テストステロン補充にはリスクがある?副作用について美容外科医が解説
最終更新日: 2024年12月18日 (水)

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テストステロン補充には副作用がある!?
テストステロンは男性ホルモンの一種で、このホルモンの働きによって男性機能や精神の状態が保たれています。
一方、テストステロンの体内量が減少すると心身の健康が低下することがあり、その改善対策として役立つのが、テストステロンの補充です。
しかし、テストステロンの補充では、見逃せない副作用のリスクもあると考えられています。
では、テストステロンの補充では、どのような副作用が起こることがあるのでしょうか。
それでは早速、テストステロンの補充方法別に、どのような副作用が起こりうるのかご紹介していきます。
テストステロン注射の副作用
テストステロン補充の治療として筆頭に挙げられるのは、注射によるテストステロン補充です。
この治療は注射1本で治療を受けられるというメリットはありますが、実は、肝機能障害や多血症などの副作用か起こることがあるのです。
テストステロンは男性ホルモンのため、注射によってテストステロンの体内量が急激に増えると、以下の副作用が起こりやすくなると考えられています。
ニキビの増加
ニキビができやすくなったり、ニキビの数が増えたりすることがありますが、それは、テストステロンには皮脂分泌を増やす作用があるためです。
たとえば、思春期の男性はニキビができやすくなりますが、これはテストステロンの分泌量が急激に増えることで起こります。
つまり、人工的にテストステロンの体内量を増やせば、その分だけニキビができるリスクが高まるということなのです。
体毛が濃くなる
頭髪は女性ホルモンの影響を受けて濃くなり、体毛は男性ホルモンの影響を受けて濃くなります。
つまり、テストステロン補充を続けることで、体毛やヒゲが濃くなる可能性があるということです。
また、男性ホルモンの体内量が多い方はAGA(男性型脱毛症)を引き起こしやすいといわれていますが、これはテストステロンが直接の原因になるわけではなく、悪玉男性ホルモンと、5-αリダクターゼという酵素が原因で起こります。
つまり、テストステロン補充は、AGAの直接原因にはならないということです。
それでもAGAになってしまったという方は、AGA治療内服薬で対処できますので、この点については医師に相談してみると良いでしょう。
女性化乳房
テストステロンを外部から補充すると、男性ホルモンと女性ホルモンの体内バランスが崩れ、その反応として、体内ではテストステロンの一部が女性ホルモンのエストロゲン変換されることがあります。
すると乳腺が刺激を受けて、女性化乳房という現象が起こります。
万が一この現象が起こった際には、対策用の内服薬を服用して様子を見ることになりますが、対策用の内服薬では肥満や関節痛などの副作用が起こることがあるのです。
女性化乳房は、テストステロン補充治療を受けたすべての方に起こるものではありませんが、このような副作用のリスクがあるということは知っておくべきでしょう。
精巣の萎縮
テストステロンは精巣(睾丸)で産生されるものであるため、テストステロンを外部から補充すると、脳は「テストステロンの産生ストップ」の指令を精巣に向けて発信します。
すると、精巣の機能そのものがストップして、精巣が萎縮するという副作用が起こりやすくなります。
つまり、男性不妊のリスクが高まるということですので、子宝に恵まれたいとお考えなら、テストステロン補充治療は見合わせる必要があるということですね。
抑うつ症状
テストステロン注射は、もともと男性更年期対策として用いられてきた治療です。
男性更年期の症状には個人差がありますが、多くの方は、「男性機能の低下」「やる気や集中力の欠如」「不安やイライラ」「焦燥感」などの症状を自覚します。
そして、テストステロンを外部から補充することで、男性更年期の諸症状を軽減できますが、テストステロン注射の治療後には、男性更年期のような抑うつ症状が現れることがあります。
なお、男性ホルモンの補充というと、心臓への影響も心配ですが、テストステロン注射で心臓疾患が悪化する心配はありません。
テストステロンブースターの副作用
テストステロンの体内量を増やす対策として役立つといわれているのは、テストステロンブースターと呼ばれるサプリメントです。
ここで気になるのは、サプリメントは医薬品ではないが、それでも副作用が起こることがあるのか?という問題なのではないでしょうか。
サプリメントの立ち位置は、医薬品ではなく栄養補助食品となっているため、気軽に摂取する方が多いという事実があります。
しかし、テストステロンブースターにはあらゆる種類があり、製品によって配合成分が異なります。
そして、口にしたテストステロンブースターの配合成分が体質に合わなかった場合には、頭痛や下痢、吐き気など、副作用とも捉えることができる症状が現れることがあるのです。
サプリメントには気軽に摂れるというイメージがありますが、製品によっては不調が起こる原因になることがあるため、慎重に摂取する必要があります。
また、何らかの内服薬を服用中の方は、自己判断でのサプリメント摂取はおすすめできませんので、かかりつけ医に相談の上で摂取を検討するよう注意しましょう。
テストステロンジェルの副作用
テストステロンジェルは、テストステロン配合ジェルを皮膚が薄い部分(二の筆の内側や太ももの内側など)に塗布することで、テストステロンを経皮で体内に送る方法です。
テストステロンジェルのいちばんのメリットは、肝臓にかかる負担が少ないという点にありますが、経皮であってもテストステロンを体内に送る以上、副作用がないわけではありません。
なお、テストステロンジェルには、ニキビや体毛の増加や血圧上昇などの副作用が起こるリスクがあります。
血液ドーピングについて
テストステロンは筋肉増量を担う男性ホルモンであるため、外部から補充する行為はドーピングに該当します。
そのため、プロ、アマを問わず、テストステロンを外部から補充した場合にはドーピング検査対象となります。
大会などに出場するのでなければ、テストステロンの補充はまったく問題はありません。
しかし、大会などに出場する場合には選手として扱われるため、テストステロンの補充には十分に注意する必要があるのです。
テストステロン補充の副作用は軽減できるのか
テストステロン補充には、それがどの方法であっても副作用のリスクがあることがわかりました。
では、万が一テストステロンの補充で副作用が起こった場合には、どのような処置を受ける必要があるのでしょうか。
副作用を抑える内服薬で対応
テストステロン注射で副作用が起こった場合には、治療を一時的に中止した上で、症状に応じた内服薬を服用して様子を見ることになります。
ただし、テストステロン補充で起こった副作用に用いられる内服薬でも副作用が起こることがあるため、内服薬の投与は慎重に行わなくてはなりません。
たとえば、精巣に萎縮が起こった場合の内服薬には、眼症状や精神症状が現れるリスク、AGA治療薬のフィナステリドには男性機能の低下や性欲減退などのリスクがあります。
つまり副作用治療で新たな副作用が起こるということですね。
もちろん、副作用はすべての方に起こるものではありませんが、副作用対策として服用した内服薬で新たな副作用が起こるリスクはゼロではありませんので、この点については、医師からしっかりと説明を受けておく必要があるでしょう。
テストステロンブースターやジェルの使用に際する注意点
テストステロンブースターは、サプリメントという安心から、推奨量よりも多い量を服用する方がいます。
しかし、テストステロンブースターは、一度に大量に摂取したとしても、すぐに効果を実感できるものではなく、数か月間継続して服用して初めて効果を実感できます。
テストステロンブースターの副作用については上記でもご紹介しましたが、一度に大量服用をすると、本来であれば少なくて済んだはずの副作用が増長するリスクが高まります。
サプリメントとはいえ、テストステロンスターは男性ホルモンの体内量を増やす作用があるため、摂取については細心の注意を払う必要があるでしょう。
なお、テストステロンブースターでつよぁ副作用が起こった場合には、テストステロンブースターの摂取を中止して、専門医に相談することをおすすめします。
テストステロン補充は医師に相談しましょう
テストステロン補充には、男性更年期による諸症状の緩和効果を期待できますが、その一方で、副作用のリスクが伴います。
たとえば、テストステロン注射であれば、医師によって注射のスパンやテストステロンの注入量に関する管理を受けられるため、万が一の副作用にも即時対応できます。
一方、テストステロンブースターやジェルでは、自己判断で誤った量を使用してしまうと、思いもよらぬトラブルに見舞われるリスクが高まるのです。
テストステロンの体内量を増やしたいなら、どの方法を選ぶにせよ、まずは医師に相談して、適切な方法を選択する必要があるでしょう。
細川バレンタインさんが医師に相談している様子をご紹介します。
テストステロン補充は慎重に!
今回は、テストステロン補充で起こる可能性がある副作用についてご紹介してきました。 カウンセリングや施術のご相談など、
男性更年期で男性機能の低下などの症状が現れると、直ちにテストステロン補充を行って、元の自分を取り戻したいと考えるかもしれません。
しかし、テストステロン補充を簡単に考えていると、副作用に見舞われて驚く可能性があるのです。
男性更年期の諸症状でお困りなら、まずは専門医に相談し、症状に対応できる方法で、テストステロンの体内量増加を目指しましょう。
テストステロン補充について、医師の磯野がyoutubeで説明しています。
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