シリコンバックの豊胸手術のダウンタイムや傷跡の経過などを美容外科医が解説
最終更新日: 2024年03月25日 (月)
「シリコンバッグの豊胸は安く豊胸できるからやってみたい。」という方も多いかもしれません。
しかし、シリコンバッグの豊胸には「ダウンタイム」というデメリットがあることをご存じでしょうか。
本記事では、シリコンバッグの豊胸の「ダウンタイム」について解説します。
どんな症状が現れるのか?期間はどのくらいなのか?など、気になる方が多いであろう質問にお答えしていきます。
ダウンタイムの症状は?
シリコンバッグの豊胸の主なダウンタイム症状は胸の腫れ、むくみ、痛み、かゆみ、違和感などです。
症状自体は他の豊胸手術で起こるダウンタイムの症状とあまり変わらず、一般的な豊胸手術のダウンタイムとほとんど同じです。
ただし、他の豊胸手術では注入は注射器で行うため、胸への負担が少なくシリコンバッグの豊胸に比べると注入部分のダウンタイムが少ない傾向にあります。
シリコンバッグの豊胸の場合には、バッグを挿入する際にメスを入れて挿入部分を開くため、挿入部分の傷の痛みが強く出ることがあります。
ダウンタイムの症状には個人差がありますが、ひどい場合だと手術の翌日は痛みでベットから動くことができないといったケースや、寝返りをうてない、少しの衝撃でも強い痛みが胸に走るというケースもあるでしょう。
シリコンバッグの豊胸の場合には、挿入するバッグの大きさや挿入部位によってダウンタイムの痛みの強さや期間なども変動することがあります。
中でも最も痛みが強いと言われているのが大胸筋下(だいきょうきんか)への挿入です。
痩せ型の方に多い挿入方法で、大胸筋を剥離して挿入する必要があり、手術も複雑であるためダウンタイムも大きくなります。
ダウンタイムの症状の強さは、シリコンバッグの豊胸の最大のデメリットと言えるでしょう。
ダウンタイムの期間は?
シリコンバッグの豊胸のダウンタイムの期間は他の豊胸手術に比べて少し長く、1カ月~2カ月と言われています。
シリコンバッグの豊胸はダウンタイムの症状も強く、期間も長いということで、不安に感じる方も多いかもしれません。
痛みなどのダウンタイムの症状が出るのは術後1~2週間程度と言われており、時間に融通がきく方はまとまった休暇を取るのがおすすめです。
なお、挿入したバッグが完璧に体に馴染むまでには半年以上の時間がかかります。
また、シリコンバッグの豊胸では傷口の経過も心配な点の一つでしょう。
バッグ挿入時にはできるだけ人の目に触れない部分を選んで手術を行うため、注意していれば周囲にバレないことも多いです。
しかし、「周りには絶対バレたくない。」「バレるリスクを背負いたくない。」という方には不向きな手術方法かもしれません。
人によっては、ダウンタイムの間に人工物であるバッグに対して体が拒否反応を起こし、炎症・硬化などのトラブルを引き起こすケースがあるので注意が必要です。
どの豊胸手術方法であっても、ダウンタイムの間はしっかりと経過を観察しておくことが重要です。
ダウンタイムについてのQ&A
ここからはシリコンバッグの豊胸のダウンタイムについてのご質問にお答えしていきます。
Q1.ダウンタイム中の過ごし方での注意点は?
A.シリコンバッグの豊胸のダウンタイム中は、その過ごし方にも注意が必要です。
まず、痛みなどの症状がひどくなる可能性が高いため、動き回ったりしないようにしましょう。
また、挿入したバッグがずれてしまわないよう術後3日程度はバストバンドを使用して胸を固定しておく必要があります。
バストバンドをしている2~3日の間はシャワーや入浴もできません。
また、重い荷物を持ったり、激しい運動をするのも避けましょう。
メスを用いて行うシリコンバッグの豊胸は、美容手術の中でも傷口が大きくなる可能性が高く、安定するのにも時間がかかります。
何かの拍子に出血してしまうということも少なくありません。
ダウンタイムが治まるまでは、体にも大きな負担がかかっている状態です。ダウンタイムの症状が出ている間は無理をせず、ゆっくりとした動きを心がけましょう。
飲酒や喫煙なども体に大きな負担となるため、控えるようにしましょう。
ダウンタイム中の経過次第では入院を要する場合もありますので、しっかりと経過を確かめておく必要があります。
何か少しでもおかしいと感じた場合には、すぐに担当医師に相談するようにしてください。
Q2.仕事復帰はいつからできるの?
A.シリコンバッグの豊胸の場合にはダウンタイムの症状が長期間続くことが考えられます。
最低でも2~3日はダウンタイムの症状の経過を見る必要があります。
経過次第ではその後も通院などが必要になることもあるでしょう。
また、強い痛みは1~2週間程続きます。
その間には強い鎮痛剤が処方されることが多く、鎮痛剤で痛みを調整しながら生活を行うことになります。
鎮痛剤を飲めば治まるという方もいますが、体に大きな負担がかかっていることには間違いありません。
早く安定させるために必要なことは、できるだけ安静に傷口を休めることです。
そのため、立ち仕事や重い荷物を運ぶ仕事、動き回る仕事などの場合には、医師と相談して別の豊胸方法を検討するか、事前に対策を立てておく必要があります。
どのくらい休みを取ることができるのかも、豊胸手術の方法を決める上で大きな指針になると言えるでしょう。
Q3.他の豊胸手術と比較するとダウンタイムがシビアって本当?
A.ここまでお伝えしてきた通り、シリコンバッグの豊胸はヒアルロン酸注入豊胸や脂肪注入豊胸の手術と比較するとダウンタイム症状が強く、長いとされています。
その中でも最も気をつけるべき点は痛みや出血です。
ヒアルロン酸や脂肪注入の場合、痛みは筋肉痛のようなものであることがほとんどです。そのため、内勤業務であれば仕事をする上でも大きな支障はないでしょう。一方、シリコンバッグの豊胸の場合は安静にしていなければなりません。
また、シリコンバッグの豊胸では鎮痛剤も強いものを処方されるケースが多く、それだけ痛みが強いということが分かります。
シリコンバッグの豊胸の場合、メスを使用した箇所に数センチの傷口ができてしまいます。
その傷口が安定するまでは、衝撃によって出血してしまうことも多いです。出血を繰り返すと傷口が悪化してしまったり、回復が遅くなる恐れもあります。
また、安静にしていないとバッグが体内で移動して、左右差が出てしまう可能性があり、仕上がりに影響してしまいます。
安価でできる豊胸手術である「シリコンバッグの豊胸」ですが、他の豊胸手術方法と比較するとダウンタイム期間がシビアであると言えるでしょう。
バッグの種類やサイズによっては症状が軽減できることもありますので、気になる方は医師に相談しながら手術方法を決めることをおすすめします。
シリコンバッグの豊胸の手術後のトラブルとは?
カプセル拘縮
カプセル拘縮は、10人に一人は発症すると言われている代表的なトラブルの一つです。
挿入したシリコンバッグを体が異物だと認識し、豊胸バッグの周りに被膜を覆ってしまいます。
それ自体は体の正常な動きです。しかし、放置すると被膜がどんどん厚くなり、バッグが締め付けられることでバッグにダメージを与えます。
カプセル拘縮は手術後2~3ヶ月で現れる場合もあれば、手術から10年後に現れる場合もあるでしょう。
症状としては、軽くちくちくする違和感があります。
また、胸にぼこっと不自然な盛り上がりができたり、炎症による痛みを伴う場合があります。カプセル拘縮が起こると硬くなるため、自分でも気付けるでしょう。
共立美容外科ではカプセル拘縮にならないように手術を行っていますが、カプセル拘縮になる場合は体質の問題が大きく、手術が失敗したからカプセル拘縮になるというわけではありません。
そのため、カプセル拘縮への対応としてバッグを入れ替えても、再度カプセル拘縮が起こる確率が高いので、一度バッグを取り除いて、その後に脂肪注入など他の豊胸手術を行うことを推奨しています。
不安になった場合は、手術を行ったクリニックに連絡しましょう。
石灰化
石灰化とは、豊胸バッグを包み込んだ被膜にカルシウムの結晶が付着して固まってしまう現象のことです。
石灰化が起こるとエコー検査で内部を映すことができないため状況が確認できません。
バッグの破損の原因などになるわけではなく、20年、30年たって古くなると起こってしまう現象で、石に苔(こけ)が生えるようなイメージです。
石灰化したからといってバッグを抜く必要はありません。
また、石灰化しても感触が硬くなるわけではありません。むしろカプセル拘縮が起こった場合の方が硬くなります。
シリコンバッグ豊胸の傷跡
この画像は手術直後の傷跡です。
脇を切開してシリコンバッグを挿入するため、手術後の数年間傷跡が残ります。
傷跡の経過としては、半年から1年は残りますが、1年たてばあまり気にならなくなる程度になるでしょう。
この画像のように脇の下の体のシワに沿ってメスを入れるため、時間が経てば経つほど傷はシワと同化して傷跡は目立たなくなります。
そして、2年~3年でほとんど気にならなくなるというケースが多いです。
手術後の痛みについて
シリコンバッグの豊胸のデメリットが「ダウンタイム期間の痛み」です。
中には痛みで動けなくなる方もいます。
そのため、手術翌日にすぐに仕事復帰をしたい、学校に行きたいというような忙しい方には難しいかもしれません。
シリコンバッグを挿入する位置にもよりますが、大胸筋下(だいきょうきんか)に挿入した場合の方が乳腺下(にゅうせんか)に挿入した場合に比べて痛みが強く出ます。
大胸筋下に挿入する際は筋肉をはがしてシリコンバッグを挿入するためです。
痛みに対応するためには、手術後は安静にして、痛み止めの薬や座薬で痛みをコントロールする必要があります。
痛みがでる期間には個人差がありますが、大胸筋下にシリコンバッグを挿入する手術をした場合は手術後1週間程度、乳腺下に挿入する手術をした場合は手術後2~3日程度は仕事や学校を休んだ方がいいかもしれません。
リスクを最小限に減らしたい
シリコンバッグは確実に胸が大きくなるという理由から、代表的な豊胸手術の一つとなっています。
しかし、挿入するシリコンバッグは人工物であり、体に合わなければ体が拒否反応を起こして何らかの症状が出てきてしまうこともあります。
どの手術方法にもリスクやデメリットはありますが、リスクをできるだけ回避したいという方にはあまり向いていない手術方法かもしれません。
その場合は、コンデンスリッチ豊胸など、自分の脂肪で大きくする豊胸術の方が良いでしょう。
まとめ
シリコンバッグの豊胸の大きなデメリットでもある「ダウンタイム」。
しかし、シリコンバッグの豊胸にはデメリットだけでなくメリットもあり、低価格で確実に胸を大きくできるという豊胸手術であることは間違いありません。
また、最近ではシリコンバッグも様々な種類のものが開発されており、リスクを軽減することも可能になっています。
特に「モティバ」は破れても中身が外に出ない優秀なシリコンバッグです。
豊胸手術は、同じ手術方法でも医師の技術によって仕上がりに差がつきます。
クリニックを選ぶ場合は、値段ではなく技術で選ぶようにしましょう。
術後のダウンタイムも想定して、しっかりアフターケアをしてくれるクリニックで手術するのがおすすめです。
▼シリコンバッグの豊胸手術「モティバ」の料金や手術方法についての詳細はこちら
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