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Kyoritsu Biyo Scrap(KBS)

トラネキサム酸の美白効果とは?安全に使用するには?

公開日:2022年06月14日(火)

肝斑
トラネキサム酸の錠剤をつまんでいるところ

このコラムを読むのに必要な時間は約 8 分です。
最後まで有意義なページになっていますので是非ご覧ください。


近年、トラネキサム酸という医薬品に注目が集まっています。

トラネキサム酸は古くから医療現場で使用されている医薬品ですが、このトラネキサム酸に美白効果があるということが報告されてから、多くの美容クリニックでも使用されるようになりました。

そこで今回はトラネキサム酸の美白効果を解説しながら、安全にトラネキサム酸をご使用いただくための注意点をご紹介します。

 

トラネキサム酸とは?

「そもそもトラネキサム酸とは」という基本から確認していきましょう。

トラネキサム酸とは、止血作用や抗炎症作用を持つ物質であり、医療現場でも日常的に医薬品として使用されています。

後ほど詳しくご紹介しますが、トラネキサム酸は、医療領域において「湿疹、扁桃炎、口内炎」など、様々な疾患に対して使用される薬剤です。

適応疾患が広いだけではなく、安全性も高いため、非常に多くの症例に対して処方されています。

近年、そんなトラネキサム酸の「メラニン生成抑制作用」に注目が集まっており、シミの除去や肝斑に対する効果など、「美白効果」を発揮する薬剤として、多くの美容クリニックでも取り扱われるようになっています。

医療におけるトラネキサム酸

トラネキサム酸の美肌・美白効果を紹介する前に、まずは「医療におけるトラネキサム酸」について解説します。

あくまでも、医療での使用方法が基本となるため、医療現場でのトラネキサム酸の使用方法を把握しておくことは重要といえます。

 

医療におけるトラネキサム酸の効能効果

トラネキサム酸の効能効果は以下のとおりです。

  • 全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向(白血病、再生不良性貧血、紫斑病など及び手術中・術後の異常出血)
  • 局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血(肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、前立腺手術中・術後の異常出血)
  • 湿疹およびその類症・蕁麻疹、薬疹・中毒疹における紅斑・腫脹・そう痒などの症状
  • 扁桃炎、咽喉頭炎における咽頭痛・発赤・充血・腫脹などの症状
  • 口内炎における口内痛および口内粘膜アフター

 

医療におけるトラネキサム酸の基本的な効能効果としては、「止血作用・抗炎症作用・抗アレルギー作用」であり、美白作用を目的とした薬剤ではありません。

トラネキサム酸は比較的古い医薬品であり、非常に多くの方に使用されてきた(されている)歴史のある薬剤です。

 

医療におけるトラネキサム酸の用法用量

医療におけるトラネキサム酸の用法用量には以下のようなものがあります。

  • トラネキサム酸として、通常成人1日750〜2,000mgを3〜4回に分割経口投与する
  • トラネキサム酸として、通常成人1日250〜500mgを1〜2回に分けて静脈内又は筋肉内注射する
  • 術中・術後等には必要に応じ1回500〜1,000mgを静脈内注射するか、又は500〜2,500mgを点滴静注する

 

トラネキサム酸には経口薬と注射薬があり、どちらの剤形においても、確かな効果が認められています。

 

トラネキサム酸の副作用

トラネキサム酸の副作用としては、悪心、嘔吐、食欲不振、下痢などの消化器症状などが報告されていますが、基本的には安全な薬剤です。

 

【禁忌】トラネキサム酸の注意点

トラネキサム酸の注意点としては、「トロンビンを投与中の患者への使用が禁忌」ということが挙げられます。

トラネキサム酸とトロンビンを同時に使用することはできないということです。

トロンビンとは止血剤として用いられる薬剤であり、何らかの疾患を治療するためにトロンビンを使用しているという方は、必ず医師に申し出るようにしましょう。

 

美容医療におけるトラネキサム酸

ではここからは、今回のメイントピックである「美容医療におけるトラネキサム酸の効果」を解説していきます。

トラネキサム酸の基本的な使用方法や注意点は、美容医療でも医療でも同様です。

投与方法としては経口薬もしくは注射薬があり、注意すべき点はトロンビンとの併用です。

 

美容医療におけるトラネキサム酸のメカニズム

シミや肝斑など、色素沈着の原因となるのはメラニンです。

紫外線やニキビなどの影響によってメラニン色素が生成され、そのメラニン色素が過剰に蓄積していくことで肌に色素沈着が生じます。

10代や20代などの若い世代であれば、肌の代謝やターンオーバーが活性化されているため、多少メラニン色素が生成されたとしても、過剰に蓄積してしまう(シミになってしまう)というリスクは少ないです。

しかし、年齢とともに肌のターンオーバーが低下し、代謝も落ちていくため、どうしてもメラニン色素が蓄積しやすくなってしまいます。

そのため、30代以降の方がシミを予防していくためには、「そもそもメラニン色素を生成させない」ことが重要になり、メラニン色素を生成させないようにするのがトラネキサム酸です。

トラネキサム酸の薬理作用には「抗プラスミン作用」や「プロスタグランジン抑制作用」などがあり、これらの薬理作用を通してメラニンの生成を阻害します。

以上をまとめると、トラネキサム酸は、「メラニンの生成を阻害することで、シミや肝斑などの色素沈着を予防する」ということになります。

 

すでに出来たシミには効果がないの?

繰り返しますが、トラネキサム酸の効果は「メラニン生成を抑制する」ということです。

すでにできているシミを消していくという作用ではなく、肌のターンオーバーを促進するということでもありません。

そのため、トラネキサム酸の効果としては、将来的なシミや色素沈着を未然に予防していくというようなイメージの方が近いのかもしれません。

しかし、トラネキサム酸は、「すでにできてしまったシミや肝斑」に対しても効果があります。

メラニンというのは日々の生活の中でも徐々に蓄積されてしまいます。

日常生活の中でどうしても当たってしまう紫外線(生活紫外線)、ニキビや虫刺されなどの皮膚の炎症、かゆみなどで皮膚をかいてしまった跡など、どれだけ生活に気をつけていたとしても、様々な理由でメラニン色素は蓄積されていきます。

しかし、日常的にトランサミンを使用することで、メラニン色素が蓄積されないように予防していくことが可能となり、自然な肌の代謝によって、既にできてしまったシミをどんどん消していくことができるようになる可能性があります。

トランサミンが直接的にアプローチするのはメラニン生成の抑制ですが、メラニンの蓄積を阻害することで、間接的にすでにできてしまったシミに対してもアプローチすることが可能となります。

 

トラネキサム酸の投与方法は?

美容医療におけるトラネキサム酸の投与方法としては、経口もしくは注射(点滴)があります。

トラネキサム酸を外用薬のようにして肌に塗布するといったような使用方法が提案されることがあるようですが、あくまでも、

トラネキサム酸の用法用量としては「経口もしくは注射」です。

トラネキサム酸を肌に直接塗布するといったことを提案された際には、少し怪しい話である可能性が高いため注意しましょう。

トラネキサム酸の有効性が確認されているのは、「経口投与」と「注射投与」です。

 

市販のトラネキサム酸を使用するのは大丈夫?

実は市販の風邪薬などにもトラネキサム酸が配合されていることがあり、ドラッグストアなどでトラネキサム酸配合の風邪薬を購入することも可能です。

トラネキサム酸には喉や鼻などの粘膜の炎症を抑えるといった効果が確認されており、扁桃炎や咽頭炎、風邪などの喉の痛みに対して有効性が期待できます。

そのため、市販の風邪薬の中には「トラネキサム酸配合」といったようなものも存在しており、トラネキサム酸配合の風邪薬で美肌効果が得られるといったような「かなり危険な使用方法」がシェアされていることもあります。

しかし、この方法は絶対にオススメすることができません。

市販の風邪薬の中には、トラネキサム酸以外に様々な成分が配合されています。

鼻水を止めたり、体をリラックスさせるための成分などが配合されていることも多く、これらの成分は「風邪薬で眠くなる」、「風邪薬で頭がぼーっとする」といった副作用の原因にもなります。

風邪を引いて熱がある、鼻水がひどくて辛い、咳があって喉も痛いなど、本当に風邪の症状に悩んでいるのであれば市販の風邪薬を使用するというのは問題ありません。

風邪薬を飲んで、しっかりと栄養補給をして、一刻も早く風邪を治すのが先決です。

しかし、「トラネキサム酸が配合されているから」という理由で風邪薬を飲むのは絶対にいけません。

たしかに、トラネキサム酸にはメラニン生成阻害作用があり、トラネキサム酸を摂取することで美肌効果や美白効果が得られる可能性はあります。

とはいえ、風邪薬で無理やりトラネキサム酸を摂取するのはリスクが高く、賢い方法とは言えません。

美白効果のためにトラネキサム酸を摂取したいという方は、まずは美容クリニックに相談しましょう。

 

間違ったトラネキサム酸の使用方法はやめましょう!

今回は、美容医療で用いられるトラネキサム酸のメラニン生成抑制効果についてご紹介しました。

トラネキサム酸は、医療現場で活躍し続けている優秀な医薬品です。

そんなトラネキサム酸を美容医療に応用していくことで、メラニンの生成抑制効果や美白効果といった、嬉しい作用が期待できます。

一方、トラネキサム酸は医薬品であり、用法用量を守って、専門家の指導のもとで使用されるべき成分です。

美白効果があるからといって、気軽に摂取して良いものでもありません。

トラネキサム酸を使って美白効果を発揮したいという方は、ご相談ください。

トラネキサム酸を使用する最適な治療方法をご提案しながら、安全にトラネキサム酸を投与いただける方法をご説明させていただきます。

 

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このページの監修・執筆医師

  • 久次米 秋人(くじめ あきひと)

    久次米 秋人(くじめ あきひと)

    • 略歴

      • 1983年
        金沢医科大学医学部 卒業
        1983年
        高知医科大整形外科入局
        1989年
        東京本院(品川)開院
        2002年
        本院を新宿に移転
        2013年
        銀座院院長就任
        2018年
        第107回日本美容外科学会 学会長就任
    • 主な加盟団体

      日本美容外科医師会理事
      日本形成外科学会会員
      日本美容外科学会会員
      日本美容外科学会認定専門医
      日本脱毛学会会員
      北米脂肪吸引形成外科学会会員
      日本坑加齢美容医療学会会員

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