シリコンの豊胸バッグを除去するには保険適用か医師が解説
最終更新日: 2024年03月25日 (月)
数ある美容整形手術の中でも豊胸バッグは人気のある手術です。
豊胸バッグには長期間美しいバストの形状を保てるというメリットがありますが、場合によっては除去が必要になることもあります。
では、豊胸バッグ除去は保険適用で受けられるのでしょうか。
本記事では、豊胸バッグ除去が必要になる場合や保険適用できるかどうかについてご紹介します。
豊胸バッグ除去が必要になる場合とは
豊胸バッグは基本的には頻繁に入れ替える必要はなく、一度挿入すれば長期間美しい形状を保てるという特徴があります。
しかし、豊胸バッグに何らかの問題が生じた場合は、除去を検討しなければなりません。
それでは、どのような問題が発生したときに除去が必要になるのでしょうか。
手術後の炎症
豊胸バッグの手術は衛生面に配慮した環境で行われますが、ごくまれに感染症を引き起こすリスクがあります。
感染症を発症すると炎症が起こり、そのままの状態では危険なため、豊胸バッグを除去することがあります。
カプセル拘縮が起こっている
豊胸バッグを挿入すると、数カ月かけてバッグの周囲に皮膜が形成されて定着します。
このように皮膜が形成されるのは、異物を体内に挿入したことに対する防衛反応で、皮膜を形成することで組織に馴染ませるためです。
つまり、皮膜の形成は豊胸バッグ挿入後には必ず起こる現象です。
ところが、皮膜が厚くなりすぎるとバッグを収縮させて硬くなり、外部から触れただけで分かるほどの硬さになることがあります。
これをカプセル拘縮と言います。カプセル拘縮が重症化すると変形のリスクも高まるため、豊胸バッグ除去を検討する必要性があるでしょう。
豊胸バッグの破損
豊胸バッグの破損はめったに起こることではありませんが、強い衝撃を受けた際などには、破損することがあります。
豊胸バッグの種類によっては、破損したとしてもバッグの内容物が内部に押し込まれるタイプもありますが、特に古いタイプの豊胸バッグの中には、内容物が周囲に飛び出すタイプもあります。
いずれの場合でも、破損した豊胸バッグをそのままにしていると炎症などのリスクが高まるため、除去が必要になるでしょう。
バストに腫瘍が見つかった場合
バストに腫瘍が見つかった場合も、豊胸バッグの除去を検討しなければなりません。
なお、豊胸バッグを挿入するとマンモグラフィーを受けられないため、乳がんの早期発見が難しくなる場合があります。
その予防策として行っていただきたいのが胸部レントゲン検査です。乳がんの早期発見のためにも胸部レントゲン検査を受けるようにしましょう。
バストにしこりがある場合は腫瘍の疑いもあります。少しでもおかしいと感じたら、豊胸バッグの手術を受けた美容外科に相談し、適切な処置を受けることが大切です。
豊胸バッグ除去は保険適用で受けられる?
豊胸バッグの手術を検討する際に気になるのは、除去が必要になった場合に保険適用になるのかという点でしょう。
豊胸バッグ除去費用を保険適用で受けられれば、もし除去することになったとしても費用を抑えられますが、実際のところはどうなのでしょうか。
豊胸バッグ除去費用は保険適用外治療
豊胸バッグは、挿入・除去ともに保険適用外の治療です。
豊胸バッグの挿入や除去は美容目的で行われるものであり、病気や怪我などで必要に迫られて行われる治療とは区別されているからです。
これは、「人工物の放置が心配だから除去したい」という自己都合だけでなく、豊胸バッグの劣化による変形や、衝撃を加えたことによるバッグの破損の場合でも同様です。
例えば、交通事故で豊胸バッグが破損した場合でも豊胸バッグの除去は保険適用にはなりません。
このように、豊胸バッグ除去はいかなる場合でも保険適用外であるため、これから豊胸バッグ挿入の手術をお考えの方は、将来除去する可能性も加味して手術を検討するようにしましょう。
豊胸バッグ除去にかかる費用について
豊胸バッグ除去の費用は、美容外科によって異なります。最安値では両側100,000円前後で受けられるところもありますが、400,000円以上となっている美容外科もあります。
ただし、どの美容外科でも他院で挿入した豊胸バッグの除去に関してはやや割高な料金設定となっていることが多いため、豊胸バッグの除去をする場合はできるだけ挿入手術を受けた美容外科を選ぶと良いでしょう。
そして覚えておきたいのは、カプセル拘縮の有無で除去料金が異なる場合があるということです。カプセル拘縮がある場合では、そうでない場合よりも豊胸バッグの除去費用が高額になる可能性があります。
また近年では、他院で受けた特定の豊胸バッグの除去を無料で行う美容外科もありますが、このような美容外科で豊胸バッグ除去を受けたとしても、その後の治療に関しては無料ではなく有料となり、保険適用外です。
なお、この場合では無料になるのは特定の豊胸バッグの除去に限られており、その他の豊胸バックでは保険適用外の通常料金となります。
形成外科の外科治療は保険適用治療
形成外科の中には、美容皮膚科や美容外科を併設しているところがあります。これらの科で治療を受ける場合は保険適用外治療です。
一方、形成外科や皮膚科治療の場合は保険治療です。
例えば、皮膚科ではニキビや皮膚炎、ウオノメ、巻き爪などの治療、形成外科では、眼瞼下垂(がんけんかすい)やわきが治療(剪徐法(せんじょほう))、しこりやほくろの除去などが保険適用治療の対象となります。
なお、わきが治療においては剪徐法のみが保険適用の対象であり、超音波法などの治療は保険適用外であるため注意が必要です。
知っておきたい豊胸バッグ除去の基礎知識
豊胸バッグの除去は、「挿入した豊胸バッグを取り出すだけなのだから簡単なのでは?」と思うかもしれません。
しかし、豊胸バッグ挿入後にはバッグの周囲に皮膜が形成されるため、除去にあたっては皮膜ごと取り出す必要があり、そのためには高い技術力が必要です。
つまり、豊胸バッグ除去の際には、豊胸バッグ挿入時よりも慎重に美容外科を選ぶ必要があります。
また、豊胸バッグ除去手術を受ける際には、リスクがあるということも知っておかなくてはなりません。
ここからは、豊胸バッグ除去のメリットやデメリット、副作用についてご紹介します。
メリット
豊胸バッグを除去すると、バッグ挿入以前のバストに戻れます。
挿入した豊胸バッグが大きすぎたり小さすぎたりした場合でも、除去することで元のバストに戻し、そこから別の方法での豊胸術を検討することもできるでしょう。
また、経年によるバッグ劣化による破損といったトラブルを未然に防げるメリットもあります。
デメリット
豊胸バッグ除去は、挿入時と同様に脇の皮膚を切開して行います。
そのため、傷跡がしばらく残る可能性がある点がデメリットです。
また、豊胸バッグを挿入している間はハリがあるバストを保てていても、除去後には皮膚がたるんでハリが失われます。
副作用について
豊胸バッグ除去にはメリットもデメリットもありますので、慎重に検討する必要があります。
さらに、豊胸バッグ除去では以下の副作用が起こることがあるため、副作用についても理解しておくことが重要です。
豊胸バッグ除去で起こる可能性がある副作用は以下の通りです。
- 手術後に強い痛み、腫れ、内出血が起こることがある
- 左右非対称になるなど、完全に元の状態に戻らないことがある
- 感染症のリスクがある
つまり、豊胸バッグ除去後には、挿入後と同様の副作用が起こる可能性があるということです。
豊胸バック除去後のダウンタイムについて
豊胸バッグ挿入後には強い痛みや腫れ、内出血が見られ、これらに加えてバストに違和感を覚えることもあります。
そして、全ての症状が落ち着いて豊胸バッグが安定するまでには、2カ月間程度必要です。
このような手術後の回復期間はダウンタイムと呼ばれ、豊胸バッグはダウンタイムが長いという特徴があります。
では、豊胸バッグ除去後のダウンタイムにはどれくらいの期間が必要になるのでしょうか。
豊胸バッグ除去後にも強い痛みや腫れ、内出血が起こることがありますが、これらの症状はおよそ2週間程度で引くことが多いです。
また、抜糸の有無は除去後の対応によって変わり、糸で縫合した場合ではおよそ1週間後に抜糸を行って様子を見ます。
なお、手術後1週間程度は飲酒や入浴を避ける(シャワーは手術後2日目から可)、手術後2週間程度は激しいスポーツを避けるといった注意点もあります。
豊胸バッグを挿入したときよりも除去したときの方がダウンタイムが短い傾向にありますが、除去手術もまた挿入手術と同様に大きな手術です。症状が落ち着くまでは安静に過ごす必要があります。
豊胸バッグ除去手術は保険適用外治療です
本記事では、豊胸バッグ手術が保険適用外治療となる理由、豊胸バッグ除去の基礎知識、ダウンタイムについてご紹介してきました。
豊胸バッグの劣化や破損は施術を受けた方ご自身の責任で起こるものではないため、保険適用治療のように思えるかもしれません。
しかし、豊胸バッグ除去手術は、いかなる場合でも保険適用外治療となる点に注意しましょう。
また、豊胸バッグ除去手術は難易度が高く、高い技術力を必要とする手術であるため、除去手術を受ける美容外科選びは慎重に行う必要があります。
共立美容外科の豊胸バッグの除去の料金についてはコチラから。
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