ディフェリンのメカニズムから効果的な使い方まで徹底解説
最終更新日: 2023年06月29日 (木)

ディフェリンとは?
ディフェリンとは、顔のニキビ治療に使われる塗り薬(外用薬)です。2008年に認可され、幅広く使われています。
メカニズム
「ディフェリンゲル 0.1%」には、「アダパレン」という有効成分が含まれています。表皮の角化細胞の分化を抑制することで、毛穴詰まりを減らしていき、ニキビ改善へと導きます。
アダパレンは、レチノイン酸受容体(RARγ)に結合し、遺伝子転写促進化を誘導することによりレチノイド様作用を示します。
ディフェリンの局所投与により、表皮角化細胞の分化が抑制され、非炎症性皮疹と炎症性皮疹が減少することが考えられています。
ジェネリック医薬品はあるの?
「ディフェリンゲル 0.1%」は、ジェネリック医薬品が販売されています。
ジェネリック医薬品には先発医薬品と同じ有効成分が含まれており、試験の結果により効能・効果、用法・用量が同等と認められています。
先発医薬品に比べて開発費が安価なので、低価格で販売されています。
ただし、全ての医療機関でジェネリック医薬品の取り扱いがあるとは限らないので、ジェネリック医薬品を希望している場合は事前に確認しましょう。
ディフェリンゲルのジェネリック医薬品には、ゲルとクリームの2種類が用意されています。
クリームには保湿効果のある成分も含まれているので、好みの使い心地や肌状態などでゲルと使い分けることができます。
クリームタイプは、ジェネリック医薬品にしか用意されていませんので、クリームタイプを希望する人は取り扱いがあるかどうか確認しておきましょう。
ディフェリンの使い方
ここでは、「ディフェリンゲル 0.1%」の使い方をご紹介します。
ただし、ここで紹介する使用方法と医師から指示された使用方法が異なっている場合は、医師から指示された方法を優先してください。
ディフェリンゲルの基本的な使い方は、1日1回夜の洗顔後に患部に塗布するだけです。
入浴後のスキンケア時に使いましょう。
化粧水などを使った保湿ケアが終わってから、スキンケアの最後にディフェリンゲルを塗ります。
併用している塗り薬がある場合は、塗る順番や量などの詳しい塗り方を医師に聞いておきましょう。
また、いつものスキンケアをそのまま使い続けて問題ないかどうかも、あわせて医師へ確認しましょう。
使用する際の注意点
ディフェリンゲルは毛穴詰まりにアプローチしながら、ニキビを治療する薬です。
しかし使い方を誤ると、あまり効果を感じられなかったり、肌に悪影響を及ぼしたりすることがあります。
ここで、ディフェリンゲルを使う際の注意点を5つご紹介します。
勝手に使用を中止しない
ディフェリンゲルを使う際に注意したいポイントの1つ目は、「勝手に使用を中止しない」ことです。
ディフェリンゲルは、毛穴詰まりにアプローチしながらニキビ改善へ導くという性質上、しばらく使い続けることで効果を発揮していく薬です。
しかし、数日間使っても目に見えた変化が感じらずに「薬の効果がない」と勘違いして使用をやめてしまう人も見受けられます。
誤った判断により、ニキビが治らないという結果を招いてしまうことがあるので、独断で使用を中止しないようにしましょう。
もし「しばらく使い続けたものの何も変化がない気がする」と感じる場合は、医師に相談しましょう。
医師が、経験や知識などから総合的に判断します。
またディフェリンゲルは、ニキビが少し落ち着いてからも継続して使用することが多いです。
継続使用することで、今後ニキビができにくいお肌へ整えていきます。
しかし、継続するように医師から指示があった場合でも、ニキビがいったん落ち着いたからと使用を自己判断で中止してしまう人も見受けられます。
ニキビが再発してしまっては、根本的な悩み解決にはつながりません。
自己判断で使用をやめず、ニキビができにくいお肌に整えましょう。
副作用を感じることも
ディフェリンゲルを使う際に注意したいポイントの2つ目は、「副作用を感じることがある」ことです。
ディフェリンゲルを使うと、乾燥・かゆみ・赤み・不快感などの副作用を感じることがあります。
ニキビ改善の効果が見られる前に、これらの副作用を感じる場合も多くあります。
しかし副作用を気にしすぎて独断で使用を中止すると、ニキビ改善は見込めず副作用には悩むという、最悪の結果に終わってしまいます。
使用中に副作用が気になってきた場合は、使用を中止すべき状態かどうか医師へ確認しましょう。
使用を継続しても構わないという医師の見解を得られたら、使用を継続しましょう。
使用回数を守る
ディフェリンゲルを使う際に注意したいポイントの3つ目は、「1日の使用回数を守る」ことです。
ディフェリンゲルは、「1日1回、洗顔後に塗布する」というのが正しい使い方です。
しかし、「早く効果を出したい」という思いが強すぎるあまり、1日に何度も塗布している人が見受けられます。
1日1回の用法を守らず何度も塗ってしまうと、お肌に刺激を与えすぎてしまうことがあります。
ニキビを早く治したいという気持ちがあっても、「1日1回」の使用を徹底して、使いすぎには注意しましょう。
またディフェリンゲルの使用量にも注意が必要です。
たっぷり塗れば早く治る、ということはありません。
適量をしっかり守って塗布しましょう。
適量がよくわからない場合は、医師へ質問して実際に塗り方まで教わる事をおすすめします。
使用範囲を守る
ディフェリンゲルを使う際に注意したいポイントの4つ目は、「使用範囲を守る」ことです。
ディフェリンゲルは、1日1回患部のみに使います。
しかし、ニキビがない部分に予防として使ったり、顔全体に塗っている人も見受けられます。
誤った使い方をすることによって、副作用が出てしまうこともありますのでニキビがある部分だけに使うよう心がけましょう。
悪化している気がする場合はすぐ相談
ディフェリンゲルを使う際に注意したいポイントの5つ目は、「ニキビが悪化している気がする場合は、すぐに医師へ相談する」ことです。
ディフェリンゲルは、効果を感じるまで少し時間がかかるという特徴がありますが、使用中にニキビが悪化している場合は我慢せず、すぐに医師へ相談しましょう。
ニキビが悪化してる場合は、ディフェリンゲルと他の薬を併用したり、ディフェリンゲルの使用を中止したりすることがあります。
副作用以外の異変が起きている場合は、すぐに医師へ相談しましょう。
ディフェリンゲルと並行して行う治療
最後に、ディフェリンゲルの使用と並行して行われることが多い、他の治療についてもご紹介します。
医師と相談しながら、これらの治療も検討してみましょう。
塗り薬(外用薬)
ディフェリンゲルと併用して使われることが多い塗り薬は、「ダラシンゲル」です。ダラシンゲルは、ニキビの原因となる細菌にアプローチすることで、ニキビを減らす効果があります。
ディフェリンゲル とは異なるメカニズムの薬なので、併用されることが多いです。
塗り薬を複数使用する場合は、塗る順番や箇所などをしっかりと医師に確認しておきましょう。
順番や箇所を誤ってしまうと、あまり効果を感じられない場合があります。
飲み薬(内服薬)
ディフェリンゲルと併用して使われることが多い飲み薬は、「漢方薬」「ビタミン剤」「抗生剤」などです。
漢方薬は、清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)、桂枝茯苓丸加苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)などがよく用いられ、ニキビの原因によって使い分けられます。
ビタミン剤で主に使われるのは、ビタミンBとビタミンCです。
ビタミンB2はニキビの原因である皮脂分泌を抑える働きがあるため、ニキビができにくくなります。
ビタミンB6はタンパク質の代謝に関わって皮膚や粘膜を作り出し、ニキビの原因である皮脂分泌を抑える働きがあります。
ビタミンCはニキビ、ニキビ跡の色素沈着、赤みを改善する働きがあります。
抗生剤は、細菌を殺す作用があります。
細菌を殺す効果のある塗り薬もありますが、内服薬によって体の内側からアプローチすることが必要な場合は抗生剤が処方されます。
医療機関での施術
ディフェリンゲルによる治療とともに、医療機関での施術を受けることもできます。
よく使われる施術は、ダーマペン、マッサージピール 、ハイドラフェイシャル、ピーリングです。
ダーマペンは、針のついたペン型のマシンを使って、お肌に小さい穴を開ける施術です。
穴がふさがりお肌が回復する過程で、肌状態の改善が期待できます。
マッサージピールは、専用の薬剤を肌に塗り込み、薬剤を洗い流すという施術です。
肌が皮向けするピーリングとは異なるメカニズムで肌状態を改善します。
ハイドラフェイシャルは、水流を使用した肌に優しいピーリングです。
美肌有効成分を投入しながら、ニキビの原因となる毛穴の汚れのつまりを綺麗に取り除きます。
ピーリングについては、ニキビやしみの治療を目的とした、病院でしか受けられないピーリングがあり、毛穴の皮脂を取り除き、ニキビへの効果が期待できます。
様々な施術がありますが、自分の肌状態、予算、ダウンタイムが取れるかどうかなどで、最適な施術が変わります。
医療機関での施術を希望する場合は、一度医師へ相談してみましょう。
まとめ
ニキビ治療によく使用されている「ディフェリンゲル」は、毛穴詰まりを減らしていき、ニキビ改善へと導きます。
ニキビへの効果を感じるまでは、しばらく時間がかかることが多いですが、根気強く使用を続けましょう。
また他の施術との組み合わせも効果的です。予算や時間などに余裕があれば、検討してみましょう。
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