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Kyoritsu Biyo Scrap(KBS)

ヒアルロン酸が体内に吸収される仕組みを美容外科医が解説

公開日:2022年03月03日(木)
最終更新日:2022年03月14日(月)

しわ・たるみ
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ヒアルロン酸について

注射器からでるヒアルロン酸

ヒアルロン酸はもともと人間の体内に存在しており、皮膚だけでなく骨、関節、血管、内臓、目の角膜など至るところで重要な生体内成分の一つです。

特に美容分野においては、肌の水分や弾力性を保つために重要な役割を果たしている生体内成分として重要視されています。

ヒアルロン酸は、1934年に米国コロンビア大学教授のカール・マイヤー博士らにより牛の目の硝子体から発見されました。

Uronic acid(ウロン酸)という糖の一種を多く含むことから、ギリシャ語のHyaloid(ヒアロイド/硝子体)と合わせて「Hyaluronic acid(ヒアルロン酸)」と命名されたことに由来しています。

ヒアルロン酸は、専門的な言葉では「グリコサミノグリカン(ムコ多糖)」とよばれる分類に属している成分で、2000~5000対の2種類の糖が交互に鎖状につながった高分子化合物です。

よく似た扱いをされる成分にコラーゲンがあります。コラーゲンもヒアルロン酸と同じように細胞の成長や移動に重要な役割を果たしていると考えられています。

ヒアルロン酸は、この鎖状となった高分子が折り重なり、網目状構造を作り出している非常に繊細な成分です。

この網目構造こそが、ヒアルロン酸による肌の保水性・弾力性にとても重要な要素であると考えられています。

 

ヒアルロン酸を手に持つ医師

ヒアルロン酸の保水力は驚くべきもので、ヒアルロン酸1gで「約6リットル」の水分を保持することが出来ると言われています。

ヒアルロン酸がたくさんの水を抱えて肌の隙間を充たすことで、乾燥を防ぎ、肌の潤いとハリを生み出しているのです。このことから、みずみずしく魅力的な肌を保つためにはヒアルロン酸の存在がとても重要であることが分かります。

しかし、体内で産生されるヒアルロン酸は加齢に伴ってどんどん減少していきます。

体内のヒアルロン酸量は20代前半をピークにして、40歳前後から急激に減少していき、60代を過ぎるころには赤ちゃんのときと比べて四分の一にまでなってしまっていると言われています。

肌の水分量が減ると徐々に弾力性が失われていき、しわやたるみの大きな原因となってしまいます。

若いときには何もしなくてもみずみずしく張りがあった健康的な肌が、年齢を重ねるごとに乾燥が気になるようになり、化粧乗りが悪くなっていき、更にしわやたるみが増えてきます。だれもが感じる肌の老化現象の正体。それは、加齢に伴うヒアルロン酸量の経時的減少が原因だったということです。

しかし、一度減少してしまったヒアルロン酸の体内の産生量を元に戻すことは出来ません。

ある程度の年齢に達したら、不足してしまったヒアルロン酸は意識して補ってあげる必要があります。ヒアルロン酸が含まれる食品には鶏の鶏冠・手羽・軟骨、豚足などがあります。

毎日これらの食品を摂取して必要量を補うのは全く現実的ではありません。

手軽に摂るためにはサプリメントなどを使いながら補っていくのがおすすめです。

 

ヒアルロン酸が吸収される仕組み

ヒアルロン酸が吸収される仕組みを説明する看護師

ヒアルロン酸が含まれる製品は、大きく3つのタイプに分けられます。

①局所注射などの注射剤

②化粧水や美容液などの外用剤

③サプリメントとして経口で摂取する内服剤

注射剤、外用剤、内服剤について順番に解説していきます。

 

①注射剤タイプ ・・・局所注射に代表されるもの

手の上にたらされたヒアルロン酸

美容外科で非常に人気の施術の一つが、このヒアルロン酸注射です。

ヒアルロン酸注射は、顔のしわ・ほうれい線の改善、美しい輪郭形成、涙袋の形成など様々な部位・用途に用いられます。ヒアルロン酸注射を打つことで、ハリや弾力のある美しい肌を保ちながらリフトアップ効果を得ることが出来ます。

ヒアルロン酸の種類にもよりますが、一般的に6カ月から1年効果が持続します。

通常、体内で作られたり、内服によって摂取されたヒアルロン酸は、肝臓で「ヒアルロニダーゼ」という酵素の代謝を受けて、約2週間前後でその量が半減してしまうと言われています。ではなぜ、ヒアルロン酸注射は6カ月から1年という長期間にわたって効果が持続するのでしょうか。

それは、ヒアルロン酸注射に使われているヒアルロン酸が「最先端のバイオテクノロジー」によって生み出された特別なヒアルロン酸だからです。

通常、化粧品やサプリメントに配合されているヒアルロン酸は、鶏のトサカなど生物由来から作られるのが一般的です。

それに比べて、注射剤に用いられるヒアルロン酸はバイオテクノロジーに基づく最先端技術で精製された「非生物由来」のヒアルロン酸なのです。

鶏など生物由来の成分ではないため、感染のリスクを避けて安心して使用することが出来ます。

 

 

台に置かれているジュビダームシリーズのヒアルロン酸

特別なヒアルロン酸は、注射後皮下での吸収・分解を遅らせるため、ヒアルロン酸の分子間に強固な結合構造(架橋)が形成されるように設計されています。

この架橋構造があることによって、ヒアルロニダーゼにより分解・吸収されるまでの時間を遅らせ、皮下に長く留まることが出来るのです。

効果が長続きするとはいっても、その効果は半永久的ではありません。

ヒアルロン酸注射による効果は時間の経過とともに少しずつ効果が薄れていきます。

定期的に繰り返し施術を受けて頂くことで、魅力的な理想の自分を持続させることが出来ます。

また万が一、注射後の仕上がりが期待通りでなかったり、時間経過による注射部位の見栄えが気になってしまっても心配する必要はありません。

ヒアルロニダーゼを注射部位に使用することで、使用したヒアルロン酸を溶かして再度自分の希望するように修正することも出来ます。

 

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②外用剤タイプ ・・・化粧水や美容液などに代表されるもの

ヒアルロン酸の化粧水

ヒアルロン酸を含むものは化粧水、美容液、化粧品などたくさんの種類があります。

しかし、気をつけなければいけないのはヒアルロン酸の大きさと肌でどのように作用しているのかについてです。

たとえば「ヒアルロン酸配合」と表記されているものがありますが、その分子が大きすぎるヒアルロン酸は、化粧水や美容液などの外用剤からは人間の身体に吸収されるものはとても少ないのです。

人間の肌の一番外側の部分を医学的に「表皮」と呼称することがあります。

表皮からは、ある一定の大きさの成分しか浸透することができません。

これは、表皮が「異物」や「細菌」など人体に有害となる可能性のあるものを体内に侵入しないように防いだり、水分や油分などの必要な成分が失われてしまうのを防ぐため、人体に備わった一種のセーフティーネットとしての機能でもあります。

この表皮は、分子量が約2000の大きさのものまでしか通過させることが出来ません。

それに比べて、ヒアルロン酸の分子量はそのほとんどが「約200万前後」とも言われています。

中には400ほどの小分子となっているものもありますが、それだけ複雑で繊細な構造をしている生体内成分であるということです。

つまり、ヒアルロン酸含有の美容液などを使用しても、体内に吸収されるものはごく限られたものであるということです。

その代わり、ヒアルロン酸には先ほどもお話した高い「保湿性」と「弾力性」があります。

体内に吸収されることはありませんが、この保水力によって肌表面に保湿膜を形成することで肌に潤いを与えてなじみを良くし、美容成分の浸透を良くするといった効果があります。

国内の臨床試験の結果でも、どんな分子量のヒアルロン酸が配合された化粧水や美容液でも、肌の水分量や弾力性はプラセボを使用するよりも改善されたという結果が出ています。

肌の保水力が低下すると、老化による小じわのような細かいしわができてしまいます。

ヒアルロン酸による保湿効果は、こうした乾燥性の小じわも防ぐことが出来るとされているため、ヒアルロン酸配合の化粧水や美容液が数多く販売されています。

 

 

③内服剤タイプ ・・・サプリメントなどに代表されるもの

ヒアルロン酸のサプリメント

最近、肌質やその潤いの改善のための美容目的のため、内服するサプリメントタイプのヒアルロン酸がとても注目されています。

国内で行われた臨床試験の結果では、1 日に120 ㎎から 280 ㎎のヒアルロン酸を内服して摂取したほうが、プラセボ患者と比べて、肌のみずみずしさとハリを回復させ、肌質まで大きく改善する効果がみられたという実験結果が認められています。

このように、ヒアルロン酸含有のサプリメントを内服することは、しわやたるみの改善に繋がり、肌の水分量を増加させる等とても有益な効果があることが分かっていました。

しかし、内服して摂取したあとにどのように吸収され作用するのか、その詳しい仕組みまでは分かっていませんでした。

昨年の2021年6月。国際ヒアルロン酸学会にて、キユーピーマヨネーズで有名なキユーピー株式会社の「ファインケミカル部門」の研究チームが、内服摂取したヒアルロン酸が肌で有益な効果を発揮する仕組みを解明したと発表しました。

先ほど外用剤タイプのところでもお話したように、ヒアルロン酸は大きな分子量をもっています。

体内に吸収されるために、まずはヒアルロン酸が小さく分解される必要があります。

 

日常的にヒアルロン酸のサプリメントを飲んでいる女性

このヒアルロン酸の体内メカニズムを解明するため、神戸大学とキユーピーによる「ヒト腸内細菌叢モデル」を用いた国内での共同臨床試験が行われました。

これは、疑似的に人体と同じ環境を作り出した実験モデルでヒアルロン酸の体内動態を調べるための実験です。

その結果、内服したヒアルロン酸は胃や小腸では分解されずに、大腸の腸内細菌によって分解されて吸収されていることが解明されました。

つまり、腸内細菌によって低分子化されたヒアルロン酸は大腸から吸収され、血液中に入ることで全身に循環して肌に行きわたっているのです。

さらに、低分子化されたヒアルロン酸はリンパ液にも入ることで、より全身に行きわたっている可能性があると考えられています。

もともと、吸収されたヒアルロン酸が肌に到達して有益な作用をもたらすことが明らかになっていましたが、この研究によって、皮膚の深層にある「真皮」と呼ばれる部分でコラーゲン代謝を活性化して、より肌の健康を保つために重要な役割を担っていることが分かりました。

こうしてヒアルロン酸を内服することで、体の内側から肌を潤すことができます。

潤いを失っていた肌にハリと魅力を取り戻す効果をもたらしてくれる成分です。

ヒアルロン酸は肌の保湿以外にも様々な可能性を秘めています。

最近の研究によると、内服するヒアルロン酸が肌の紫外線ダメージに対しても有効性があることがわかってきています。紫外線はしわやシミなどの老化症状を誘導する最も大きな要因の一つです。

ヒアルロン酸は、今後保湿だけでなく、アンチエイジング成分としての効果が期待されていくことになる生体内成分なのです。

 

※キユーピーには「ファインケミカル部門」という部門があり、食品だけでなく化粧品や医薬品など、幅広い分野を取り扱う専門チームが結成されています。

30年以上にわたるヒアルロン酸の研究開発の実績を持っていて、その販売量は国内第一位です。

 

 

ヒアルロン酸の副作用と安全性

医師によるヒアルロン酸の注射の勉強会

ヒアルロン酸の副作用はほとんどないと言われています。もともと人間が体の中で毎日作り出している成分であるため、逆に生きていく上では欠かせない必須の成分とも言えます。

ヒアルロン酸は、加齢によって日本人の5人に1人が罹患していると言われる変形性関節症の注射薬や、ドライアイの症状改善や角膜上皮障害に使われる点眼薬として米国のFDAも認める医療用成分としても使用されています。

食品としてのヒアルロン酸は1942年に、医薬品としては1960年に、配合化粧品には1979年から認可されて使用されています。80年以上も長く使われ、エビデンスも数多く蓄積している安全で有効性のある生体内成分なのです。

詳しく知りたい方は、共立美容外科の公式サイトを一度ご覧になってみてください。

 

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このページの監修・執筆医師

  • 島田 茂孝(しまだ しげたか)

    医師

    島田 茂孝(しまだ しげたか)

    熊本院 院長
    日本形成外科学会認定形成外科専門医

    • 略歴

      • 1995年
        島根医科大学医学部 卒業
        1995年
        太田熱海病院 外科 入局
        1996年
        熊本機能病院 整形外科 入局
        1997年
        恵寿総合病院 形成外科 入局
        1998年
        昭和大学医学部付属病院 形成外科 院外助手
        1999年
        今給黎総合病院 形成外科入局
        2000年
        前橋赤十字病院 形成外科入局
        2001年
        横浜労災病院 形成外科入局
        2002年
        太田熱海病院 形成外科 入局 部長就任
        2005年
        鶴岡市庄内病院 形成外科 入局 部長就任
        2009年
        荒尾市民病院 形成外科 入局 部長就任
        2018年
        共立美容外科・歯科 入職
        2019年
        共立美容外科・歯科 大分院院長就任
        2022年
        共立美容外科 熊本院院長就任
    • 主な加盟団体

      日本形成外科学会
      日本美容外科学会

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