汗腺がありません。
耳垢が湿っているということは、アポクリン汗腺から分泌された汗であると考えられます。
外耳道にアポクリン汗腺がある人は、脇下のアポクリン汗腺の数も伴って多い傾向があります。
さらに、アポクリン汗腺は毛包内にあるため、耳垢が湿っている、かつ耳毛の量も多い人は発症の可能性が高くなります。
綿棒を使って耳の中を擦ってみると、自分の耳垢の状態が分かりますよ。
脇に汗をかくと服に色がつく
ワキガの人は、汗が透明でなく、色がついている場合が多いです。
アポクリン汗腺から発せられる汗はタンパク質や脂質を多く含んでおり、色がついています。
一方で、ワキガではない人の汗はエクリン汗腺から分泌され、約99%が水分のため色はなく透明。
脇汗をかいたときに服に黄ばみができる人は、ワキガの疑いがあります。
脇のニオイが強い
周囲の人から脇のニオイについて言及されるほどのニオイを発しているかどうかは、ワキガの判断材料になります。
自分のこととはいえ、ニオイは非常にデリケートな問題。
まずは家族や兄弟など、近しい間柄の人に尋ねてみると良いでしょう。
実は、自分だけが気にしすぎているだけの場合もあります。
脇汗の量が多い
エクリン汗腺が活発な場合、アポクリン汗腺のニオイも周囲に届きやすくなってしまいます。
多汗症とワキガは別ですが、ワキガと同時に多汗症に悩む人も多いのが事実です。
また、汗をかくことで雑菌が繁殖しやすい環境を作ります。汗をかきやすい、というのも、セルフチェック項目の一つとして知っておくと良いでしょう。
ワキガを予防するには?
ワキガを予防するには、下記の5つの方法が効果的です。
食生活を正す
高カロリーや脂質の高い食事は皮下脂肪を増やすため、結果的にアポクリン汗腺を活発化させてしまいます。
活発化させないようにするには、食生活を正すことが大切です。
タンパク質を摂ることはもちろん大事ですが、肉類を食べすぎないように注意しましょう。
和食を中心とし、タンパク質は大豆や魚から摂るように心がけると良いですよ。
過度な飲酒・喫煙をしない
前述したように、過度な飲酒・喫煙は、アポクリン汗腺の働きを活性化します。
ワキガを予防したいなら、過度な飲酒や喫煙は避けましょう。
ストレスを溜め込まない
ストレスを溜め込むと、交感神経の働きが活発になります。
そうすることで、冷や汗など、暑くもないのに発汗することもあり、汗の量が自然と増加してしまうのです。
ストレスを感じている人は、ストレスの原因を突き止めてまずはそれを取り除くことをおすすめします。
適度に運動する
運動して汗をかくと、汗腺に汚れが溜まることなく、ニオイの抑制につながります。
運動不足を感じている人は、これを機に適度な運動を心がけるようにしましょう。
汗をかくことは老廃物の排出につながるだけでなく、ストレスの軽減にもなります。
ワキガを予防したい人は、適度に運動するよう習慣づけると良いでしょう。
皮膚を常に清潔に保つ
ワキガを防ぐためには、皮膚を清潔に保ち雑菌が繁殖しないようにすることが大切。
汗をかいたらすぐに拭くようにしましょう。
夏場で汗をたくさんかくような場合は、シャワーを浴びたり、こまめに服を着替えたりするのも効果があります。
蒸れに特化した衣類や下着を取り入れるのもおすすめ。
吸水性、通気性に優れた衣類を身につけるのも良いでしょう。
ワキガの原因やメカニズム・予防方法を理解しよう
ワキガの発生メカニズムや原因、セルフチェック・予防方法について解説しました。
生まれつきの体質を変えることはできませんが、予防する方法や対処する方法はいくつもあります。
「もしかしたらワキガかも…」と思っている人がいたら、ぜひセルフチェック項目で確認してみてください。
セルフケアでは改善されない、ニオイがキツイ場合などは、美容クリニックで治療を受けて根本的に解決する方法もあります。
悩みがある場合は自分一人で抱え込まず、一度クリニックに相談してみてくださいね。
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