そばかすが消える?ハイドロキノンの効果とは
最終更新日: 2022年05月26日 (木)
そばかすを目立ちにくくする効果が見込める成分として、「ハイドロキノン」という成分が挙げられます。
この成分は色素沈着を改善する作用が大いに見込めることから「肌の漂白剤」と呼ばれることがあり、美白効果のアピールされた市販薬やシミ・そばかす治療における皮膚科の処方薬に配合されることがあります。
そこで今回はハイドロキノンがそばかすにどのような作用をもたらす成分なのか、またハイドロキノンの副作用や推奨される使い方などについても詳しくお伝えします。
ハイドロキノンのそばかすへの効果
そばかすはメラニン色素が皮膚に蓄積されることで発生するのですが、ハイドロキノンにはそばかすを構成するメラニン色素の生成を妨げる働きが期待されます。
メラニン色素が皮膚の組織で産出される時「チロシナーゼ」という酵素が働きますが、ハイドロキノンはこのチロシナーゼの働きを妨げます。
それによりメラニン色素が生成されにくくなり、そばかすの発生や増加が抑えられるという効果が見込めるのです。
また、共立美容外科で提供されているハイドロキノンにはビタミンCとしての働きを持つ「アスコルビン酸」という成分が含まれています。
アスコルビン酸にはメラニン色素の生成を送らせる作用が見込めるため、よりいっそうそばかすを目立ちにくくする効果が期待できます。
ハイドロキノンで改善が見込めるそばかすとは
ハイドロキノンの使用によって改善が見込めるそばかすは、表皮にできているそばかすです。
そんな中、そばかすの色素沈着は表皮の下の層にある真皮にもおよんでいるケースもあります。
そうしたタイプのそばかすはハイドロキノンで薄くなる可能性があまり見込めません。
例えば、両親や祖父母からそばかすのできやすい体質が遺伝することでそばかすが発生するケースがあります。
こうした遺伝的な要因でできたそばかすはメラニン色素の蓄積が真皮におよんでいる傾向にあるため、ハイドロキノンの使用で改善する可能性が低いです。
そのため真皮にメラニン色素が蓄積しているタイプのそばかすに関しては、ハイドロキノンの塗布を続けるよりもレーザー治療のような別の方法でケアされる傾向にあります。
ちなみにハイドロキノンで改善する可能性があるのはそばかすだけではありません。
ハイドロキノンにはメラニン色素を作り出すプロセスを阻害する働きがあるため、色素沈着を起こすタイプの肌トラブル、具体的にはニキビ跡やシミ、くすみを目立ちにくくする効果も期待できます。
ハイドロキノンの使い方
医療機関でハイドロキノンを処方してもらう際、多くの場合1日1回あるいは2回、洗顔や入浴を終えた後の清潔な肌にハイドロキノンを塗布するよう指示されます。
なおハイドロキノンは熱や光に弱いため、そばかす改善効果を弱めないよう夜間のみの使用が推奨されることもあります。
また、患者さんの肌の状態によってはハイドロキノンの使用頻度を通常より少なくするよう推奨される場合もあります。
そしていかなるケースにおいても、医師の指示で決められた濃度のハイドロキノンを決められたタイミングで使うことが望ましいです。
ちなみに共立美容外科では顔にハイドロキノンを使用する場合濃度5%のタイプを、体に使用する場合は濃度10%のタイプが処方される傾向にあります。
そして使用頻度に関しては1日1回、夜寝る前の使用を推奨しております。
また、ハイドロキノンを使い終わったら必ずしっかりキャップを閉めて冷蔵庫で保管しましょう。
これはハイドロキノンの働きを弱める熱や光から保護するためです。
未開封のハイドロキノンに関しては室内で常温保存しても問題ない場合がありますが、1度開封したものに関してはうっかりリビングのテーブルに置きっぱなしにすると日光の影響で効果が弱まる恐れがあります。
そうしたアクシデントを避けるために、ハイドロキノンを塗り終わったら冷蔵庫にしまう習慣をつけましょう。
なお、使用期限の過ぎてしまったハイドロキノンを使うのは望ましくありません。
ハイドロキノンは空気に触れると酸化しやすくなる傾向にあるため、開封した後から徐々に成分が劣化する恐れがあります。
開封されさらに使用期限まで過ぎてしまったハイドロキノンは劣化が進んでいる可能性が高いので、使用してもそばかすの改善効果はあまり見込めません。
加えて使用期限の過ぎた薬を塗ることは肌へのダメージにつながる恐れがあるので、必ず使用期限内のものだけを使いましょう。
そばかすが濃くなることも?ハイドロキノンの副作用とは
濃度の高いハイドロキノンを使用したり多量のハイドロキノンを肌に塗ったりすると、副作用が生じる場合があります。
ハイドロキノンの副作用としては赤みやヒリヒリとした痛みなどが挙げられ、人によってはそばかすが以前より濃くなるケースもあるのです。
なお医師に指示されたとおりにハイドロキノンを使っていれば副作用が起こる可能性は低くなるので、ハイドロキノンを使った方すべてに副作用が生じるわけではありません。
そして副作用のリスクを抑えるために、医療機関によってはハイドロキノンの長期間の処方が避けられることがあります。
例えばある程度の期間ハイドロキノンを使ってもそばかすの色素沈着の改善効果がみられない場合、ハイドロキノン処方をいったん中止してレーザー治療などに切り替えるといった対応がとられるケースがあります。
さてこちらでは、ハイドロキノン使用中に起こり得る具体的な副作用をいくつかご紹介します。
白斑
白斑(はくはん)とは皮膚が部分的に色抜けして白っぽく見えるようになる現象です。
濃度の高いハイドロキノン、具体的には濃度5%以上のタイプを使用したりハイドロキノンを長期間使用したりした場合、まれに白斑が現れる場合があります。
万が一ハイドロキノンを使っている間に白斑が現れた場合、医療機関によっては使用を一時中止するよう患者さんに指示することがあります。
また白斑の改善を試みるために、ステロイドやビタミンD3を含んだ外用薬などが処方されるケースもあります。
赤みやヒリヒリ感
ハイドロキノンは色素沈着に高い効果が見込める一方で肌に刺激を与える可能性があり、肌の赤みやかぶれ、ヒリヒリとした痛みが生じる場合があります。
こうした副作用は使い続けるうちに軽減されていくこともありますが、場合によっては何らかの対処が必要です。
例えば医療機関で処方されたハイドロキノンを使っている間にこのような副作用が生じた場合は、医師の判断によりハイドロキノンの使用頻度を減らすよう指示されるケースがあります。
また、処方するハイドロキノンの濃度を調節することで赤みやヒリヒリ感の軽減を図ることもあります。
そばかすが濃くなる
そばかすを薄くするために使用されるハイドロキノンですが、副作用の一環でそばかすが以前より濃くなるという現象が発生する場合もあるのです。
この副作用については、ハイドロキノンの影響で皮膚が紫外線のダメージを受けやすくなることが原因として挙げられます。
そばかすを形成するメラニン色素は本来肌を外部の刺激から保護するために作られるのですが、ハイドロキノンの働きでメラニン色素の生成が阻害されると皮膚は保護するものを失った状態になります。
そうなると皮膚は紫外線に対して無防備な状態となり、日光を浴びた時に紫外線から肌を守ろうと新たなメラニン色素が作られてしまうのです。
その結果、以前よりそばかすが濃くなったと感じられるケースがあります。
ハイドロキノンの副作用によるそばかすの進行を防ぐには、紫外線対策を徹底することが推奨できます。
そばかすを改善する効果がしっかり得られるよう、ハイドロキノン使用中は普段以上に日焼け止めクリームや日傘、帽子などで紫外線対策をしましょう。
処方薬のハイドロキノンがおすすめ
ハイドロキノンは医療機関の処方薬だけでなく、市販されているクリームやローションにも含まれている場合があります。
しかし市販される化粧品や薬に含まれるハイドロキノンの濃度は厚生労働省によって制限されているため、多くの市販品におけるハイドロキノンの濃度は処方薬ほど高くありません。
そのためドラッグストアなどで購入したハイドロキノン入りの化粧品を使っても、肌の状態によってはそばかす改善効果が実感できない可能性があります。
一方で、インターネット通販ではあらゆるスキンケア用品を簡単に入手することが可能です。
そして一部の通販サイトには厚生労働省で定められた濃度を大きく超えるハイドロキノンが含まれている場合もあるのです。
そうした商品を自分の判断で購入、使用すると肌トラブルにつながる恐れがあります。
「自己判断で購入したハイドロキノンがたまたま高濃度のものであった」というケースもあるので、安易に市販のハイドロキノンを使うのはあまり推奨できません。
そのためハイドロキノンでそばかすを改善させたいのであれば、市販品を買うよりも医療機関で適切な濃度のハイドロキノンを処方してもらうのが望ましいです。
医療機関でハイドロキノンを処方してもらえば使い方や副作用に関する詳しい説明も受けることが可能であり、万が一副作用が生じた場合もすぐ医師に相談することができます。
医師の指示が受けられる状況でハイドロキノンを入手、使用すれば自己判断のみで市販品に手を伸ばすよりも安全にそばかすケアが行えます。
ハイドロキノンと併用される薬
ハイドロキノンを医療機関で処方してもらう時、そばかすの状態によっては「トレチノイン」との併用が推奨されるケースがあります。
トレチノインとはビタミンA誘導体の一種であり、肌のターンオーバーを促進しメラニン色素の排出を促す働きが期待される成分です。
そのため、ハイドロキノンと一緒に使うことでそばかすの色素沈着が改善される可能性が高まります。
また医療機関によってはトレチノインの他にレーザー治療やフォトフェイシャル、ケミカルピーリングなどと並行してハイドロキノンでの治療が行われる場合もあります。
ハイドロキノンの詳細についてはこちらから。
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