ニキビ跡の治療法は?クレーターや色素沈着の原因について美容外科医が解説
最終更新日: 2023年08月30日 (水)
ニキビ跡の種類
ニキビ跡は大きく分けて患部がへこんだ状態になるクレーター状の跡、そして皮膚に色素が残ってシミのような状態になる色素沈着タイプの跡に分類されます。
クレーター状のニキビ跡と色素沈着を起こしたニキビ跡について詳しく解説します。
クレーター状のニキビ跡
ニキビが改善した後、患部に針やアイスピックでつついたような小さな穴が開いた状態になることがあります。
これがクレーター状のニキビ跡です。
クレーター状の跡ができる原因としては、ニキビができていた時に炎症が皮膚の奥の層にまで進行すること、またニキビを自分で潰した時の刺激で皮膚の組織が損傷してしまうことが挙げられます。
いずれの原因においても表皮の下の真皮と呼ばれる層にダメージが加わることがクレーター状のニキビ跡の発生に関わっています。
皮膚を構成する一番外側の層である表皮は傷付いても再生する場合が多いのですが、真皮に関しては皮膚の層を生まれ変わらせるターンオーバーの機能が備わっていないことから、一度傷付くと再生させるのは困難です。
そのため真皮が損傷したことで発生したクレーターは、自然回復があまり見込めないという特徴があります。
色素沈着を起こしたニキビ跡
ニキビが治った後、ニキビのあった部分が色素沈着を起こすケースがあります。
そうしたタイプのニキビ跡の多くは茶色っぽいシミのように見えます。
ニキビ跡が茶色く色素沈着を起こす原因は、シミの原因にもなるメラニン色素が大量に作られてしまうことです。
ニキビの炎症の進行やニキビが潰れることが原因で皮膚に大きなダメージがもたらされ、メラニン色素を生むメラノサイトがダメージに反応しメラニン色素を大量に作り出します。
さらにターンオーバーのペースが鈍ることによって、メラニン色素が排出されず肌に残ってしまうのです。
茶色く色素沈着したニキビ跡の他にも、ほんのり赤いニキビ跡ができることもあります。
赤いニキビ跡の場合はニキビの治癒後も炎症が肌に残ってしまうことで発生するケースが多いです。
医療機関で行われるニキビ跡の治療
皮膚科や美容外科などでは、ニキビ跡を目立ちにくくするための治療が受けられる場合があります。
具体的な施術内容としては「ピーリング」や「ダーマペン」などが挙げられます。
ピーリング
ピーリングとは、皮膚の角質層に蓄積されている古い角質を取り除く施術です。
施術では「フルーツ酸」「サリチル酸」などといった、角質を軟らかくし剥がれやすくする薬剤を塗りますが、使用する薬剤は医療機関によって異なります。
薬剤を塗布する際麻酔を必要とする程の痛みを感じる可能性は低いですが、人によっては薬剤を塗った時やピーリングが終わった後にピリピリする感覚やかゆみが生じることがあります。
肌が敏感な場合は施術前に医師に相談するようにしましょう。
ピーリングの効果として、皮膚のターンオーバーの機能が促進されます。
何回かに渡って施術を継続することで、当初目立っていたニキビ跡も次第に薄くなるという効果が期待できます。
ピーリングはニキビ跡だけでなくニキビそのものやシミ、シワなど幅広い肌の悩みを改善させる効果が見込める施術ですが、医療機関でしか受けることができません。
最近ではマッサージピールという、トリクロロ酢酸(TCA)と低濃度過酸化水素を使用したピーリングも主流になっています。
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ダーマペン
ダーマペンとは、ペンのような形状の機器ダーマペンを用いる施術です。
ダーマペンには極細の針が付いており、その針で皮膚に小さな穴を開けます。
肌をあえて傷付けて皮膚の再生力を引き出すことでニキビ跡の改善を図るのです。
また施術中の痛みが心配な方もいるかもしれませんが、ダーマペンの施術を行う場合、医療機関の判断により麻酔をするケースが多いです。不安な方は、事前に事前に痛みや麻酔について確認しておきましょう。
ニキビ跡の状態によってはピーリングと並行して、ダーマペンの施術が行われることもあります。
なお、ダーマペンはニキビ跡のケアだけでなく、シワや毛穴の開き、たるみを改善させる目的でも使われることがあります。
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レーザー治療
皮膚科や美容皮膚科などにおいてレーザーはシミ取りやシワ、たるみの改善、また医療脱毛などあらゆる施術で用いられます。
ニキビ跡の改善にもレーザーを使った治療が行われる場合があります。
レーザー治療によってニキビ跡をケアする場合、跡の状態によって異なる種類のレーザーを施術に用いる医療機関が多いです。
例えばクレーター状のニキビ跡を改善する場合はダーマペンのように皮膚に小さな穴を開けるタイプのレーザーを当て、皮膚の再生力でニキビ跡の改善を図ります。
色素沈着を起こしているタイプのニキビ跡に対しては、メラニン色素を破壊する特性を持つレーザーを照射することでニキビ跡が目立ちにくくなる効果が期待できます。
施術時は痛みを伴う可能性があることから麻酔を用いることが多いです。
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ニキビ跡は自力で消せるのか
ニキビ跡を自力で完全に治すのはほぼ不可能です。
ニキビ用の市販薬や化粧水、美容液の中には「クレーターが消える」「ニキビ跡の色が薄くなる」とアピールする商品もありますが、それらの商品で完全にニキビ跡が消える可能性は低いでしょう。
クレーター状のニキビ跡についても色素沈着を起こしたニキビ跡についても、跡が残ってしまった以上ご自宅でのケアだけで完全に消すことは困難です。
また、炎症が残るタイプのほんのり赤いニキビ跡の場合はセルフケアや自然回復によって改善することがありますが、炎症が軽度であったケースのみです。
多くのニキビ跡はセルフケアだけで改善させるのが難しいため、どうしてもニキビ跡を消したいという場合は医療機関で肌の状態に合ったケアを受けることをおすすめします。
なお、セルフケアでニキビ跡が改善しないからといってスキンケアを怠ることはやめましょう。
洗顔や保湿、紫外線対策といったスキンケアをしないと、新しいニキビができやすくなったり、今できているニキビが悪化してニキビ跡が今より増えてしまう恐れがあるからです。
クレーター状のニキビ跡をメイクで隠す方法
クレーター状になったニキビ跡は自然回復は見込めませんが、メイクのやり方を工夫することで目立ちにくくすることは可能です。
クレーターを隠す場合ファンデーションをただ塗り込むのではなく、ベースメイクをしっかり行いましょう。
もちろんご自身の肌に合ったコスメを選ぶことも大切です。
リキッドファンデーションをクレーター部分中心に付ける
ファンデーションやフェイスパウダーを付ける前に、下地として薄付きのリキッドファンデーションを塗るのがおすすめです。
顔全体に馴染ませても問題ありませんが、クレーター部分にはやや多めにリキッドファンデーションを付けると仕上がり時いっそうニキビ跡が目立ちにくくなります。
コンシーラーを重ね塗りする
リキッドファンデーションを馴染ませたらクレーター部分をより目立ちにくくするためにコンシーラーをニキビ跡に塗りましょう。
コンシーラーはこの後に塗るファンデーションより1トーン明るい色を選ぶとナチュラルな仕上がりが期待できます。
コンシーラーを塗ってもニキビ跡が目立つ場合は、コンシーラーの後にさらにリキッドファンデーションを塗り重ねましょう。
ファンデーションは押し当てるように付ける
仕上げとしてファンデーションを付けます。
パウダータイプのファンデーションをパフに多めに付け、肌にこすり付けるのではなく押し当てるように付けましょう。
パフをこすり付けたりブラシでファンデーションを付けると、クレーターを隠したリキッドファンデーションやコンシーラーが薄くなってしまう恐れがあります。
またフェイスパウダーを付ける際もパフを押し当てるようにして肌に馴染ませましょう。
チークはマット系がおすすめ
チークを付ける場合、ダークカラーのチークや光沢のあるパール入りのものを付けてしまうとクレーターの凹凸が目立ってしまう恐れがあります。
チークを使うのであれはマット系のカラーを選ぶとニキビ跡が目立ちにくくなります。
色素沈着ができた時のメイクで隠す方法
色素沈着を起こしたニキビ跡をメイクで隠す場合も、コンシーラーなどのベースメイク用コスメを使用することでニキビ跡が目立たなくなる効果が期待できます。
コンシーラーでニキビ跡を覆う
ファンデーションやフェイスパウダーを塗る前に、まずコンシーラーを塗っておくとカバー力がアップします。
コンシーラーはニキビ跡のある部分に円を描くように塗りましょう。
コンシーラーを塗った後は、指でコンシーラーの輪郭を軽く叩いてぼかしておくと塗り込んだような仕上がりになりにくいです。
赤みのあるニキビ跡にはグリーン系コンシーラーを
赤みのあるニキビ跡に対しても、ファンデーションの前にコンシーラーを塗っておくのがおすすめです。
赤いニキビ跡を隠す場合は、グリーン系のコンシーラーを選ぶと良いでしょう。
グリーンには赤い色を打ち消す効果があるので、赤みを目立ちにくくするのに適しています。
グリーン系のベースメイク用コスメはニキビ跡の他、赤ら顔にもおすすめです。
グリーン系のコンシーラーやコントロールカラーを塗っておくと頬や鼻の赤みが目立ちにくくなる効果が期待できます。
グリーン系のベースメイク用コスメの多くは淡いミントグリーンに見えますが、肌に付けた時肌が緑色っぽくなるという心配はありません。
赤みの気になる部分に塗ることで色が混ざり自然な色に仕上がります。
本記事では、ニキビ跡の治療方法についてご紹介しました。
ニキビでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
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