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Kyoritsu Biyo Scrap(KBS)

プロペシア(フィナステリド)をやめたらやばかった?

公開日:2022年08月31日(水)

薄毛治療
フィナステリドの服用を止めたイメージ

このコラムを読むのに必要な時間は約 7 分です。
最後まで有意義なページになっていますので是非ご覧ください。

代表的な髪のお悩みであるAGA (Androgenetic Alopecia:男性型脱毛症)。

AGAは主に男性ホルモンの影響によって、おでこの生え際、もしくは頭頂部のいずれか、または双方から髪が薄くなる疾患です。

AGAは進行する症状ですので、「なんだか抜け毛が気になる」「ちょっと髪が薄くなってきたかも?」と思いながらも放置していると、髪はどんどん薄くなっていきます。

そんなAGAを治療するためには専門的な薬を使用していく必要があるのですが、一歩使用方法を間違えると、後々さらに薄毛を加速させてしまう可能性があるのです。

今回は、AGAに関する正しい知識と、AGAに使用される事の多い「プロペシア(フィナステリド)」という薬の特長についてご紹介させていただきます。

AGAとプロペシアについて正しく理解した上で、効果的なAGA治療を取り入れましょう。

 

どうしてAGAになるの?

プロペシアのパッケージ

AGAの原因は、男性ホルモンの「テストステロン」と「5αリダクターゼ」という還元酵素から生成されるDHT(ジヒドロテストステロン)です。

このDHTは思春期の声変わりをサポートするなど男性にとって非常に重要なホルモンですが、成人期以降は髪の毛の成長期を短くする作用があることが確認されています。

通常、髪の毛にはヘアサイクルがあり、成長期、退行期、休止期という3つの期間で循環しています。

髪が増える(伸びる)時期である、「成長期」と呼ばれる期間は2年から5年と考えられています。

この成長期が短くなると、髪が薄くなっていってしまいます。

DHTの作用によって短くなってしまった成長期では、髪が長く太く成長することが出来ず、1本1本が細く短く見えてしまいますので、全体が薄毛に見える、抜けやすくなるなどの症状を発症してしまうのです。

 

AGAは遺伝するって本当?

AGAは遺伝の影響が非常に大きいと考えられています。

AGAの原因となるDHTを生成する還元酵素である5αリダクターゼは、基本的に優性遺伝の性質を持っています。

従って、両親のどちらかが5αリダクターゼの活性遺伝子を保有している場合は、AGAを発症する可能性が高いと考えられています。

また、男性ホルモンを受け取る受容体である男性ホルモンレセプターの感受性は、AGAを分析する上で非常に重要です。

DHTが大量に生成されたとしても、男性ホルモンレセプターの感受性が低い場合は、男性ホルモンの影響を受けることはありません。

反対に、男性ホルモンレセプターの感受性が高い場合は、たとえ女性であってもFAGA(女性型男性型脱毛症)を発症する確率が上がります。

また、男性ホルモンレセプターは隔世遺伝すると考えられていますので、両親は薄毛や抜け毛といった症状が見られなかった場合でも、家系にAGAを発症した人がいる場合には、AGAの発症率が上がります。

 

AGAは改善するの?

AGAは、男性ホルモンの一種であるDHTにより髪の成長サイクルが短くなってしまう症状です。

髪が太く成長する時間がなくなってしまうだけで、毛根が死滅したわけではありませんので、適切なアプローチを行うことで、薄毛や抜け毛などの症状改善が見込めます。

 

また、AGAは可能な限り早く治療をはじめることで、効果を得やすくなります。

 

AGAにはどんな治療があるの?

AGAのカウンセリング

共立美容外科ではお客様一人ひとりの頭皮や毛髪、年齢や性別などを考慮して、適切な治療をご提案させていただいております。

 

クリニックで受けていただく施術

  • ミノキシジル注射
  • HARG療法( AAPE® Powder v2.0 )
  • BENEV BENEV GF Hair Care Complex PLUS

 

AGA治療薬

 

  • ミノキシジル(内服)
  • フィナステリド(内服)
  • デュタステリド(内服)
  • ミノキシジル(外用薬)
  • パントスチン(外用薬)

 

ご自分の髪の毛を移植する「自毛植毛」も施術可能ではありますが、ほとんどの方が植毛の必要はなく、薬や注射のみでAGAの症状を改善することが出来ています。

 

現在のAGA治療の主流

 

20年ほど前までは植毛治療が中心だったAGA治療ですが、現在の治療の主流は月1回のミノキシジル注射と、ご自宅でのセルフケア(医薬品の使用)になります。

ご自宅では主に、ミノキシジルやフィナステリドを服用していただき、ミノキシジルの外用薬の塗布をお願いしています。

 

ミノキシジル

 

ミノキシジルには血管拡張作用があり、もともとは高血圧患者の治療薬として処方されてきた薬です。

「インスリン様成長因子1(IGF-1)」や「血管内皮細胞増殖因子(VEGF)」など、発毛のもととなる因子の産生を促す効果があると考えられています。

また、髪の毛を生成する毛母細胞が死滅するのを抑制する効果もありますので、ヘアサイクルのうち、特に成長期の延長に有効に作用すると考えられています。

共立美容外科では、月1回のミノキシジル注射によって、特にAGAの症状が気になる部分に直接ミノキシジルを投与する育毛・発毛療法を取り入れております。

さらに、ご自宅でもミノキシジルをご使用いただけるように、内服薬と外用薬の処方も承っております。

 

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フィナステリド(プロペシア)

フィナステリドは、5αリダクターゼの活性化を阻害する働きがあるAGAの治療薬です。

5αリダクターゼはテストステロンと結合することによってAGAの原因となるDHTを生成しますので、この5αリダクターゼに有効に作用するフィナステリドは、AGA治療の強い味方となります。

 

AGA治療に関する注意点

プロペシアの注意点を説明する女医

AGAは保険診療の適用外となります。

しかしながら一度服用した薬を自己判断で休薬したり、個人輸入した薬を自己判断で服用していると、AGAに対する有効な効果が得られないばかりか、様々な副作用やリスクが生じる可能性がありますので、十分な注意が必要です。

 

個人輸入はリスクが高い

ミノキシジルの個人輸入では、タイやインドで生産されたミノキシジルを安価に購入することができますが、個人輸入で手に入れた医薬品を安易に使用することは非常に危険です。

医薬品を個人輸入した場合、偽物や粗悪品が届いたとしてもしらべる術がありません。

ミノキシジル配合量が少ない偽物であった場合、AGAに対する効果を感じることができないばかりか、健康被害や症状悪化を引き起こしてしまうリスクもあります。

直接体内に摂取するものですので、十分にお気をつけください。

 

プロペシア使用時は必ず医師の指導を受けて下さい

フィナステリドを含有する治療薬であるプロペシアは、医師の処方、ジェネリック医薬品、個人輸入のいずれかの方法で購入することが可能です。

特に、プロペシアのジェネリック医薬品はインターネット等でも購入できますが、プロペシアを自己判断で服用することは非常にリスクが高いです。

当院にてプロペシアを処方する際には、定期的な血液検査による肝機能の数値確認し、適切な副作用対策を行うことができますが、自己判断でジェネリック医薬品を購入して服用する場合には、副作用が起こった際に対応することができません。

 

プロペシアの断薬(途中でやめる)に注意

「プロペシアの服用を自己判断で中止するのは絶対にだめ」です。

プロペシアは、5αリダクターゼがテストステロンと結合し、DHTを生成する働きを阻害する薬ですので、服用をやめてしまうと、再び5αリダクターゼが活性化してしまいます。

5αリダクターゼが活性化すると、再びAGA症状の進行が始まってしまうので、せっかくプロペシアの服用によって脱毛が抑制されていた毛髪が、再び抜け始めたり、細くやせ細ってしまいます。

なんだか効果を感じない」という理由だけで服用を中止されるのは非常に危険です。

初期脱毛と呼ばれる現象が起こる可能性もあり、自己判断での服用は、「むしろ髪の毛を減らしてしまう可能性がある」ことを知っておく必要があります。

 

AGAのお悩みは医師に相談!プロペシアの中断には要注意。

AGAの治療方法や対応方法は年々進化しています。

治療に関する薬も、インターネットなどで簡単に手に入る時代になりましたが、AGAで使用する薬は専門的知識を持って使用されるべき「医薬品」であることを忘れてはいけません。

お一人おひとりの症状と体調を見極めた上で、適切な医薬品の処方と服用指示によって、はじめてAGA治療を開始することができます。

安価な海外製品やジェネリック医薬品を自己判断で服用することは、効果が得られないだけではなく、健康被害の恐れもあります。

ミノキシジルやプロペシアの服用や断薬など、小さな悩みも気軽に相談できるのは、専門医によるAGA治療の最大のメリットです。

正しくAGAにアプローチをして、健康で若々しい頭髪を維持しましょう。

 

 

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このページの監修・執筆医師

  • 久次米 秋人(くじめ あきひと)

    久次米 秋人(くじめ あきひと)

    • 略歴

      • 1983年
        金沢医科大学医学部 卒業
        1983年
        高知医科大整形外科入局
        1989年
        東京本院(品川)開院
        2002年
        本院を新宿に移転
        2013年
        銀座院院長就任
        2018年
        第107回日本美容外科学会 学会長就任
    • 主な加盟団体

      日本美容外科医師会理事
      日本形成外科学会会員
      日本美容外科学会会員
      日本美容外科学会認定専門医
      日本脱毛学会会員
      北米脂肪吸引形成外科学会会員
      日本坑加齢美容医療学会会員

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