ヒルドイドの効果や種類について医師が解説

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アトピーや乾燥からくる肌トラブルなどにお悩みの方に処方されている「ヒルドイド」。
ヒルドイドは保湿剤として有名で、皮膚科では幅広い症状の方に処方されている外用薬です。
一方で最近は美容に良いとの噂もあり、入手方法や使い方、種類などに興味があるという方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では「ヒルドイド」の効果を詳しく解説します。その種類や禁忌、市販されている類似品などをまとめてご紹介していきます。
結論からいうと「ヒルドイド」は美容クリームではなく、あくまでも”外用薬”です。
そのあたりの誤解や問題点についても分かりやすく解説していきます。
ヒルドイドとは?

ヒルドイドは50年以上も前から、アトピーの治療や乾燥肌の改善のために処方されてきた保湿剤です。主成分は「ヘパリン類似物質」であり、ヒルドイドでなくてもヘパリン類似物質が同じように配合されていれば同等の効果を得られます。
ヘパリン類似物質とは、人の肝臓で生成される糖類である「ヘパリン」と似た性質を持つ物質のことです。肌の内側から代謝を促し機能を回復させることで、皮膚の乾燥の根本的な解決が望める成分です。
保湿成分には、他にも以下のようなものがあります。
- ワセリン
- セラミド
- ヒアルロン酸
- コラーゲン
上記は化粧品などにも多く使われている有名な成分ですが、ヘパリン類似物質の特徴は、細胞に直接働きかけることで乾燥の改善が見込める点です。一時的ではなく、長期的な乾燥肌の改善が必要な方におすすめな成分と言えます。
ヒルドイドは厚生労働省から、有効成分の効果が認められている外用薬です。医療用医薬品(医薬品)に分類され、医師の診察を受けて発行される処方箋がないと基本的には買うことができません。
ヒルドイドの効果
ヒルドイドの主成分であるヘパリン類似物質の主な効果は以下の3つです。
- 保湿
- 血行促進
- 抗炎症作用
保湿効果だけでなく、血行障害を軽くする効果もあり、幅広い治療に使用されています。
それぞれの効果について詳しく解説していきます。
保湿
ヒルドイドのヘパリン類似物質には、角質層の水分保持機能を改善し、肌本来の保湿能力を取り戻す効果があります。表面的な水分蒸発を防いだり、水分を補給するのではなく内部構造に直接働きかけるのが大きな特徴です。
肌のカサつきやごわつきを改善するだけでなく、乾燥を要因とした以下の肌トラブルの改善も見込めます。
- シミ
- ニキビ
- 毛穴の開き
- シワ
肌の内側から保湿されることで、肌のバリア機能向上やターンオーバーの乱れを整える効果も期待できるでしょう。
血行促進
新陳代謝が良くなるため、血行促進の効果があります。しもやけなど血行障害を要因とする痛みを緩和したり、打撲、捻挫、筋肉痛、関節痛を和らげるのにも効果的です。血液が固まるのを防ぐことができ、より早い傷の完治を目指すことができます。
一見、皮膚とはあまり関係ないような以下の症状の治療にも使われています。
- 打ち身
- 血栓性静脈炎
- 痔核
抗炎症作用
肌の新陳代謝が良くなることで、炎症の改善にも効果が期待できます。ヒルドイドのヘパリン類似物質で肌のバリア機能が強化されると、皮膚を正常な状態に戻そうとする働きが強まります。
また、刺激を受けて敏感になった肌にも効果的で、保湿効果もあるため皮膚科のピーリング治療でヒルドイドを処方されることもあります。
ヒルドイドの種類

ヒルドイドと一口に言っても、種類はさまざまです。よく使用されているのは以下の4つです。
- フォーム
- ローション
- クリーム
- ソフト軟膏
どれを使っても効果に大きな差はないので、使用感の好みや部位、生活スタイルに合わせて選ぶとよいでしょう。
それぞれの特徴を詳しく解説します。
ヒルドイドソフト軟膏
白いクリーム状の「ヒルドイドソフト軟膏」。患部に直接指で塗るか、ガーゼなどに取って伸ばして使用します。
油分が多めの構成で作られているため、こっくりとしたテクスチャーが特徴です。厳密にいうと軟膏ではなくクリームに分類されるのですが、その質感が軟膏と似ているので「ソフト軟膏」と名前が付けられています。
伸びはあまり良くない分、患部にしっかりとどまって密着します。4種類の中でも特に刺激が少なく、より肌に負担をかけずに使用することができます。
少しベタベタするため、入浴後など時間に余裕があるときに使用するのがおすすめです。質感が重めなので特に乾燥が気になる部位に使ったり、乾燥しやすい季節に使うのがよいでしょう。
ヒルドイドクリーム
軟膏と同じ白いクリーム状の剤型。こちらも指で塗ったり、ガーゼで伸ばしたりして使います。
軟膏は油分メインで作られているのに対し、クリームは水分がメインで構成されています。伸びが良く、春夏など湿気が多い季節でも使いやすい軽めのテクスチャーです。ベタベタ感が苦手な方にもおすすめです。
最初は軟膏で集中的にケアし、症状が良くなってきたらクリームに切り替えるのもよいでしょう。
ヒルドイドローション
ヒルドイドローションは乳液のような質感で、さらりとしており、伸びが良いので広範囲に塗るのに向いています。
また、ローションタイプは頭部など毛がある部分にも使えるのが魅力です。ベタベタせずさっぱりとしているので、春夏やケアに時間が取れない時にも使いやすいです。
特別刺激が強いというわけではないですが、患部に塗ると刺激を感じるケースがまれにあります。肌が弱かったり、ひどく乾燥しているという方はまずは軟膏やクリームで治療し、少しずつローションに切り替えてみるとよいかもしれません。
ヒルドイドフォーム
ヒルドイドフォームは缶に入ったスプレータイプで、噴出するとキメの細かい泡が出るため、その泡を塗り伸ばしていきます。泡は少し時間が経つと液状になり、さらりと肌になじみます。
4つの中で一番油分が少なく、さっぱりとしたタイプ。こちらも広い範囲に塗布したり、頭部など毛がある部分に使うのに適しています。
さっぱりとしている分、人によっては保湿力に物足りなさを感じることもあるかもしれません。
ヒルドイドの禁忌
ヒルドイドに含まれるヘパリン類似物質は、上記でもお伝えしたように血行を促進し、血液を固まりにくくする働きがあります。そのため以下の病気、症状を持つ方には禁忌とされています。
- 血小板減少症
- 血友病
- 紫斑病
- 出血性血液疾患
わずかな出血でも健康に害を及ぼす可能性のある方も原則使用禁止です。医師の診断のもと、処方できないようになっています。
また、ヒルドイドを使用することで以下のような副作用が出る場合があります。
- 皮膚炎
- そう痒
- 発疹
- 紫斑
- 発赤
- 過敏症
- 皮膚への刺激感
このような副作用が出るケースは非常にまれではありますが、これらの症状が出たり肌に違和感を覚えたらすぐに病院で診てもらうようにしましょう。
ヒルドイドは赤ちゃんにも使える?

ヒルドイドは赤ちゃんの保湿剤としても使用可能です。赤ちゃんの肌はバリア機能が弱く、汗や擦れなどで刺激を受けやすい状況にあります。ヒルドイドを含むヘパリン類似物質はそんな赤ちゃんの肌のバリア機能を強化し、外部の刺激から守ってくれます。
赤ちゃんに塗ってあげる際は、入浴後やおむつ交換の後、食事の後などがおすすめです。手のひらに馴染ませてから優しくマッサージするように塗り広げましょう。
ヒルドイドは血を固まるのを防ぐ作用があることから、かぶれたり、出血していたりする部分があればその部位は避けて塗ります。毎日の保湿ケアとして取り入れてみましょう。
なお、ヒルドイドは授乳中の方には使用に制限はありませんが、妊娠中の方には使用が制限されている病院もあります。これは妊婦、もしくは胎児へ問題があるからではなく、安全性がまだ証明されていないためです。妊娠されている方は医師のアドバイスを聞き、使用するかどうか相談してみてください。
ヒルドイドは市販されている?

ヒルドイドは医薬品であるため、購入するには処方箋が必要です。そのため原則的に処方箋なしに購入はできません。
ヒルドイドに興味がある方、乾燥など肌に悩みを抱えている方はまずは皮膚科などを受診し相談してみましょう。
市販されているヒルドイド類似品
ヒルドイドは処方箋がないと購入できませんが、市販の商品で「ヘパリン類似物質」が含まれているものがあります。
ここからは、ドラッグストアなどでの購入が可能なヒルドイド類似品をご紹介していきます。
JMEDIC「ヒフメイド」
ヒフメイドはヘパリン類似物質を配合したオイルクリームで、軟膏と近いテクスチャーの商品です。保湿力に優れており、水分の蒸発を防いで肌のうるおいをキープする効果が期待できます。
汗など水分にも強いため、何度も塗り直す必要がありません。
マツモトキヨシ「ヒルメナイド」
ヒルメナイドはヘパリン類似物質を0.3%配合したシリーズで、以下のようにさまざまなテクスチャーのものが展開されています。
- 油性クリーム
- 軟膏
- ローション
- ボディミルクローション
肌の状態や好みに合わせてテクスチャーを選べるのが嬉しいポイントです。大容量タイプもあるため、たっぷりと使うことができます。
ミナカラ薬局「JM」
JMは乳液タイプのヘパリン類似物質配合商品です。さらりとしつつも、肌表面に長くとどまりしっかり保湿ができます。伸びがよく、体への使用もおすすめです。ノンステロイド、エタノールフリー、無香料、無着色です。
資生堂「IHADA ドライキュア乳液」
IHADA ドライキュア乳液には、ヘパリン類似物質のほか、かゆみ抑制に効果的なジフェンヒドラミン、肌組織の修復に効果的なアラントインなども配合されています。
高保湿でありながらべたつかないテクスチャーで、クリームが苦手な方でも使いやすいでしょう。かゆみを伴う乾燥などにぴったりな商品です。
小林製薬「Saiki 治療乳液」
Saiki 治療乳液は肌のつっぱり感、赤み、ヒリヒリ感を伴う乾燥に効果的なヘパリン類似物質の乳液です。グリチルリチン酸二カリウムを含んでおり肌の炎症改善の効果が期待できます。
大容量サイズもあり、たっぷりと使いたい方にもぴったり。乳液タイプだけでなく、ローションタイプも展開されています。
グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン「HP」
乾燥による炎症や肌荒れ、皮膚トラブルに効果的なシリーズ。クリームとローションが展開されており、好みに合わせて選ぶことができます。
ステロイドを使っておらず、無香料・無着色なのも嬉しいポイントです。
小林製薬「アットノン」
アットノンは、傷跡や火傷の跡の修復に効果が期待できる商品です。皮膚が治っていく段階のしこりやつっぱり感を改善し、きれいな皮膚状態へと導きます。
アットノンにはさまざまなタイプがあり、EXクリーム、EXジェルは主にからだ向けのアイテム、ニキビ跡ジェルは顔向けのアイテムです。
また、コンシーラータイプのクリームもあり、気になる傷を隠しながらケアできます。
ヒルドイドは美容クリームではなく「外用薬」

乾燥や肌荒れの改善に効果が期待できるヒルドイド。
一時期「ヒルドイドを使うと肌荒れが治る」といった噂が一人歩きしてしまい、美容目的でヒルドイドを手に入れようとする人が増えました。
しかし、ヒルドイドは美容クリームではなくあくまでも外用薬です。
アトピー性皮膚炎の方や、打撲やあざの治療をされている方、怪我の傷跡が残る方などに向けたケロイドの予防に必要とされている薬です。そのため、処方箋がなければ購入することはできません。肌の強い乾燥にお悩みでヒルドイドを購入したいという方は、一度皮膚科に相談してみましょう。
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