裏ハムラ法ってどんな手術方法?ハムラ法との違いと効果を美容外科医が解説
最終更新日: 2024年09月30日 (月)

目の下のたるみやくまを改善するための方法の1つに、「裏ハムラ法」があります。
同じような手法で「ハムラ法」という方法もあり、この2つはどのような点が違うのか、どちらの方が自分に合っているのか疑問に思う方も多いでしょう。
そこで本記事では、裏ハムラ法の手術方法やハムラ法との違い、ダウンタイムの症状について具体的に解説します。
裏ハムラ法とは?
裏ハムラ法とは、目の下のたるみやくまを改善するための手術方法の1つです。
裏ハムラ法ではたるみの原因となっている突出した脂肪をくぼみ部分に固定します。正式名称は「経結膜下ハムラ法」です。
裏ハムラ法の手術方法
ではここからは、具体的な裏ハムラ法の手術方法について見ていきましょう。
裏ハムラ法では、あっかんベーをした状態で下まぶたの裏側の結膜を切開します。
そしてたるみとなっている突出した脂肪をくまになっているへこんだ部分に移動させるという手法です。
裏ハムラ法とハムラ法の違い
目の下のたるみやくぼみを治す方法には、裏ハムラ法以外に、ハムラ法というものがあります。
この2つは名前の通り似ていて、どちらも脂肪を再配置するという点に関しては同じです。
しかし、ハムラ法は顔の表面側から皮膚を切開して手術を行うのに対して、裏ハムラ法はまぶたの裏を切って手術を行うという点が大きな違いです。
裏ハムラ法のメリット
では、裏ハムラ法にはどのようなメリットがあるのでしょうか?ハムラ法と比較しながら考えていきましょう。
目の下のふくらみとへこみが改善できる
裏ハムラ法は、目の下の膨らんでいる場所からへこんでいる部分に脂肪を移動させるという方法です。
そのため、くまとたるみの両方の改善が見込めるとされています。
目の下のふくらみとへこみは、どちらも主に加齢によって起こる現象です。
しかし、若い方でもふくらみやへこみができてしまう可能性はあります。その場合、実年齢よりも上に見えてしまうこともあるでしょう。両方を改善できれば見た目の印象を変えられるかもしれません。
裏ハムラ法は、ふくらみやへこみの両方の改善を期待できる点が大きなメリットです。
傷跡が残らない
ハムラ法の場合、まつげの少し下の部分の皮膚を切開して手術を行います。
目立ちにくい場所ではありますが、治り具合によっては傷が残ってしまうことも考えられます。
また、手術直後から抜糸するまでは手術を行ったことが周囲に分かりやすい状態になってしまうこともあるでしょう。
一方、裏ハムラ法の場合はあっかんべーの状態でまぶたの裏を切開して手術を行います。
そのため、顔に傷跡が残ることはありません。
顔に傷を残したくない場合、ハムラ法よりも裏ハムラ法の方がメリットが大きいと言えるでしょう。
涙袋がなくならない
ハムラ法では目の下の皮膚だけではなく、目を動かす筋肉である眼輪筋を切開しますが、涙袋はこの眼輪筋のふくらみによって形成されています。
人の顔は涙袋があることで、より表情が分かりやすくなり、若々しい印象になるといわれています。
しかし、ハムラ法で眼輪筋を切開してしまうと、眼輪筋の力が弱くなってしまい、涙袋がなくなってしまうことがあるのです。
それに対して、裏ハムラ法の場合は眼輪筋の切開は行わずに、目の下の脂肪の場所を移動するため、涙袋はなくなりません。
その上、涙袋がよりはっきりと見えることもあります。涙袋をなくしたくないという方は、裏ハムラ法を選んだ方がよいでしょう。
外反のリスクが低い
ハムラ法の手術では、眼輪筋の切開を行うため、下まぶたの緊張が弱くなってしまうことがあります。
それにより、白目が多く見えるようになったり、あかんべーをしているように見える、外反状態になってしまうことがあります。
しかし、裏ハムラ法の場合は眼輪筋の切開は行いません。そのため、まぶたが外反してしまうリスクを避けることができます。
ハムラ法の外反のリスクを懸念している方の場合は、裏ハムラ法を選択した方がよいといえるでしょう。
ダウンタイムが軽い
裏ハムラ法の場合、ハムラ法に比べて組織を切開する部分が少ないです。
ダウンタイムが起こってしまう原因は組織を切開することが挙げられているため、裏ハムラ法の方が断然ダウンタイムの症状が軽いといわれています。
傷口も外側からは見えないので、あまり気にならないという方が多いでしょう。
再発リスクが低い
裏ハムラ法では、別の場所から脂肪を取って配置するのではなく、目の下にある脂肪を少し移動させることによってくまやたるみの改善を図ります。
そのため、再発のリスクが低いといわれています。
効果が長く続く方法を選択したいという場合には、裏ハムラ法を選ぶとよいでしょう。
裏ハムラ法のデメリット
裏ハムラ法にはメリットが多いですが、もちろんデメリットもあります。
ここからは、裏ハムラ法のデメリットについても見ていきましょう。
皮膚のたるみをなくすことができない
裏ハムラ法はまぶたの裏側を切開するため、表面の皮膚は切りません。
しかし、脂肪ではなく皮膚がたるみの原因となっている場合もあります。
特に高齢の方の場合、年齢によって皮膚が乾燥したりハリがなくなることによって、皮膚がたるんできてしまうことが多くあります。
このような状態になっている場合、裏ハムラ法で内側の脂肪を移動させたとしてもそこまで印象が変わりません。
皮膚のたるみが気になる方は、ハムラ法を選ぶとよいでしょう。
ハムラ法では表面の皮膚を切り取ることができるため、皮膚のたるみにも同時にアプローチすることができます。
この違いを理解して、手術方法を選ぶ必要があります。
手術できるクリニックが少ない
裏ハムラ法は、まぶたの裏側を少しだけ切開して行う手術です。
切開部分はハムラ法に比べると半分くらいで、内側なので手術の時の視野が悪くなってしまいます。
そのような状態で手術をするためには、一定の技術と経験が必要です。
そのため、裏ハムラ法を行っているクリニックはそこまで多くないでしょう。
裏ハムラ法のダウンタイム
裏ハムラ法を行った後には、どのようなダウンタイムの症状が起こるのでしょうか?
ダウンタイムの症状とその期間について詳しく解説します。
ダウンタイムの症状
裏ハムラ法はダウンタイムが比較的軽いとされています。
術後は腫れや内出血という症状が起きてしまうことがありますが、それほどひどくならないことが多いです。
傷跡は内側にあるため、腫れが引けば安心できるでしょう。
ダウンタイムの期間
裏ハムラ法のダウンタイムは、7~14日程度で終わります。
一方、ハムラ法の場合は3カ月ほどダウンタイムが続くこともあります。比較すると裏ハムラ法のダウンタイム期間は短いといえるでしょう。
裏ハムラ法後のダウンタイムの適切な過ごし方
裏ハムラ法はダウンタイムが比較的軽くて短いとされています。
それでも、できるだけ早くダウンタイムを終わらせたいと考える方は多いでしょう。
適切な対処をしていれば、そこまで症状が悪化することなく改善していきますが、過ごし方を間違えてしまうと症状が悪化する可能性もあります。
そこでここからは、裏ハムラ法のダウンタイムの過ごし方についてご紹介していきます。
圧迫固定が終わるまで洗顔はNG
裏ハムラ法では、手術後に腫れや内出血を抑えるために目の下をガーゼとテープで圧迫固定をします。
その圧迫固定を外すのは、手術してから3日後です。
この時までは、洗顔をすることはできません。
圧迫固定を外してからも、患部の状態が落ち着くまでは水で洗顔するようにしましょう。
7日後の検診で医師からの許可が出れば、石鹸を使った洗顔ができるようになります。
入浴は1週間後まで控える
裏ハムラ法の手術後、シャワーは浴びることができます。
しかし、圧迫して固定している部分は濡らさないよう注意が必要です。
入浴すると血流がよくなってしまうため、避けるようにしましょう。
7日後の検診が終わったら、検診の翌日から入浴することができます。
痛みが強い時は冷やす
手術後は痛みが出ることがあります。
基本的には、手術を行ったクリニックで抗生剤や痛み止めが処方されるため、忘れずに飲むようにしましょう。
それでも痛みが強く出る場合には、患部を冷やすのがおすすめです。
頭を高くして寝る
寝る時に、普段よりも枕を高くして寝ることで、ダウンタイムの腫れを抑えられる可能性があります。
早くダウンタイムを抑えたい方は、枕の高さを意識してみましょう。
メイクは5日目まで不可
裏ハムラ法の手術後は、患部にメイクをすることはできません。
患部以外はメイクをしても大丈夫です。
手術から5日後の検診で医師の許可が出れば、アイメイク以外のメイクをすることができます。
しかし、患部のメイクは7日後の検診が終わってからでないとできません。
なお、アイメイク以外のメイクを落とす場合にも、ふきとり式のメイク落としを使うようにしましょう。
まとめ
裏ハムラ法はハムラ法に比べて、傷跡が目立ちにくくダウンタイムも軽い傾向にあります。
メリットも多いですが、皮膚のたるみをなくすことはできないので、若い方や皮膚のたるみが気にならない方におすすめの方法だといえるでしょう。
裏ハムラ法の手術を行っているクリニックは限られているため、しっかりと探した上で信頼できるクリニックを選ぶことが大切です。
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